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オバサンは熱しやすく涙もろい

とてつもなくミーハー。夢見るのはお気楽生活

「ボイスレター」

2006-07-16 03:01:35 | 映画・DVD【は】


無実でありながらも、妻を殺した容疑で獄中にいる死刑因レイス・ダーネルは、いつ執行されるかわからない刑におびえ暮らしている。
そんなダーネルにとっての心の支えは4人の女性のボイスレター。
ボイスレターで、現実から逃避することによって、彼の心は癒されいていた。

しかし看守がダーネルへの嫌がらせのため、テープを別の人宛てに送ったことから、ダーネルに脅迫まがいのボイスレターが届くことになる。

「私以外に女がいたなんて許せない。あなたは私を裏切った罪を受けなければならない…!」


やがてダーネルは敏腕弁護士の奔走によって、第二審で無罪判決を勝ち取り釈放されるが、自由の見になったダーネルの元にさらに謎のカセットテープが届く。

「あなたは今回は死刑を免れたけれど、必ず死刑になるようにしてやるわ」


自分以外の女性ともボイスレターでの文通を行っていたことを知り、激怒した誰かが、ダーネルを脅迫してきたのだ。
その女が誰なのかを探し当てるために、ダーネルは4人の女性を1人ずつ訪ねることにするのだが、ダーネルが訪れた先々で殺人事件が起こり、殺人犯として指名手配されてしまう。
ダーネルは刑務所にいた時に、懇意にしてくれた看守ホートンに助けを求めるが……。



あまり期待しないで見たのですが、意外と面白かったです。
パトリック・スウェイジ演じるダーネルがじかに命を狙われるわけではないので、緊迫感はあまり感じられないものの、裏切られたと思った女の執念というか憎悪のようなものがひしひし感じられて怖かったですねえ。
愛する思いが強かっただけに、歪んだ愛の形である憎悪もまた強いということなんでしょうか。


ストーリーが巧妙に練りあげられていたからか、私には最後の最後まで犯人がわかりませんでした。
ただ犯人がストーカーまがいにダーネルの後を追っていたにもかかわらず、何も痕跡を残していなかったというのは少し無理があるような気がしました。
それからこれに出てくるFBIはちょっと無能過ぎるような気がしましたねえ(笑)。
何発も銃弾を打ち込まれたあの方が生きていたのもすごいな~と思いましたけど。


無罪でありながら7年間も刑務所に縛り付けられ、無罪になっても世間からは人殺し呼ばわりされる。
そんな哀れな男の役をパトリック・スウェイジが好演しておりました。
またボイスレターを交換していた女性4人も、役柄にぴったりでうまい配役だったと思います。
真犯人を推測されないためにこの4人は、知名度よりも役柄にふさわしい実力派女優を中心に人選が行われたそうですよ。


獄中はボイスレターに心を癒され、出所してからは謎のテープの声に怯え、そしてラストはまた声によって……。



しかし…つくづく過度な思いって怖いものだと思いました。はい。
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「バッド・エデュケーション」

2006-06-22 10:30:35 | 映画・DVD【は】


神学校寄宿舎にそれはそれは美しい少年がおりました。
彼の名は「イグナシオ」。
彼は同じく神学校寄宿舎で生活しているエンリケと強い愛で結ばれておりました。
(ううう…美少年+寄宿舎=萩尾望都だよねえ~)
しかし美しいイグナシオを愛するマノロ神父に二人の愛は引き裂かれます。
エンリケはマノロ神父の陰謀により神学校寄宿舎を追い出されてしまうのです。
イグナシオは「マノロ神父にいつか復讐してやる」と心に誓うのでした。

そして16年が過ぎました。
エンリケ(フェレ・マルチネス)は売れっ子の新進映画監督になっておりました。
そんな彼のもとにある日、一人の青年(ガエル・ガルシア・ベルナル)が脚本を手に突然訪ねてきます。彼は劇団員で、端役でいいので何か役が欲しいというのでした。
そして驚いたことに彼は「自分はイグナシオだ」と言うのです。
その青年にイグナシオの面影が見出せず戸惑うエンリケ。
一方で彼は、差し出された脚本の内容に強く惹かれました。そこには少年時代の彼らを引き裂く悲劇が綴られていたのでした。
エンリケはこの脚本を基にした映画を製作することを決意します。

「イグナシオ」は、熱望していた主役のサハラ役を得ることが出来、撮影は順調に進んでいきました。
ついにクランクアップの日をむかえますが、その撮影現場にベレングエルと名乗る男が訪れたことから、エンリケは「イグナシオ」の秘密を知ることになるのでした…。



『この愛の物語をすべての人々に捧げる』 ペドロ・アルモドバル
ってこれは愛の物語だったんですね……(汗)。

「究極の愛か、欲望か」なんてちらしやパッケージに書いてありますが、究極と呼べるほどの愛でもない話しだし…。

ペドロ・アルモドバル監督の半自伝的物語を映画化…らしいですが、どのへんが自伝なのでしょう。
見終った後にそれが気になりました。
自分がかつて美少年だったと言いたかったのか…(汗)?


まあそれはさておき、この映画、思ったよりはサスペンス色が薄かったです。
ちょっと肩透かしをくらった感じでした。
「イグナシオ」の素性も早い段階でわかってしまいますし。

それにですねー。私はガエルくんを「可愛い」とは思いますが「美青年」だとはどうしても思えないのですよね。あまりに肉感的すぎるし。
まあだからこそ、以前の「イグナシオ」とのギャップがあって、エンリケの疑惑がわき上がってくるという設定が生きてくるのでしょうが。

現実の場面と、映画の撮影部分が入り混じって、多少わかりづらい作りになってはいますが、結構面白い作りだと思いました。
というかわざとわかりづらくして、現実と芝居の部分との区別をなくしたかったのかなあと思ったりして。
そのお蔭で私の中でのマノロ神父は、あの「細くて神経質そうなおっさん」になってしまったのですが(笑)。

ガエルくんの女装姿も妖艶でよかったのですが、私としてはフェレ・マルチネスの押さえ気味の演技がよかったです。
最後にエンリケがイグナシオの手紙を読むところが切なくてぐっときましたねえ。
イグナシオはあの先をなんと書きたかったのかなあ…と考えるとまたまた切ない。
監督はもしかして、イグナシオの手紙を読むエンリケの姿を描きたかったのかな…と思いました。
イグナシオは美しい少年でしたが、見た目だけでなく心もきれいで純粋な人間だったのですね。
だからあんな末路をたどることになったのかも…と哀れに思えたのでした。
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「ポセイドン」の試写会に行ってきました

2006-05-24 00:08:04 | 映画・DVD【は】
ジャパプレみごとにハズレ(涙)、生ジョシュ・ルーカスは観れませんでしたが、幸運にも試写会はあたったので本日行ってきました。



ポセイドン号は世界屈指の大型客船。20階建てビルに相当する高さを誇り、800の客室と13のデッキを備えている。乗客の大半は新年の幕開けを祝うため、贅をこらした大食堂に集まっていた。マイケル・ブラッドフォード船長が乾杯の音頭をとると、乗客は一斉にシャンパン・グラスを掲げ、バンドが「蛍の光」を演奏し始めた。そのころ、艦橋にいる一等航海士は異変を感じていた。地平線に目をやると、そこには恐るべき巨大波“ローグ・ウェーブ”が・・・・・・。30メートルを超す海水の壁が猛烈なスピードでこちらに迫ってくる。航海士は急いで舵をきり、少しでも波を避けようとしたが、すでに手遅れだった・・・・・・。


こういう映画を観ていつも思うのですが、やっぱり人間は自然の脅威の前では無力なんですね。
いっくら文明が発達しようが何しようが、抗えないものなんですね。

「高いところと海が苦手」なわたしにとって、こういう映画は「試練」とも言うべき映画でございます(でもジョシュは見たい)。
もう、内容どうのこうのではないのです。
あの大海原を見ただけで縮み上がります。びびりまくります。震えがとまらなくなります。観ているこっちが窒息死しそうになります。心拍数があがります。
という訳で椅子に座っていながら、ちょっと腰が浮いたような感じで観ていたので……面白かったけど、心身共にぐったり疲れました。

船内にドドッと海水が流れ込んできたかと思うと、今度はあちこちで大爆発。
船は段々沈んでゆくし、逃げ道はないし、あたりは死体だらけ。
そんな緊迫した状況の中で、懸命に生き延びようとする人々の人間模様を描いたノンストップ・パニック・ムービーでございました。
自分の頭の中もパニックでした。
ええ、そらーもーむちゃくちゃ迫力がありました。
制作費がかかっているのがよーくわかります。

「ポセイドン・アドベンチャー」のリメイクなので、勿論共通の部分もありますが、意外な展開になっていく部分もあるので、リメイクだとバカにされないで、是非映画館に足を運んでいただきたい!!とジョシュファンとしては切に願う訳であります(でも人間ドラマとしてはオリジナルより薄いです)。
ジョシュはギャンブラーの役。
ちらしでは「直感に賭けるギャンブラー(なんじゃそれ)」と説明されていました。みんなに希望を与える、めちゃくちゃかっこいいヒーローになる男の役です。



でも濡れた頭髪をてっぺんから映すのは…後生だからやめてくださいよ~~。

通常、ひとつのシーンを撮影する場合、1度目はこちら側から、2度目はあちら側からとカメラはその都度場所を変え、そのたびに俳優さんたちは同じセリフ、同じ演技を繰り返さなけらばならないのに、今回は俳優さんたちにとって大変なシーンが多かったので、1、2回の撮影で撮ってしまえるように通常4台、多いときには6台ものカメラをいっきに回し撮り上げたのだそうですよ。
水中でのシーンが多いので俳優さんは大変だったと思いますわ、ホント。


おまけ……
個人的にちょっと笑ったので。

全然ラッキーじゃない最後を迎えるのに、ラッキー・ラリーの役で出演しているケヴィン・ディロン。
いわずと知れた、マット・ディロンの弟だが、よく似ているようでやっぱり違う。
「品のないマット・ディロン」のそっくりさんといった感じ??
マットの方が断然かっこいいのだが、顔の長さが同じなのには笑ってしまった。
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いつの間に来日?という訳で「ピンクパンサー」を観る

2006-05-16 00:51:56 | 映画・DVD【は】
いつの間にかJスンが来日していたらしいです

昨日(15日)「笑っていいとも!」に出ていたらしいです。

フ…フェイントじゃ~~~ん

今日は3時から六本木で記者会見?
会社から近いんだよね~(-ω-;)。どきどき…。


という訳で、来日記念(?)ということで、昨日は「ピンクパンサー」を観てきました。



サッカーの国際試合で、世界的に有名な監督イヴ・グルアン(ジェイスン・ステイサム)は中国代表チームを倒してフランス代表チームを勝利に導いた。熱狂的なファンと美しい恋人ザニアに囲まれていたその時、グルアンが毒の塗られたダートを刺され殺されてしまう。そしてグルアンが所有していたピンクパンサー・ダイヤモンドが忽然と姿を消していた。事件の解決を任されたドレイフェス警視(ケヴィン・クライン)は、この事件で自らを引き立てるため、クルーゾー(スティーブ・マーティン)を警部に抜擢し任務にあたらせる。


最初の映画版のピンク・パンサーは1964年にアメリカで公開された。
その時はピーター・セラーズが演じたクルーゾー警部は脇役だったのだが、そのキャラがあまりにも面白かったため、以降はクルーゾー警部を主役にシリーズ化されたのだそうだ。
ちなみにオープニングのアニメーションのピンク・パンサーは、映画とは別に製作され、1964年から1980年にかけてテレビ放映され人気を博したという。


スティーブ・マーティン演じるクルーゾー警部も悪くなかったけど、私はピーター・セラーズの方が味わい深くて好きだな~。
まあこれが再びシリーズ化されれば、スティーブ・マーティンにも馴染むのでしょうけれど。
でも例のテーマを聞いただけで、うずうずしてしまいました。
音楽の力、偉大なり。


スティーブ・マーティン演じるクルーゾーは「思い込み」と「勘違い」で行動し、結果的に騒動をおこすはめになっても周りをかえりみない。
学習能力がないので痛い目にあっても全く懲りない。
大ボケ小ボケをかまし、まわりを呆れさせる。
だけど女性を見る目は確かだ。
そこがこのクルーゾーの魅力でもある。



クルーゾーの相棒として抜擢されたジャン・レノは、今回控えめな役だったが、クルーゾーが何かやらかす度にさまざまな「呆れ顔」を見せてくれて楽しい。
そして極めつけ…カメレオンのようなとかげのような衣装でマジメな顔で踊る姿は爆笑ものだった。
初老にさしかかろうかといういいおっさんが、哀愁を少しだけ漂わせながらくねくね踊る姿のおかしいこと!
大声で笑ってしまいましたよ、もう。
ジャン・レノ最高!


最後はクルーゾーの活躍で事件が無事に解決するのだけれど、犯人の動機がイマイチ弱い。しかもどうして犯人がわかったかも、こじつけのようで無理がある気がする。
でもこーゆーばかばかしい映画に、そんな細かいことをいっちゃいけません。
「がははは」と大声で笑って、次の日には「どんな内容だったけ?」と首を傾げる。それで十分なのです。


しかしJスン……出番少なかったね(-ω-;)。
もう一人のカメオの方は、次代ボンド役をやったらよかったんじゃないでしょうかね?とってもダンディでかっこよかったですよ~(笑)。
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「ブリンク/瞳が忘れない」

2006-05-15 05:55:42 | 映画・DVD【は】


昨日はJスンの「エクスタシー」を見る予定だったけど、数分でリタイア。
どうもあの「おにぎりの海苔」のような頭に馴染めない…(汗)。
また近いうちにチャレンジします…

で、気を取り直して(?)エイダン・クインの「ブリンク/瞳が忘れない」を見ました。


角膜の移植手術により光を取り戻したばかりのエマ(マデリン・ストウ)は偶然、連続殺人犯の姿を目撃してしまう。だが術後の後遺症「逆作用視覚」に悩む彼女の目撃談は警察に相手にされない。ただ一人刑事ジョン(エイダン・クイン)だけが話を聞いてくれる。度々犯人の顔を見るエマだがそれは幻覚なのか?やがて犯人を目撃しているエマに犯人の間の手がのびる…。


思わずガッツポーズをとってしまったわたくし!!
常々エイダンはコミカルな役も似合うと思っていたのよ!!
このちょっとすっとぼけた刑事の役、今まで見たエイダンの映画の中で3本の指に入ります!!半ケツさらしながら踊るし~(でも半ケツというのは全ケツよりはずかしいものなんだな…)。
しかも13年前の作品なので、若々しく、美しいエイダンが堪能できるのです!!
ラブシーンも美しいです~~


途中から「殺人犯を目撃したエマが命を狙われるのではないか」と心配したジョンが、エマの警護にあたったりして接触が増えていきます。
だからもっと早く恋仲になると思ったのだけどね~。
刑事だから気持ちを抑えて我慢したのでしょーか?エマがあまりに美しすぎたので魅かれるのを恐れたのでしょーか?
「犯人は誰?」ということより、どちらかというと「この二人の恋はどうなるのか?」の方が気になったわたくし。猟奇殺人の現場もあまり出てこなかったしね。


ちっとも映画のレビューになってませんね…。
え~「血も凍る衝撃のサイコ・サスペンス」だそうですが、ちっとも衝撃は受けなかったです。
あ、エイダンのかっこよさに衝撃は受けましたが…。ふふふ…
映画としては60点、でもエイダンは100点あげちゃいます(何様?)。
マデリン・ストウも綺麗でした。
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「僕の妻はシャルロット・ゲンズブール」

2006-05-13 23:36:56 | 映画・DVD【は】


無名のスポーツ記者イヴァンの妻は、人気女優シャルロット。二人で街を歩けば妻はサイン責め。レストランの予約は自分ではなく彼女が電話をかければあっさりとれる。スピード違反をすれば彼女のおかげで無罪放免。どこかのバカが「ラブシーンをする女優が妻だなんてイヤじゃないか?」と話しかけてくる…。

今日もシャルロットを愛するイヴァンの悩みは尽きない。



実際にシャルロットを妻に持つイヴァン・アタルが自ら監督・脚本をてがけ、両名がそのまま夫婦の役を演じた、軽快なラブコメディーである。
なかなか洒落ていて、あちこちに笑いのタネが散りばめられていて、しかもホロっとくる場面がある……私の好きなタイプの映画だった。


イヴァンが撮影所のシャルロットを訪ね、驚く場面がある。
スタッフがみな一糸まとわぬ姿で撮影をしているのだ。
それはシャルロットがラブシーンで裸になるのを嫌がり、監督に「みんなも裸になるなら自分も脱ぐ」とだだをこねたからなのであった。
監督はその要求を呑んだわけだが、すっぽんぽんで生真面目に仕事をしているスタッフの姿は、妙におかしい(こんなことまでせなばならないなんて、スタッフを演じた俳優は大変だっただろうな)。

その現場を見て訳がわからなくなったイヴァンは、彼女の仕事を理解しようと自ら演劇にチャレンジする。
演劇コースのメソッドで「花の誕生を表現しなさい」と言われ、演じたイヴァンの姿には大爆笑してしまった。でもちゃんと花に見えたからスゴイ!
「花の誕生」の撮影の時、実際のイヴァンは演じながらスタッフと目があうと笑ってしまって15テイクもとったという(それで最高な「花の誕生」が出来上がったわけなのね)。

途中までは、イヴァンの苦悩する姿に笑ってもいられたが、共演者の男優に嫉妬し「あいつと寝たんだろ?」としつこくシャルロットに問いただす姿を見てちょっとひいた。
嫉妬する男の姿は度を越すと笑えない。むしろ嫌悪感を抱いてしまう。


嫉妬に胸を引き裂かれそうな思いでイヴァンはその場を立ち去ろうとする。


だがそのイヴァンにシャルロットが無言で抱きついてキスをする。
シャルロットを思い切り抱きしめるイヴァン…。
何故だかわからないけど、私はそれを見て涙ぐんでしまった。
「あーこの二人はホントに愛し合っているんだなー」と思えたからだろうか?




ブラッド・メルドーの軽妙なジャズがおしゃれで映画にぴったりだった。
それからオープニングの大女優の顔の数々…。
これも洒落ているなと思ったけど、ほとんど誰だかわからなかったわ…(汗)。


後でメイキングを見たら、イヴァン・アタルが監督の顔で映っていた。
映画の中の悩める夫の顔とは全く違った、生き生きとした、時には厳しい監督の顔は実に魅力的だった。
シャルロット・ゲンズブールはそんなイヴァンに惚れ直したに違いない。  
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「ぼくを葬(おく)る」

2006-05-03 00:02:05 | 映画・DVD【は】
今日はうちでトラブルがあったため会社をお休み。
昼過ぎから体があいたので映画を観に行くことにしました。
前売りをもっている「アンダーワールド:エボリューション」を観ようと思っていたのに、スバル座に行くつもりが間違ってスカラ座に行ってしまい結局間に合いませんでした~~(涙)。
で、時間の都合上、「ぼくを葬る」を観ることに。

1800円払って映画を観たのは久々でしたが、 これはそれだけだしても惜しくない映画でした。



パリ在住のロマンは売れっ子のフォトグラファー。
刺激に満ちた仕事が次々と舞い込み充実した日々を送っていた。
そんな彼がある日、撮影の途中でめまいに襲われ倒れてしまう。
検査の結果、医師に「不治の病で余命3ヶ月」と宣告され、ロマンは絶望の淵に立たされる。
医師は「まだ若いのだから化学療法を試してみるべきだ」とすすめるが、ロマンはそれを拒む。そして同棲している恋人に一方的に別れを告げる。
両親や姉には病気のことを告げようとしても告げられず、やけになって姉にひどい言葉を投げつけ傷つけてしまうロマン。
自分一人の胸におさめておくのが苦しくなったロマンは、唯一の理解者である祖母にだけ病気のことを告げる。祖母は「今夜あなたと死にたい」といい優しくロマンを抱き寄せるのだった。
残された時間はあとわずか…。自分にできることはなんだろう?
ロマンは自らの死とまっすぐ向かい合い、未来に何を残そうとしたのか?


静かなドラマでした。
無駄なセリフもなく、主人公が泣き叫んだりわめいたりすることもなく、ただ淡々と時を刻んでいくような映画でした。
それだけにかえって主人公の悲しみや怒りや絶望がこちらに伝わってきました。

初めは自分におこった悲劇に、どうしていいのかわからなかったロマンが、さまざまな人と接しているうちに自分が何をするべきかを悟ってゆきます。
一方的に別れた恋人に真実を打ち明け、いつも衝突していた姉と和解し、偶然知り合った女性の「代理父になってくれ」という申し出を受け入れます。
そして彼は一人で死とまっすぐ向かい合い、死への準備を少しずつすすめていくのです。

公園で子供をあやす姉に電話をして「今忙しいんであえないんだ」と言いながらも、本当は公園のすみからそっと姉を見ていたロマン。
そして彼らの姿を心に刻むようにカメラをむけ、シャッターを切るロマン…。
この場面には涙がとまりませんでした。

最後にロマンは一人浜辺に向かいます。
周りは幸せそうなカップルや家族づればかり。
それを観ていたロマンの脳裏に子供の頃の幸せだった場面がフラッシュバックしていきます。

やがて彼は一人、優しく微笑みながら目を閉じます。

横たわるロマンの横顔のむこうで静かに太陽が沈んでいきます。
その場面はまるで絵画のように美しく、彼の自然への回帰を優しく受け止めているようでもありました。
彼は、今までの自分自身を受け入れ、そして許し、心安らかな死を迎え入れることができたのでしょう。
切ないけれど涙を流しながらも、何故だか「ロマン、よかったね」と思ってしまったのでした。



さて…この主人公を演じたメルヴィル・プポー、かなりかっこいいです。美しいです(ハイ。また病気が始まったdimです…)!!



彼は初めの頃、監督に「筋肉をつけるように」いわれたのに、最後の方では「10キロくらいおとさねば」ならなかったそうです。撮影現場でほとんど食べることを許されず、ロマンに近い孤独感を味わうことになったとか。
そんな悲惨(?)な状況が生かされたのか、この映画のメルヴィル・プポーの演技は本当に素晴らしいのです。
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「プロデューサーズ(The Producers)」

2006-04-12 21:51:14 | 映画・DVD【は】
1959年のニューヨーク。過去の栄光の消え去った演劇プロデューサー・マックス(ネイサン・レイン)の元に、会計士のレオ(マシュー・ブロデリック)が帳簿を調べにやってくる。レオが帳簿を調べてわかったことは「ショウがこければ、出資者に配当を払わなくてすむので、プロデューサーが儲かる」ということだった。儲け話にすっかり勢いづいたマックスは、レオと組んで大金をせしめることを計画する。「史上最低のショウを上演すること!」それにはまず史上最低の脚本を探し出さねばならなかった。かれらはナチス信望者のドイツ移民フランツ・リープキン(ウィル・フェレル)の「春の日のヒトラー」に白羽の矢をたてる。



今日…これを見るまえに「A History Of Violence」を観たんですけどね…その後に観た「The Producers」のネイサンがあまりにすごくてすごくて…その前に見た映画のことなんてすっとんじまいました。
えー確かにエド様とヴィゴっちを見たハズなんですが…(汗)。
どこにいっちまったんだか…。


いや~~~~腹をかかえて笑ってきましたわ~~~。
「くすくす」笑いではなく「がははははは~~!」と笑ってきました。
でもdimの前列の人達は全く笑っていなかったです。エンドクレジットも観ないで帰った人が沢山いたし…。
笑いのツボって人それぞれなんですねぇ…。


やっぱりネイサン・レイン、すごかったです!
あの「ハの字眉毛」と「必要以上にでかい鼻の穴」を見ているだけでおかしいのに、動きからセリフから…何から何までオーヴァーだけどとにかく全て面白い!
でも面白いだけじゃーありません。笑わせながらもちゃんと人生のほろ苦さも感じさせてくれます。

小心者の会計士・レオ役マシュー・ブロデリックもよかったです~!
実生活でもホントは小心者?と疑ってしまうほどのおどおどした演技は、ネイサン同様、観客の笑いのツボを「ぐぐっ」と押し続けてくれました。

ウィル・フェレルの壊れたキャラもよかったけど、dimとしては「きゃっきゃ」しているロジャー&カルメンを演じた、ゲイリー・ビーチとロジャー・バートがとっても気に入りました。オバカだけど(そらー出てくるヤツはみんなオバカだが)すごいパワーがあって、なんだかとっても輝いているんだもの~~。
昔は美少女(?)だったであろう老婦人達もいい味出してましたね。

こんなゲイ達者な中に「ユマ・サーマン」は…ちょっといただけなかったですね。
唄を聴いたとたん、心のなかで思いっきりすべりましたもの、私。
まあ華やかで舞台映えはしてましたけど。


まるで生の舞台を観ているような臨場感。
ノスタルジックな気分にさせてくれるセットや音楽。
嫌なことを吹き飛ばしてくれる「職人」達のばかばかしいけど素敵な笑いの数々。
今日はレディスディだったので1000円で観てきたのですが、1000円でこれだけ楽しめるなんて~~得した気分です。
すすめてくださったviva jijiさんに感謝感謝。


とにかくこのシト達のパワーはスゴイ!
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「フレイルティー・妄執」

2006-03-20 01:04:11 | 映画・DVD【は】
『神の手』と呼ばれる謎の連続殺人鬼が全米中を震撼させていた。ある晩、フェントン・ミークス(マシュー・マコノヒー)と名乗る男がFBI本部に現れる。そして『神の手』事件担当のドイル捜査官(パワーズ・ブース)に「連続殺人鬼は自分の弟で、人々を殺害した後、ピストルで自らの命を絶った」と告げる。「信じ難い」というドイルにフェントンは何故弟が『神の手』と呼ばれる殺人鬼になったのかを語りだす。彼ら兄弟が幼い頃、父親が「天使に悪魔退治の使命を与えられた」と言い出し、それから恐怖の日々が始まったというのだ。
果たして彼の言葉は真実なのか?


幼い頃の回想シーンがほとんどなので、マシュー・マコノヒーの出番は余りありません。しかしFBI本部でのパワーズ・ブースとのシーンは緊迫感というか緊張感が溢れていて、とても印象に残ります。
この冒頭のシーンは実に重要で、最後の謎ときに繋がっているんですね。
FBIを訪れたフェントンに握手を求めるドイル。
しかしフェントンは握手を拒みさりげなくかわします。
後で「あーそういうことかー」とわかるのですが。
とてもよく出来た作りになっています。



幼い頃のミークス兄弟を演じたマット・オリアリーとジェレミー・サンプターは、大人顔負けの素晴らしい演技でした。
特にマット・オリアリーは父親に対して段々反抗的になっていく複雑な役だったのにうまく演じていました。「どこかで見た顔なんだよなー」と思っていたのですが『スパイ・キッズ』に出ていたんですね。『スパイ・キッズ』なんかよりこっちの方が実力の程がわかります。
ジェレミー・サンプターは無邪気な役だけにかえって怖かった
子供たちを愛する優しさを持ち合わせながら「悪魔退治」を続ける父親(ビル・パクストン)も怖かったです。映画を見終わって真実を知った今、哀れを感じながらもやっぱり怖いと思います。



そして意外な真相が待ち受ける驚愕のラスト
あああ~そういうことだったのか~
ここで物語は冒頭の場面と繋がります。

父親役のビル・パクストンが監督に初挑戦したというこの映画、素晴らしい出来です!
人が殺される場面でも、音だけを聞かせて残酷で血なまぐさい映像は見せません。アングルや場面の繋ぎにはかなり気は使っているようですが、お金はかけていない。それでも色々な意味で十分怖いのです。
無駄にお金をかけなくてもこんな面白い映画ができるんだーと目からウロコなのでした。

マシュー・マコノヒーも「性格俳優」として成功している映画だと思います。
しかし最後のマコちゃんのあのセリフ…。
なんか意味深で…やっぱり怖い…。

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「ファーゴ」

2006-03-14 13:02:19 | 映画・DVD【は】
1987年、ミネソタ州ファーゴ。カー・ディーラーのランディガードは大金が必要になったため、自分の妻を誘拐させ裕福な義父から身代金をせしめようと考える。単純な偽装誘拐だったはずが、頼りない二人組みに誘拐を依頼したがために、事態は思わぬ方向へと進んでゆく…。実話をもとにしたコーエン兄弟の作品。


オープニングの真っ白な雪景色。そして荘厳な感じの音楽。
この雪が血で赤く染まるであろうことは予測がついたが、まさかあんな展開になっていくとは思いもよらなかったなぁ。

ひとつの歯車がずれたがために人が一人殺される。そしてそれを隠すがためにまた一人…と数珠繋ぎに人が殺されていく。

犯人は無口な大男とおしゃべりな変な顔の小男。
彼らは無防備に、残忍な手口でいとも簡単に人を殺す。

しかし…終始ユーモアが漂っているのは何故だろう。
彼らのかみ合わない会話にも笑ってしまうが、追い詰められていく彼らが妙におかしいのは何故だろう。
本来なら目を覆うようなミンチの場面でさえも嫌悪感を感じさせなかった。

この映画は実際に起きた惨劇を描いているにもかかわらず、笑いのエッセンスも含んでいるなんとも不思議な味わいのある作品である。
スティーブ・ブシェミとピーター・ストーメア、ウィリアム・H・メイシーとフランシス・マクドーマンド…彼らの技量は勿論すぐれているのだが、これはコーエン兄弟の手腕というべきなのかしらん?

事件を追う妊娠中の女性警察署長マージが、うちでは穏やかな夫とほのぼのとした結婚生活を送っている。なんだか平和の象徴みたいで微笑ましい場面だった。

その彼女が最後に「わずかなお金のためになんでこんなことをするか、理解できない」と言う。
そこでやっと不思議なコーエン兄弟の世界から抜け出せた。
そうなんだよ、これは実際におきたとっても恐ろしい話なんだよね…。
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