
無実でありながらも、妻を殺した容疑で獄中にいる死刑因レイス・ダーネルは、いつ執行されるかわからない刑におびえ暮らしている。
そんなダーネルにとっての心の支えは4人の女性のボイスレター。
ボイスレターで、現実から逃避することによって、彼の心は癒されいていた。
しかし看守がダーネルへの嫌がらせのため、テープを別の人宛てに送ったことから、ダーネルに脅迫まがいのボイスレターが届くことになる。
「私以外に女がいたなんて許せない。あなたは私を裏切った罪を受けなければならない…!」
やがてダーネルは敏腕弁護士の奔走によって、第二審で無罪判決を勝ち取り釈放されるが、自由の見になったダーネルの元にさらに謎のカセットテープが届く。
「あなたは今回は死刑を免れたけれど、必ず死刑になるようにしてやるわ」
自分以外の女性ともボイスレターでの文通を行っていたことを知り、激怒した誰かが、ダーネルを脅迫してきたのだ。
その女が誰なのかを探し当てるために、ダーネルは4人の女性を1人ずつ訪ねることにするのだが、ダーネルが訪れた先々で殺人事件が起こり、殺人犯として指名手配されてしまう。
ダーネルは刑務所にいた時に、懇意にしてくれた看守ホートンに助けを求めるが……。
あまり期待しないで見たのですが、意外と面白かったです。
パトリック・スウェイジ演じるダーネルがじかに命を狙われるわけではないので、緊迫感はあまり感じられないものの、裏切られたと思った女の執念というか憎悪のようなものがひしひし感じられて怖かったですねえ。
愛する思いが強かっただけに、歪んだ愛の形である憎悪もまた強いということなんでしょうか。
ストーリーが巧妙に練りあげられていたからか、私には最後の最後まで犯人がわかりませんでした。
ただ犯人がストーカーまがいにダーネルの後を追っていたにもかかわらず、何も痕跡を残していなかったというのは少し無理があるような気がしました。
それからこれに出てくるFBIはちょっと無能過ぎるような気がしましたねえ(笑)。
何発も銃弾を打ち込まれたあの方が生きていたのもすごいな~と思いましたけど。
無罪でありながら7年間も刑務所に縛り付けられ、無罪になっても世間からは人殺し呼ばわりされる。
そんな哀れな男の役をパトリック・スウェイジが好演しておりました。
またボイスレターを交換していた女性4人も、役柄にぴったりでうまい配役だったと思います。
真犯人を推測されないためにこの4人は、知名度よりも役柄にふさわしい実力派女優を中心に人選が行われたそうですよ。
獄中はボイスレターに心を癒され、出所してからは謎のテープの声に怯え、そしてラストはまた声によって……。
しかし…つくづく過度な思いって怖いものだと思いました。はい。