明日できること今日はせず
人形作家・写真家 石塚公昭の身辺雑記
 



担当の編集者は、私がインタビューでパソコンやデジタルのことに関して全く興味を示さず、ボロクソにいったらしい雑誌を未だ持っていて、ことあるごとにそのことをいう。確かに画像を加工することなど夢にも思わず、HPを作ろうと思っただけだったので、ウインドウズをずっと使っている。  昔から使っている画像加工ソフトのフォトショップだが、私の制作上、特に問題もないので、大昔のバージョンを使い続けている。しかし今回、どうしても旧バージョンではできない作業があり、データを持って友人のスタジオにお邪魔させてもらった。そんな時、泊りがけで作業してくる、といってあるのにKさんから電話。朝から飲んだらしく、何を喋っているんだか判らない。しばらく大人しくしていたと思ったら元の木阿弥である。 集中して制作したおかげで、人間の登場シーンが凡そ揃ってきた。そのかわり始める々といっていた神主姿の柳田國男は、明日からの制作になるだろう。本日は帰りの車中で考えた、クライマックスを迎えるあたりのシーン(背景)を作った。娘の尻を触ろうとして怪我をした河童の三郎。人間に復讐するつもりが色々あって機嫌が直り、空を飛んで沼に帰ることになる。そこで翁役の柳田がカラスにいう。「漁師町は行水時よの。さらでもの、あの手負いが、白い脛で落ちると愍然(ふびん)じゃ。見送ってやれの――鴉、鴉。」つまりこの好色な河童が、行水中のスネでも見てまたヨロヨロしないよう見送れ、ということであろう。早く柳田にいわせてみたい場面である。 生ける河童Kさんにも、こんなカラスが必用である。

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