てなわけで、実はとっくのとうに観に行ってました。
「劇場版 妖怪人間ベム」
主演:亀梨和也 杏 鈴木 福
共演:北村一輝 観月ありさ 筒見道隆 中村橋之助 畠山彩奈
堀ちえみ 杉咲 花 石橋杏奈 あがた森魚 広田レオナ 永岡 佑
柄本 明
監督:狩山俊輔
脚本:西田征史
音楽:サキタハヂメ
(敬称略)
ドラマ・テレビ放送される、って段階で、
「昨今のレトロアニメのドラマ化の流れだろうけど、これややり過ぎだし、ストーリー的にムリだろ」
と思い、正直1話目を観るまで全く期待してなかった「妖怪人間ベム」。
もう、「けなすネタ」としてしか挑んでなかった、つうのが、ドラマ放送前のワタシのスタンス。
で、一話観た後。
「来週も観よう。よく作ったな、これ」
でした。
ホントね、「観なきゃ解らない作品」てぇのはあるもんですよ。
ぶっちゃけ、ネタ・タイトル・作風考えたって、「イロモノ」扱いにされるであろうドラマ。
・・・テーマと描き方とのギャップが、そのまま「妖怪人間たちの悲哀」になっているような気がしました。
で、今回の劇場版。
福君の夏休みに撮影したそうです。
売れっ子小学生ですからね、夏休みでもないとオールロケとなる映画の為にまとまった休みなんか取れないでしょ。
昨今の小学生は社会人より忙しい。
大変です。
で、映画の内容はまんま、「ドラマのその後」です。
夏目家・緒方家の人々との触れ合いを通じて、「人間になること」を強く願うようになった妖怪人間3人であったが、
彼らが人間になるためにやらなければいけないこと=彼らに欠如している「悪心」を取り込むことには抵抗があった。
唯一彼らの正体を知る章規(北村)に誘われ、夏目家・緒方家の人々と音楽鑑賞に赴くが、そこで逃亡中の強盗犯達に拉致され、
人々を救うため・強盗犯を止める為に、人々の前で正体を晒す。
拉致事件は解決するものの、彼ら3人は、その後、人々の前から姿を消してしまう。
彼ら3人は、「悪心」を取り込まず、人間を影ながら守ってゆく「生き方」を選び、「名前のない男」と対決することとなった。
っていうのが最終回。
で、この後。
彼ら3人は、行く当てもなく、訪れる街で人々を影ながら救い、その度に「妖怪」の姿を目撃され、そして街を去ってゆく。
夏目達と出会う前の生活を繰り返していた。
そんなある日、辿り着いた街で、大手製薬会社の社員が次々と襲われる事件が発生していた。
行き掛かり上そのうちの一人を助けたベムは、その事件に「不可解」さを感じる。
一方、ベロは片足を患っている少女と出会う。
初恋である。
その娘の閉ざされた心を何とか癒そうとするベロは、少女・みちるとともに「家族ごっこ」を始める。
―少女は、製薬会社・MPLの研究員・上野の子供であり、同じ研究員であった母親・小百合は、原因不明の自動車事故で死亡。みちるもその時の事故が原因で片足が不自由になっていた。
一連の事件を調べてゆくうちに、上野家が何らかの形で製薬会社の秘密に関わっていることに気づく、ベムとベラ。
一方で、この連続事件と共に、「未遂に終わった」事件の奇妙さから、3人がこの事件を追っていることを確信した章規も、この街を訪れ、ベム達と再会。
一緒に事件の真相を追うコトとなる。
とまぁ、これが映画の導入部。
この後、会社の保身の為に犠牲になり、その復讐心を抑えきれず妖怪化してゆく母・小百合の悲哀、妖怪化してゆく原因がかつて自分達が関わった事件にあることを知ってしまう3人、「名前のない男」の幻影に怯え、自分の選択によりベラ・ベロを不幸にしてしまったのではないかと悩むベム、永遠の命を持つが故に、少女との約束を守れないベロの悲恋、そんなベム・ベロ、小百合を見守りながら、時には自分のことのように悲しみ、怒るベラの姿などが描かれてゆきます。
基本的に「ドラマのテイスト」そのまま。
人とは異なる存在故に、どれだけ人に憧れてもその輪に入れず、受け入れられず、傷つきながらも、それでも人の優しさ・暖かさに癒され、そして人を守るために自らを傷つけてゆく。
なんてゆうんでしょうか、非常に悲しい話ではあるのですが、どうにも暖かさを感じざるを得ない。
そういった演出の中で、またサキタハジメ氏のBGMが非常に効果的に流れる。
「妖怪ホラーアクション」として作られたかつてのアニメが、ゆるやかで心情あふれる「人間ドラマ」として生まれ変わっている・・・
えー、ドラマの時もこの作風には惹かれましたが、劇場版として続編を作りつつ、「ストーリーの規模」「仕掛」などを大きくするわけではなく、「そのまま」で「映像美」のみを追求した作りに、感心いたしました。
うん、ブレていない。
監督・狩山氏の狙い通りの作品に仕上がっていると思います。
「映画だからパワーアップではない、皆で作り上げたドラマの世界を逸脱することない進化形」。
逆に言えば、残念なくらい「ドラマを観ていなければこの話の中心自体が解りづらい」のですが・・・
うん。
テレビアニメ・ドラマの劇場版て大体そうですな、「一見さんお断り」的な。「そんぐらい解ってるだろ」的な。
(劇場版「銀魂」で銀さんが言ってたことで、まさに真理)
ここらへんがね、まぁ、誰にでも薦められるわけではないところなんですよね、こういう映画。
個人的には非常に良かったですね、この映画。
「ああ、こういう終わり方で良かった」と。
ドラマからの流れで言って、とても、ホッとさせられた作品であります。
「劇場版 妖怪人間ベム」
主演:亀梨和也 杏 鈴木 福
共演:北村一輝 観月ありさ 筒見道隆 中村橋之助 畠山彩奈
堀ちえみ 杉咲 花 石橋杏奈 あがた森魚 広田レオナ 永岡 佑
柄本 明
監督:狩山俊輔
脚本:西田征史
音楽:サキタハヂメ
(敬称略)
ドラマ・テレビ放送される、って段階で、
「昨今のレトロアニメのドラマ化の流れだろうけど、これややり過ぎだし、ストーリー的にムリだろ」
と思い、正直1話目を観るまで全く期待してなかった「妖怪人間ベム」。
もう、「けなすネタ」としてしか挑んでなかった、つうのが、ドラマ放送前のワタシのスタンス。
で、一話観た後。
「来週も観よう。よく作ったな、これ」
でした。
ホントね、「観なきゃ解らない作品」てぇのはあるもんですよ。
ぶっちゃけ、ネタ・タイトル・作風考えたって、「イロモノ」扱いにされるであろうドラマ。
・・・テーマと描き方とのギャップが、そのまま「妖怪人間たちの悲哀」になっているような気がしました。
で、今回の劇場版。
福君の夏休みに撮影したそうです。
売れっ子小学生ですからね、夏休みでもないとオールロケとなる映画の為にまとまった休みなんか取れないでしょ。
昨今の小学生は社会人より忙しい。
大変です。
で、映画の内容はまんま、「ドラマのその後」です。
夏目家・緒方家の人々との触れ合いを通じて、「人間になること」を強く願うようになった妖怪人間3人であったが、
彼らが人間になるためにやらなければいけないこと=彼らに欠如している「悪心」を取り込むことには抵抗があった。
唯一彼らの正体を知る章規(北村)に誘われ、夏目家・緒方家の人々と音楽鑑賞に赴くが、そこで逃亡中の強盗犯達に拉致され、
人々を救うため・強盗犯を止める為に、人々の前で正体を晒す。
拉致事件は解決するものの、彼ら3人は、その後、人々の前から姿を消してしまう。
彼ら3人は、「悪心」を取り込まず、人間を影ながら守ってゆく「生き方」を選び、「名前のない男」と対決することとなった。
っていうのが最終回。
で、この後。
彼ら3人は、行く当てもなく、訪れる街で人々を影ながら救い、その度に「妖怪」の姿を目撃され、そして街を去ってゆく。
夏目達と出会う前の生活を繰り返していた。
そんなある日、辿り着いた街で、大手製薬会社の社員が次々と襲われる事件が発生していた。
行き掛かり上そのうちの一人を助けたベムは、その事件に「不可解」さを感じる。
一方、ベロは片足を患っている少女と出会う。
初恋である。
その娘の閉ざされた心を何とか癒そうとするベロは、少女・みちるとともに「家族ごっこ」を始める。
―少女は、製薬会社・MPLの研究員・上野の子供であり、同じ研究員であった母親・小百合は、原因不明の自動車事故で死亡。みちるもその時の事故が原因で片足が不自由になっていた。
一連の事件を調べてゆくうちに、上野家が何らかの形で製薬会社の秘密に関わっていることに気づく、ベムとベラ。
一方で、この連続事件と共に、「未遂に終わった」事件の奇妙さから、3人がこの事件を追っていることを確信した章規も、この街を訪れ、ベム達と再会。
一緒に事件の真相を追うコトとなる。
とまぁ、これが映画の導入部。
この後、会社の保身の為に犠牲になり、その復讐心を抑えきれず妖怪化してゆく母・小百合の悲哀、妖怪化してゆく原因がかつて自分達が関わった事件にあることを知ってしまう3人、「名前のない男」の幻影に怯え、自分の選択によりベラ・ベロを不幸にしてしまったのではないかと悩むベム、永遠の命を持つが故に、少女との約束を守れないベロの悲恋、そんなベム・ベロ、小百合を見守りながら、時には自分のことのように悲しみ、怒るベラの姿などが描かれてゆきます。
基本的に「ドラマのテイスト」そのまま。
人とは異なる存在故に、どれだけ人に憧れてもその輪に入れず、受け入れられず、傷つきながらも、それでも人の優しさ・暖かさに癒され、そして人を守るために自らを傷つけてゆく。
なんてゆうんでしょうか、非常に悲しい話ではあるのですが、どうにも暖かさを感じざるを得ない。
そういった演出の中で、またサキタハジメ氏のBGMが非常に効果的に流れる。
「妖怪ホラーアクション」として作られたかつてのアニメが、ゆるやかで心情あふれる「人間ドラマ」として生まれ変わっている・・・
えー、ドラマの時もこの作風には惹かれましたが、劇場版として続編を作りつつ、「ストーリーの規模」「仕掛」などを大きくするわけではなく、「そのまま」で「映像美」のみを追求した作りに、感心いたしました。
うん、ブレていない。
監督・狩山氏の狙い通りの作品に仕上がっていると思います。
「映画だからパワーアップではない、皆で作り上げたドラマの世界を逸脱することない進化形」。
逆に言えば、残念なくらい「ドラマを観ていなければこの話の中心自体が解りづらい」のですが・・・
うん。
テレビアニメ・ドラマの劇場版て大体そうですな、「一見さんお断り」的な。「そんぐらい解ってるだろ」的な。
(劇場版「銀魂」で銀さんが言ってたことで、まさに真理)
ここらへんがね、まぁ、誰にでも薦められるわけではないところなんですよね、こういう映画。
個人的には非常に良かったですね、この映画。
「ああ、こういう終わり方で良かった」と。
ドラマからの流れで言って、とても、ホッとさせられた作品であります。