cuminseed

ちょっとだけスパイシー

中国青海省お見舞記(5)

2007-01-18 | 中国青海省お見舞記
タール寺を見学してから西寧に戻った。
行きと違いガスが取れ、
青海省に住む、地方(田舎)の人達の
住居を車の窓から見ることが出来た。
寒い気候の中で、
泥やレンガで作られた家に住んでいるのである。
ただ、感心するばかりだ。







西寧市に着いてから、
運転手が良く行くという、チベット料理のレストランに連れて行ってもらった。
チベット族の家庭料理を食べることが出来るそうだ。

最初に『ジャ(バター茶)』が出てきた。
高さが50センチもあるポットに入れられ出てきた。
雲南省で作られた緑茶を発酵させ固めたものを煮出し、
ヤクと呼ばれる毛が長い牛のバターとミルク、岩塩をまぜたものだそうだ。
お茶というより、薄いスープに近いようだ。

『ジャ(バター茶)』の飲み方は、
【ナンチャ、チャイとも呼ばれるそうな?】
カップ(湯飲み)に注ぐと表面に「バター膜」が張る。
この膜を、息で向こう側に吹き寄せて飲む。
少しでも飲むと、すぐにジャが継ぎ足される。
息で向こう側に吹き寄せて飲むことを何度も繰り返すと
吹き寄せたバター膜が、だんだん重なって厚くなってくる。
最後にこの厚くなったバター膜を食べて、飲み終わる。
そうだ。

『ジャ(バター茶)』は健康には良さそうだが
カロリーが高そうだし、他の料理も食べたいので、
味見だけして次の料理を待った。

青海省特産のお酒を呑みたいと言ったのだが、
ハダカムギで作ったお酒は、
アルコールが60度を越えるので、
止めてビールにしたほうが良いと言われた。
中国のビールは3~4度とアルコールが低く物足りないのだが、
昼から60度のお酒は辛いので、言われたとおりビールを注文した。


ビールとツァンパと呼ばれる料理が運ばれた。
ツァンパは裸麦(チンコー)の粉を煎ったものをバター茶で練ったものだそうだ。
練ったものを手で握っただけで香ばしく、美味しい。

次はヨーグルト。
大きなお皿に入れられ、上に砂糖と小豆のような甘く黒い豆を乗せてある。


しばらくして、メインディシュ!
「羊肉・牛(ヤク)肉」料理が出てきた。
まず羊で作った腸詰。
ナイフが各自1本ずつ配られ、
太さが3センチ、長さが30センチほどの茹でられた
普通の(?)腸詰と、
太さが2センチ、長さが50センチほどの、
羊の血をミンチに練り込んで作られた黒い腸詰の
2種類が運ばれてきた。
普通の腸詰は美味しかったが、血の入った腸詰は、、、
珍味と言っておこう。



それから羊肉と牛(ヤク)肉の煮込みがそろって運ばれた。
両方とも大きな肉の塊である。
幅が5センチはある、あばら骨が顔を覗かせている。

ワイルドだ。

運転手がナイフで適当な大きさに切り分け、
みんなに配られた。
お箸など役に立たない。
手でむしゃぶりついて食べなければいけない。





糖尿病には良くないのは分かっているが、、、
体重が増えるのは分かっているが、、

美味しかった。
そして満足した。

その後、
青海省で作られた「ジャガイモ」の炒め物など運ばれてきたが、
ワイルドに肉とビールをお腹に詰め込み過ぎて、
中国のテーブルマナー通り、
お皿に残して店を後にした。
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中国青海省お見舞記(4)

2007-01-15 | 中国青海省お見舞記
西寧市のホテルで朝を迎えた。
8時20分に朝食を食べる為、
1階に行って見ると、外はまだ真っ暗だ。
フロントで朝食券をもらいエスカレーターで、
2階レストランでの朝食だ。

バイキングになっていて、
日本で食べる中華バイキングとあまり変わらない。
飲み物に、オレンジジュースを取ってもらったのだが、
熱いお湯で薄めたのだろうか、美味しくない。
あまりにも美味しくないので、
コーヒーを取ってきたら、
今度は味が濃い過ぎて苦かった。

スープだけ置いてあるテーブルが違い、
シェフがスープカップに入れてくれている。
このホテル自慢の羊肉スープだそうだ。

ウエイトレスに頼んで持ってきてもらった。
牛の内臓系が嫌いな人は食べない方が良いだろう。
モツ鍋を羊で作ったようなものだ。
私や妻は美味しいと思うのだが、
あまりお勧め出来ない料理である。

朝食を済ませ、9時に甥が迎えに来てくれた。
うっすらと明るくなって来ているが、
ガスが町全体を覆っているような天気だ。
標高が2000メートルを超えるため、
雲の中に町があると言うほうが正しいのかもしれない。
温度計も、マイナス17度と表示されている。

タクシーで病院に向かった。
妻は義姉のお見舞いと介護。
私は甥が一日だけ青海省の観光に連れて行ってくれるという。

10時に日本語通訳と運転手の方が、
病院に迎えに来るというが、
10時半を過ぎてもまだ来ない。

10時50分になってやっと来た。
通訳は、現在は青海省の大学に通っているが、
昨年までの8年間、東京の大学に留学したという女性だ。

急いで車に乗り込み、
青海湖とタール寺(塔爾寺)に行きたいと通訳の女性に伝えた。
この時期の青海湖は雪の為、そこまで行くのに時間がかかるし、
見るものがないし寒いだけだという。
タール寺(塔爾寺)に行きましょうとだけ、
甥と運転手に伝えたようだ。

たぶんこの女性は日本語がある程度話せるだけで、
通訳の経験もなく、ましてやガイドの経験も無い人だろうと思う。
こんな辺ぴな場所で、それも時期はずれの観光で、
日本語の通訳(話せる人)を探すだけで苦労したと妻が言っていた。

車の中から見る景色に圧倒され、
タール寺に着いた。

タール寺の見物をしたのだが、
この女性、チベット仏教について何も知らない。

かつては日本の寺院めぐりをした事もあり、
曹洞宗檀家の私である。

タール寺はチベット仏教グル(黄教)派の創立者―ツオンカバの生地で、
数百年の歴史があり広い敷地の中には漢族チベット族の建築物がたくさんあり、
豊富な文物が収蔵されている。
チベット刺繍、壁画、バター細工は有名。 
中の仏像や絵画の意味など、
私でも知っていた。

通訳が無くても、
チベット族の家族がたくさん参拝に来ていて、
民族衣装や、生活の一部を見ることができ、
満足の行くものであった。
寺院内では写真は取らしてくれなかったが、
仏像や絵画、建築など素晴らしいものだった。






















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中国青海省お見舞記(3)

2007-01-14 | 中国青海省お見舞記
西寧空港には甥が迎えに来てくれていた。
タクシーに乗り、
青海大学付属病院に向かった。
西寧市は青海省の省都ではあるのだが、
小さな町で、文化や経済などの生活レベルが、
北京や上海に比べ、30年は遅れているという。

今回の旅行は、妻の姉のお見舞いが第一の目的だ。
2年前に北京で会ったときには凄く元気で、
母共々、大変お世話になった。
その義姉が、昨年の春に腎臓癌と診断された。
転移が進み、今では歩くことも出来なくなっている。
担当医から、あと数ヶ月の命と宣告され、
少しでも元気なうちに会ったほうが、辛いかもしれないが、
お互いに悔いが残らないだろうという判断で、
寒い時期ではあるが、青海省への渡航となった。

お見舞いと簡単な挨拶を済ませ、
近くのホテルにチェックインした。
夕御飯が飛行機の機内食だけでは足らないだろうと、
甥が青海省の名物でもある、
羊肉の美味しい店に連れて行ってくれた。
青海省は、仏教や道教の他に回教徒(イスラム教徒)が多く、
その人達のなかで評判の良いという店に連れて行ってもらった。



寒い玄関の横で、練炭の火を使い、
羊肉を長い鉄の串に刺し焼いている。
店の中は混雑していて、
一つだけ空いていた、入り口近くの窓側の席に座った。
甥に注文を任せたので料理名は分からないが、
羊肉の串焼きと、
豚肉で言うとスペアリブ(骨付き肋肉(あばらにく)の煮込み、
ビールを頼んだ。

すぐに若い女性の店員がお茶を持ってきてくれたのだが、
プーアール茶に塩が入っている。
寒い気候で、羊肉のような脂っこい物を食べると、
塩の入ったお茶の方が身体に良く、後味がすっきりする為だそうだ。
すぐにビールも持ってきたのだが、
テーブル近くで立ち止まってしまった。
どうかしたのかな?
と注意して見て見ると、
ホールの責任者らしい男性がやってきて、
割り箸の柄を使って上手くビールの栓を抜いた。

たくさんのお客がいるのに、
ビールを飲んでいるのは、私たちだけである。
イスラム教徒は、アルコールは飲まないのだ。
それに寒いこの地方で、わざわざ冷たいビールを飲む人も
少ないのだろう。
小さなガラスコップに小さなヤカンで透明な液体を注ぎ
飲んでいるグループもある。
白酒(パイ酒=マオタイ酒)を暖めた(燗)ものだそうだ。
確かにその方が身体も温もると思うのだが、
50度を越えるアルコールはきつ過ぎる。

串焼きと、骨付き肉が運ばれてきた。
日本で食べた羊肉は少しクセ(臭味)があるような印象があったのだが、
青海省の羊肉は、軟らかく美味しい。





串焼きを1本、すぐにまた1本と食べ、
次にあばら骨を手でつかみ、口の中に頬張る。
ビールでノドを潤し、再度羊肉の串焼きを口に入れたら、、、
時間にして2~3分しか立っていないのに、
冷めて冷たいのである。

コートやジャンバーを脱いで椅子にかけているのは、
私たち夫婦だけで、みんな厚いコートを着たままだ。
店には暖房が付いているのだが、
急激な温度変化に追いついていないようだ。

我慢できなくなり、コートを着る。
窓に、ハッと息を吹きかけたら、
吹きかけた部分が、たちまち白く凍ってしまった。

ここは中国の青海省なんだ。

塩の入った熱いお茶が、凄く美味しく感じられた。
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中国青海省お見舞記(2)

2007-01-13 | 中国青海省お見舞記


上海浦東国際空港を3時15分に離陸した。
全世界に配布した運行表より、
5分早い出航である。

チケットには
上海→西寧
と書いてあるが、アナウンスで
西安に立ち寄り西寧に向かうと放送があった。

チケットの到着時間は午後8時となっている。
スチュワーデスに西安の到着時刻や、
西安空港でどのくらい時間があるのか聞いて見た。

西安空港まで2時間ほどかかり、
1時間ほどしてから西寧に向けて出航。
西寧までは1時間ほどかかり8時前後に到着する予定だそうだ。

チケットには西安経由など書いてない。
不親切な航空会社である。

西安の名前だけで
「シルクロード」
の文字が頭に浮かぶのだが、
そこからさらに飛行機で1時間もかかる所に行くのである。
どんな所か楽しみである。

厚い雲はなくなり、
たくさんの河や莫大な数の湖が
眼下に広がってきた。
カメラを頭上の手荷物棚に入れてしまった。
せっかくの景色が取れないので、
残念である。

相変わらず気流が不安定な状態が続き、
西安に着いたのは6時だった。

機内アナウンスで西安空港では、
約1時間の滞在予定だと流れた。
半分以上の乗客は西安で降り、
西安から新たな乗客が乗り込み、
西寧に向かうそうだ。

飛行機を降りて搭乗口から待合室に向かった。


西安空港待合室



飛行機の中では狭く揺れが激しい為、用を足しにくいので、
妻と交代で待合室のトイレに行った。
二人が用を足したとたん、
「西寧行きはまもなく出航します。
 6番搭乗口より乗船してください」

降りるときは1時間の滞在予定と言ったのに、、、
中国の航空会社は嘘つきだ。
まだ10分しか立っていない。
西安では用を足しただけだ。

急いで、上海から座ってきた同じ席に落ち着いた。
日本の1月は、6時20分にもなると、
日が落ちて真っ暗だが、
西安では日が傾いた程度だ。



飛行機から見る夕陽も、良いものである。


西寧に到着したのは予定通り
午後8時だった。




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中国青海省お見舞記

2007-01-11 | 中国青海省お見舞記
昨日の夜、中国より帰ってきた。
青海省は、いろんな意味で
「凄いところ!」
と言うのが私の感想だ。

午前9時発の関西国際空港発、
上海浦東国際空港行きの飛行機に乗った。
前日から6日は大荒れの天気で、
家を出るときは大粒の雨が降っていて、
飛行機が運航されるか心配だったが、
無事に時間通り離陸した。

2時間で上海に到着予定だったが、
乱気流の為、2時間30分の時間を要し、
景色も浦東空港に着陸するまで、
雲海と、真っ青な空しか見えなかった。

上海での気温は2度。
大阪よりも寒い。

入国手続きを済ませ、荷物を取ると、
出口には上海の義姉が待っていてくれた。

1月の青海省はマイナス20度以下になることもあるため、
ちゃんとした防寒装備が必要だ。
ダウンのコートは日本で買うと高いので、
義兄が私にプレゼントしてくれるというのだ。
それと西寧までの飛行機のチケットは、日本で買うと高いので、
上海の甥に買ってもらっていたのを、持ってきてもらったのだ。


午後3時20分発の飛行機で西寧に行くので、
軽く妻と義姉、私の3人で昼食をとった。
しばらくして姪から電話がかかり、
浦東空港の待合所は寒いので
ギリギリになってからチェックインをすれば良いという。
義姉も、寒いところで風邪をひいてはいけないので
急ぐ必要はないと言う。
2時過ぎにチェックインを済ませ、
ゆっくりと搭乗口に向かっていたら、
「西寧行きがまもなく出航します。 お急ぎ下さい」
と続けて3度もアナウンスが続いた。
急げと言っても私は障害者だ。
走ることも出来ないしどうしろと言うのだ。
妻に、
「早くから着いているのに、
 ゆっくりでいいなどと言うからだ!
 間に合わなかったらどうする気だ!」
と怒った。
妻は
「そんなこと言われても・・・
 まだ3時で・・・」

時計を見ると確かにまだ3時だ。
チケットにも3時20分発と書いてある。

息を切らしながら飛行機に乗り込み、
スチュワーデスに、
どうして時間が早くなったのか聞いて見た


理由は、

「無い」

そうである。

ただ乗客が全部乗ったら、
早く出航したいだけだそうだ。

この時、3時5分。
常識で考えると、
まだ充分間に合う時間だ。
日本では考えられないことだ。
妻に怒りはしたものの、全然悪く無い。


国際線はこのような事は
無いとは思うのだが、、、
このようなことを考え、実行する航空会社か機長が悪いのか?
文句を言わない国民が悪いのか?
取り合えず、私のストレス発散は妻に向けられ
納まったようだ。

でも・・・
もしかしたら
2日後の暗示だったのかも?


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