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cuminseed

ちょっとだけスパイシー

雲南省旅行記(12)

2006-09-04 | 雲南省旅行記
翌日のホテル出発は8時30分。
ゆっくりバイキングの朝食を食べることが出来た.
昆明でのバイキングではコーヒーが無かったのに
西双版納では苦いホットコーヒーが付いていた。
それと『過橋米線』と言ってお米から作った麺も出ていた。
雲南省名物の麺で、100年ほど前にベトナム国境に近い蒙自(モンツー)
で生まれたものらしい。

蒙自に住む男が科挙を目指して勉強していた。
毎日、池の真中の建物で勉強していて、妻が橋を渡って料理を運んでいた。
だが彼は勉強に熱中していて、すぐに料理を口にせず、
いつも冷めた料理を食べることになり、そのうち料理を残すようになった。
妻は何とかしようと考え、器に熱いスープを入れて鶏の油をたらしてみた。
するとスープが油の膜に覆われて冷めにくくなった。
このなかに具と麺を入れると、いつでもおいしい米線が食べられるようになった。
そこから、『過橋米線』と呼ばれるようになった。

冷めないようにコンロの上にたっぷりスープの入ったお鍋の横に
大きな器、お皿に山盛りの麺。
そして薄切りの豚肉や鶏肉。ウズラの卵や湯葉、モヤシにキュウリ、
ザーサイにキムチなどたくさんの具が並べてある。
スープのなかにウズラの卵を入れ、次に肉、
野菜、麺と順番に入れると美味しいらしい。

この話は昨年5月に北京や上海に旅行に行ったときに
ガイド兼通訳の姪から聞いた。
蘇州でお昼ご飯を食べようとしたとき、彼女が、
『過橋米線』の看板を見て、急にこれを食べようと言い出した。
彼女は、
「中国の名物料理には、必ずひとつの物語があるのです。
 それを知って食べると、不思議と味が変わってくるのですよ」
と教えてくれた。
初めての中国旅行で、良い人が案内してくれた。彼女にはすごく感謝している。
なんでもない事だが、私の料理に対する思いや想像をふくらませ、
楽しいものにしてくれる。

車に乗って1時間ほどで橄欖壩(ガンランバー)風景区の市場に着いた。
観光バスも10台ほど止まっている。
どうやら観光客用に作られた市場らしい。
雲南省のガイドは市場や特産物の店に観光客を連れて行き、
買うように薦めないといけないのだそうだ。
「ぜったいに買わないといけない事はないですからね」
石林の帰りに寄った『雲南七彩』と違い、
露天の集まりみたいで、趣がある。翡翠やお茶などの高級品もあるが、
西双版納の少数民族の工芸品やヘビ、ワニなどの革製品。
タイ族のブレスレットやネックレスのアクセサリーなど、
安価な、さまざまな物まで置いてある。
それに品物に値札が付いていない売り物が多く、
交渉しだいで安くなるようだ。
いつかは日本へのお土産を買わないといけないので、
荷物にならないようにアクセサリーやキーホルダーなどを購入。
トイレに行って用を足して・・・と思ったが・・・
ここのトイレは凄かった!!!
私も妻も、次までガマンすることにした。

車に乗って30分ほどして道路沿いの果物屋に止まった。
この辺りはフルーツ栽培が盛んで、特にパイナップルが美味しいらしい。
パイナップルやたくさんのフルーツの試食をさせてもらったが、
パイナップルを買っても日本に持って帰ることも出来ないし、
ホテルに帰ってから食べようと「マンゴー」をひとつ買った。
劉さんがパイナップルを二つ買い、妻と私はゴム林の中を通った所に在る
トイレに向かった。綺麗とは言えないが、強烈な臭いは無かった。

そこから10分ほどの所で、タイ族の住居が見学出来るというに着いた。
劉さんが私たちに家を見せてくれると言う人を紹介してくれた。
「帰りにタイ族の民芸品を薦められます。買う必要はありませんが・・・(?)」
と言って車に残った。
タイ族の住居は「竹楼」と呼ばれ、2階建てになっていて、
下の階は物置兼作業場。2階が住まいになっていた。
階段の前で靴を脱ぎ、2階へ上がると窓が小さく、室内は少し暗い感じがした。
応接間の真ん中には低い竹製のテーブルが置いてあり、
その周りには竹製の腰掛けが何脚か置いてあった。
竹楼には、柱に触れるとかならず幸運が来るという言い伝えがあると教えてくれ、
妻とふたりで触ってから低い椅子に座った
地元産のもち米茶が出され、お茶を勧めながら、私たちの質問に答えてくれた。
タイ族の習慣では寝室を他人に見せることは出来ない。
もし見てしまうと、この家の家族の一員となって生活しなければならないとか、
タイ族の家族は数世代が一つの大きな寝室に寝る。
寝室には蚊帳が掛っているが壁などの仕切りはない。
寝室を壁などで仕切るのは家族の温かみに欠ける。
とか劉さんから聞いた、
男性は15歳になると女性の家に行って家事や重労働をし、
18歳になってその女性や家人に認められないと結婚出来ない。
などの話を聞いた。
この家の2階に上がったとき、タバコを吸いながら私たち夫婦を観察している
中年の男性を見た。
今日は火曜日で今は時間も11時。
普通の男性なら仕事をしているはずである。
劉さんも言っていたが、いったん結婚すると
男性は仕事をしなくて良いのである。本当なのだなと思ってしまった。
何杯もお茶を勧められたので、妻に合図をした。
長居して、高価なモノを買わされても困るからだ。
「そろそろお邪魔します」
「もう少しだけ良いでしょうか?」
と言って、低い竹製のテーブルに掛けてあった赤い布を取った。
「やっぱり」
さっきの市場と同じアクセサリーが並んでいた。
これは○○○元。こっちは○○○元。
さっきの市場の3~4倍の値段である。
お茶代と、家の見学代、話を聞かせてくれたお礼代がプラスされている。
いちばん安いブレスレットを買い家から失礼した。
たぶん私たち夫婦の事が気に入らないのだろう。
劉さんたちが待っている駐車場まで一言も喋らず、早足で道案内してくれた。
「日本人はみんなお金持ちではないのだぞ!」

昼からは国家AA級旅景区『原始雨林 中的克木人』
と言う場所に行く予定だ。

その前に途中でお昼ご飯となった。
ここでも劉さんと運転手さんにいっしょにご飯をたべませんか?
とたずねた。
「いいですよ」
素直な返事が返ってきた。
相変わらずの鶏のスープに、牛皮のフライ。
ハーブを効かせた焼き魚に野菜炒め。
ローズマリーの葉のようなものを混ぜて作った卵焼きが出てきた。
「この卵焼きに混ぜている野菜はここでしか食べることが出来ません。
 この辺に生えている雑草で市場には売っていないのですよ」
なかなか美味なのに勿体ないと言うと
「食べたあとが凄く臭いのです。今日は大丈夫でも、
 明日になると口臭がひどくなってしまいます。
 だからみんな嫌って、市場にも売ってないのです」
どんな口臭がするのか解からないので、自分で確かめることにした。
そう言われて見ると、確かに少し臭い気がする。
食べだしてから10分ほどしてから、
店の女の子がお皿いっぱいに切ったパイナップルを持ってきた。
「さっき買ったパイナップルです。ここのフルーツは美味しいですよ。
 私もここに寄ったら、いつも買って帰ります。
 遠慮なく、食べてください」
劉さんの素直な返事の理由が解った。
金色に輝いたパイナップルは、今まで食べたことがないほど、
甘く熟して、美味しかった。


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