その店はとても小さくて、しかもわかりにくいところにあった上に、
これまで一度も雑誌の類に紹介された事がなかった。
だからどうしても常連客が多くなり、
毎夜のカウンターの顔触れは時間ごとにだいたい同じになる。
だが、それでもけっして、初めての客が不愉快になるような、
あの、顔馴染みだけに親切なある種の排他的な雰囲気は漂っていない。
生来無口な性分なのか、笑顔が穏やかな女将はいつも、
ひとりで自分の仕事に没頭し、客が話しかけてもたいがい、
にこにこしながら頷くだけだった。
その為その店に集まる客は自然と、
陽気にはしゃぎながら酒を飲む連中ではなくて、
ひとりでちびりちびりとやるのが好きな人間か、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この店のカウンターにはいくつかの大皿が置かれ。
その上には、毎朝女将が自ら築地で仕入れて来た旬の素材が京風の
「おばんざい」に調理されて盛られている。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
これは今読んでいる
「ふたたびの虹(柴田よしき)」
の冒頭の一部分だ。
柴田よしきさんの小説を読むのは3回目ぐらい。
どれもが京都の風情を描かれた作品で、
前回読んだ「蛇(ジャー)」などは、
ピンク色の竜が登場するなどファンタジック(?)でもあり、
普段、中国や日本の時代物や、息の詰まるミステリーを愛読する私には、
息抜きでもあり、新鮮な感じで好きな作家の1人だ。
先日、たまたまお昼ご飯を食べたあと時間があったので、
ぶらっと寄った本屋に置いてあった。
何気なしに手に取り、1ページ目を見たとたん
いいなぁ~~~!
惚れた!
以前済んでいた町には、このような店が2~3軒あった。
今の町には、あることはあるのだろうが
お目にかかっていない。
見つけることが出来ないのかもしれないが。
もっとも、ほとんどが妻といっしょで、
1人で飲みに行く事もなくなったのも原因だろう。
日本酒党で、酒の肴が大好きで、
ひとりで飲み歩くのが好きな私には憧れの店である。
以前の町でよく行った馴染みの店を思い出した。
残念だが、
そのほとんど(全部?)が、すでに暖簾を降ろしている。
そんな事を思い出しながら、
いつの間にか本にのめり込んでしまってた。
これまで一度も雑誌の類に紹介された事がなかった。
だからどうしても常連客が多くなり、
毎夜のカウンターの顔触れは時間ごとにだいたい同じになる。
だが、それでもけっして、初めての客が不愉快になるような、
あの、顔馴染みだけに親切なある種の排他的な雰囲気は漂っていない。
生来無口な性分なのか、笑顔が穏やかな女将はいつも、
ひとりで自分の仕事に没頭し、客が話しかけてもたいがい、
にこにこしながら頷くだけだった。
その為その店に集まる客は自然と、
陽気にはしゃぎながら酒を飲む連中ではなくて、
ひとりでちびりちびりとやるのが好きな人間か、
・・・・・・・・・・・・・・・・・・
この店のカウンターにはいくつかの大皿が置かれ。
その上には、毎朝女将が自ら築地で仕入れて来た旬の素材が京風の
「おばんざい」に調理されて盛られている。
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これは今読んでいる
「ふたたびの虹(柴田よしき)」
の冒頭の一部分だ。
柴田よしきさんの小説を読むのは3回目ぐらい。
どれもが京都の風情を描かれた作品で、
前回読んだ「蛇(ジャー)」などは、
ピンク色の竜が登場するなどファンタジック(?)でもあり、
普段、中国や日本の時代物や、息の詰まるミステリーを愛読する私には、
息抜きでもあり、新鮮な感じで好きな作家の1人だ。
先日、たまたまお昼ご飯を食べたあと時間があったので、
ぶらっと寄った本屋に置いてあった。
何気なしに手に取り、1ページ目を見たとたん
いいなぁ~~~!
惚れた!
以前済んでいた町には、このような店が2~3軒あった。
今の町には、あることはあるのだろうが
お目にかかっていない。
見つけることが出来ないのかもしれないが。
もっとも、ほとんどが妻といっしょで、
1人で飲みに行く事もなくなったのも原因だろう。
日本酒党で、酒の肴が大好きで、
ひとりで飲み歩くのが好きな私には憧れの店である。
以前の町でよく行った馴染みの店を思い出した。
残念だが、
そのほとんど(全部?)が、すでに暖簾を降ろしている。
そんな事を思い出しながら、
いつの間にか本にのめり込んでしまってた。