群馬県高崎市。
人口約37万人を擁し、それは33万の県都、前橋市を凌駕し、県内最大の都市となっている。
その玄関口、高崎駅はさすがに立派で、主要都市の駅前の体裁を整えている。
その駅前に、コスモタイガーが降り立ったのは、正午を少し過ぎた頃。
2010年も師走になったとはいえ、空は晴れ渡り、比較的温暖、まさにランニング日和となった。
中山道もここまで来ると山岳ルートのイメージはなく、概ねJR高崎線に沿って江戸へ向かうのみ。
往復のアクセスにも困ることなく、ある意味物足りないぐらいの便利さだ。
コース的にも、すでに大きな峠越えもなく、感覚的には近江路とどこか似ている感じがしないでもない。
ただし、距離的な問題は解決のしようもなく、新幹線をどこかで利用せざるを得ず、費用面では厳しいけれど。
前後駅に車を置き、名鉄で豊橋に出て、「こだま」で東京駅へ。
山手線→高崎線、と、鉄チャン的には特に面白味もない経路で、ここ高崎駅に着いたコスモタイガーなのだ。
さて、前回の続きということなら、上信電鉄で1駅、「南高崎」駅まで乗車して、そこからスタートのはずだけど、接続悪くてね。
まぁ、少しだけ重複するけど、このままここからスタートしよう。
駅前のメインストリートをまっすぐ西へ進み、「あら町」交差点に出て、南に向かって、本日のトレーニングスタート!
この道は、県道25号ね。
でも県道25は、すぐの信号(新田町)を右に折れるけど、中山道はそのまま直進。
県道134号、ということになるようだ。
前回のゴール地点、新幹線高架もそのまま立ち止まることなく、潜る。
残念ながら、しばらくは旧街道らしき見どころもなく、県道をひたすら進むのみ。
まるで高速道路のようになっている、国道17号バイパスの下を通る。
そう、今までお供してくれた国道18号は高崎市内が終点(正確には起点)。
前回通った「君が代橋」が、その場所に当たり、以降は国17が、中山道のお供をしてくれるということらしい。
いつのまにか県道の番号が「121」に変わってるけれど、とにかく道なりに進むだけ。
両側には、ファミレスや自動車販売店が点在し、何の変哲もない郊外の幹線道路、といった雰囲気で、少々単調なrunではある。
この辺り、かつては松並木だったらしいけれど、すでに面影はない。
罪滅ぼし?的に、街路樹が松なんだけどね、「並木」と呼ぶにはちょっと貧相すぎる。
「上町西」の交差点。
ここもそのまま直進。
たぶんこの辺から「倉賀野宿」と思うけれど、目印的なものは何もない。
左手に「安楽寺」なる古寺があって、やっと街道を思わせるものが現れ、ホッとする。
倉賀野宿は、江戸末期、町全部を焼くほどの大火にあったらしく、そのためにあまり史跡的なものが残ってないんだね。
それでも「上町」交差点には、高札場が復元されているて、嬉しい。
「倉賀野駅入口」の交差点。
もちろんまだゴールするには早すぎる。
すぐのスーパーの駐車場に、ひっそりと?本陣跡の碑が建っているだけで、かつての面影はない。
「中町」、「下町」、と、いかにも宿場町らしい名前の交差点が続く。
この「下町」の交差点が、追分になっていて、左に分岐するのが、日光例幣使街道。
常夜灯と祠・道標が残り、この一角だけ、歴史を感じる雰囲気を残している。
ところで「例幣使」って何?ってことなんだけど。
読み方は、「れいへいし」ね。
勅使の一種で、朝廷からの使いとして、日光東照宮をお参りする人たちのこと。
その道が、この例幣使街道となっている。
もともとは、伊勢神宮に派遣されていたんだけどね、江戸時代には、日光東照宮参りになったんだね。
東照宮といえば、初代将軍、徳川家康を祀ったもの。
時代の流れには逆らえなかったというわけだね。
中山道は、右の道をそのまま直進。
さらに100mほどで、右に分岐する細道が、中山道の残り香だ。
でもまたすぐに県道121に合流だけど。
上州の代表的な河川、「烏川」が、右奥、少し離れたところを流れているけれど、県道はそのまま工場街に入り、しばらくは単調な県道run。
途中から高架になり、その下をJR高崎線が通っている。
「新柳瀬橋北」の信号で、国17とクロス。
そのまま直進し、100mほどで、右に分岐するのが中山道。
ここでもまた、すぐに再合流し、そのまま進むと「岩鼻町」の交差点に出た。
そのまま中山道は直進するんだけど、200mも進むと、烏川の堤防にぶつかって行き止まり。
ここがかつての渡し場跡。
烏川も、舟渡しだったんだね。
この辺りから見る風景は、視野が広く、何気に素敵だ。
思わずシャメをパチリ。
仕方なく、「岩鼻町」の信号まで戻り、左折し、橋を渡る。
「柳瀬橋」ね。
ここも随分と素敵な風景だなぁ。
渡り終わって最初の信号を左折。
県道178を走る。
かつては渡し舟だったということは、この道は中山道ではない。
まずは、烏川越しの、中山道を見つけ出すことが先決!
と思いつつ、随分と迷ってしまった。
工事中で、一部の道が通行止めだったことも災いして、完全に迷い込んでしまった。
再度リセットのつもりで、柳瀬橋まで戻り、橋上の景色をシャメにおさめておく事としよう。(冒頭写真)
さて、散々手こずったけど、正解は、県道178を約600mほど走った先、酒屋さんのところに出てくる細道から入るのが正解らしい。
ようやくこの道であることを確信し、逆に辿って、堤防に突き当たったのを確認し、引き返す。
で、この細道を引き返してすぐを左折。
くねくねと家々の軒先を縫うように走り、途中から堤防道路に上がる。
ふぅ~!
ここは注意深く走らないと、迷うね~。
それに土手を走ってる感覚で、少々足元も不安定。
左の川原に運動公園があり、この脇を反時計回りに擦り抜け、道なりに進むと、関越自動車道の下を通り抜ける。
やっと静かな雰囲気の中を走る。
左手に「伊勢島神社」なる地元の神様が見えてきたら正解だ。
県道に合流、小さな川(烏川の支流、温井川)を渡る。
しばらくは、この県道178に沿って走るのみ。
資料によれば、この辺りから新町宿で、本陣跡もあるらしいけれど、どうやら見落としたかな?
「駅入口」の交差点。
ここから右手500mほどのところにある「新町」駅のことやね。
ここも宿場の雰囲気はなく、そのまま国道17号に合流し、自衛隊の基地を左に見ながら、神流川という大河を渡る。
その手前には、神流川古戦場跡を紹介する案内板も建っている。
本能寺の変直後、織田家家臣の滝川一益と、北条氏邦の軍が激しく戦った跡、ということらしい。
そして、この川がかつての国境で、現在も県境。
ここからは、埼玉県だ!
これにて上州路も制覇!
いよいよ最終章、武州路に入ったのさ!
渡り終えてすぐ、「勅使河原(北)」の三叉路。
ここは左の道を行くことは感覚で判断できる。
右はいかにも新しいバイパスだもんね。
で、すぐに左にある小さな社の脇に、「一里塚跡」の石碑がひっそりと建っている。
「勝場一里塚」と呼ばれている。
この道は県道392号になっている。
「神保原(北)」の交差点に出て、国17バイパスをそのまま横断し、県道を直進。
1本目の信号(神保原1丁目)を左折。
要するに、県道392に沿って走ればいいんだけどね。
意外と静かな道で、独特のうねりもある。
うん、これぞ旧街道!
右手のちょっとだけ高いところにある「浅間神社」は、古さは感じられ、良い目印にはなる。
あとは道なりに。
「小島四」の交差点を過ぎ、約200m。
二手に分岐し、県道は右斜めへ。
中山道はそのまま直進ね。
すぐに国道462号に出て、目の前には歩道橋がある。
その歩道橋を渡ったところで中山道は左折。
つまり国道沿いの歩道を走るんだね。
足元を見ると、歩道には、中山道69次全ての宿場をデザインしたタイルが埋め込まれていて、良い復習になる。
「鳥居本」とか「醒ヶ井」なんて、随分前の出来事で、懐かしいなぁ・・・。
と、感傷に浸るまもなく、すぐの信号(千代田三)に出て、左折。
再び県道392を走るわけね。
さっきから気になっている、左の森。
これは「金鑚(かなさな)神社」。
創建は、541(欽明天皇2)年というから、凄く由緒ある!
この辺りでは有名な神社なんだね。
周囲は随分と都会らしくなってきた中で、この一角だけがうっそうとした森で、しばし癒される。
さぁ、予定しているゴールまで、あと少し!
あとはこの県道を走るのみ。
これといった見どころも、今日のところは終了。
「本状駅入口」の交差点。
今日の中山道はここまで。
名前のとおり、右折してコースアウトして、本庄駅を目指す。
500mほどで本庄駅到着。
はい、ゴール!!
極端な起伏もなく、若干物足りないぐらいの感覚ながら、距離は結構走ってて、21~22kmぐらいかな。
まだ16時前ながら、12月だけに、すでに夕暮れ近い雰囲気。
記念?のシャメだけ撮って、とっとと帰ろう。
往路をそのまま戻るだけ。
高崎線&山手線で東京に出て、「こだま」で豊橋下車。
そして名鉄で前後。
往復の移動は、すでに単なる手段になってしまった。
中山道最後の武州路。
言い換えれば、首都大東京の通勤圏とも云えるエリアに突入!
ここまで来たら1日数本、なんてことはないからね~。
逆にそれが少々寂しくもある。
http://blog.goo.ne.jp/mrsaraie/e/23bced86a67638f9439ec20d9eb5cb89
読者管理の登録先を訪ねようと、参りました。
コツコツと更新していますから、またいつでも寄ってください♪
私もiinaさんのブログは、読者登録させていただいており、時々楽しく読ませていただいております。
ご紹介のサイト、面白そうですね!
さっそく訪問してみます!
中山道完全踏破の先輩ですね。
それも、”走って”というのは凄い!
これから、コスモタイガーさんのブログにお邪魔して、色々と勉強したいと思いますので、よろしくお願いします。
名古屋在住だったら、これから先の街道の難所についてのアドバイスを頂けそうで心強いです。
(iinaさん、コスモタイガーさんをご紹介頂きありがとうございます。)
金鑚神社は由緒ある神社で、彫刻も立派でしたね。
そうですか、名鉄の前後駅ですか!
東海道歩きで、駅前を通りましたが懐かしいな~!
私の正式な?旧街道runは、ここからスタートしました!
特急こそ通過するものの、急行まで停車する、名鉄の主要駅で、旧東海道は、本当に駅前を通ってますからね。
行政区域としては、名古屋市の隣、豊明市の玄関口でもあります。
中山道の場合、多くのHPが江戸→京都と向かわれる方が多く、様々なガイドブックも、それを想定した記述が多かったりしますが、私はあえて逆にしました。(旧中山道編0参照)
NHKの「街道てくてく」と同じですね。
なので、今更新中の「武州路」は、まさに中山道の総仕上げ!
最終章に入ったところです。
更新が遅いのが悩みの種ですが、なにぶん、時間に追われる中で、少しづつ執筆?している状況なので、ご容赦ください。