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コスモタイガーのつぶやき(16)~高校野球を見ての感想

2018-09-03 | つぶやき/更新中

先日、第100回となる夏の高校野球が終わった。
プロ野球派の自分ではあるが、単身赴任ということで、家に居ても誰かと会話するわけてもないから(笑)、夜、洗濯したり水周りの掃除しながらスポーツニュースを見たり、土日ならちょっと空いた時間にリアルに見たりして、今までと比べると、結構見る機会多かったかな?

大阪桐蔭の春夏連覇で幕を閉じたものの、大会の主人公は、準優勝の金足農業であったことは、大方の人が認めるところであったと思う。
金足農業が、全員地元出身の公立高校というのも、多くのファンの琴線に触れたことだろうし、コスモタイガーも密かに金足の応援をしてたりした。

でも冷静に考えれば、大阪桐蔭圧倒的に有利は認めざるを得ないところ。
注目の決勝戦。
吉田投手の疲れ具合も心配されたが、案の定、立ち上がりからキレがなく、思わぬ大差になったのは残念だった。

それを不憫に思う部分もあったのか、また特に今年の異常な暑さもあったのか、やたらに「投げさせ過ぎ」「かわいそう」といった声もあったよね。
TVでも多くの野球関係者や芸能人・識者が同様の趣旨を語ってたけれど。
なかには、プロに行く逸材をつぶす気か!という声もあった。

その声を集約すると、概ね、①「休養日を増やせ」②「投球数に制限をしろ」③「2日連続(あるいは2試合連続)での連投は禁止させろ」といったところか。

確かにどれももっともらしいし、「選手ファースト」にも聞こえなくはない。
でも何かが違う、と感じるんだよね。

そもそも高校野球は、高校の部活動の一環であって、プロ野球の下部組織でも養成所でもない。
野球で飯を食う者など、ほんの一握りのはず。
また、そんな先のことなんか考えず、今この瞬間、勝ちたいという一心でボールを追いかけている選手がほとんどだろうと思う。

もちろん、才能ある一部の高校生がプロを志すことは大いに素晴らしいことではあるけれど、「一部のために全体を合わせる」ことはあまりにもナンセンスだ。
だからプロ野球とリンクさせて考えること自体、大きな矛盾を感じるのだ。

①休養日を増やせ

数年前に、準準決勝と準決勝の間に休養日を設けられることになったよね。
もちろんこれは大賛成だったし、実際随分有効に機能してるんじゃなかろうか。

でもさ、これ以上は厳しいよね。
判官びいきで、「決勝の前にも休養日があったら…」なんて意見も多かった気がするけれど。

金足農業は県立高校のため、予算という大きな壁があり、選手・監督や関係者だけでなく、大人数の応援団。
その宿泊費が予算を大幅にオーバーし、ネットで募金を募っていたニュースは記憶に新しいところ。

滞在日数が増えれば増えるほど、何百万という(もっとかな?)大変な宿泊費が発生することになる。
試合で勝って宿泊が増えるならともかく、「ただ休養している」だけの日をさらに増やすのは、潤沢な資金のある私学強豪有利になってるわけで、全然「判官びいき」になってない。

それに、甲子園球場は、阪神タイガースの本拠地でもある。
無限に借りられるわけじゃなく、一定の期間に大会を終える必要があり、やたらに休養ばかりしてられない。

じゃ、甲子園以外の場所で、特にドームなら、なんて意見もどこかで散見したけれど、それも現実離れしている。
甲子園こそ聖地。
現場の選手や関係者の大半が、「甲子園だからこそ」という思いだと聞く。

ラグビーなら花園、高校駅伝なら京都を走る「ステータス」ってのを無視するわけにもいかない。

②と③について。
これは関連してるから一緒にしよう。

特に②の玉数制限。
プロ野球のWBCで脚光あびたルールだ。

例として、100球になったら、その回終了時で強制的に別の投手に交代。
だって投げすぎはかわいそうだもん、故障するじゃん。

③の2日連続なんて投げすぎだ、かわいそう。
だから連投禁止。
翌日の試合は別の投手に投げさせてね。

いかにももっともらしいけれど。
でもさ…。

そうなると甲子園で通用するレベルの投手を2人以上用意しないといけないよね。
これも当然、全国からスカウトして強化している、私学強豪圧倒的に有利だよね。

投手交代した瞬間に、突然レベルが下がって、相手チームが一気に逆転!なんて、逆に一生懸命投げてた先発投手がかわいそうだ。
今回の金足農業にこんなルール当てはめたら、恐らく決勝までこれなかっただろうし、それどころか秋田県の予選で、選手層の厚い私学強豪に逆転食らってた可能性もあっただろう。

そもそも見ている側も、こんな逆転劇、ちっとも面白くない。
いや、もちろん逆転・逆転・また逆転、の試合は、プロ・高校野球を問わず面白いよ。
でもさ、それは、お互いがその時点のベストメンバーで、最高のプレーをして、必死にせめぎあってるからこそ、の話。

人為的に?格下の選手をマウンドに上げておいて、それで逆転だ、と言われてもね。
何だか「作られた逆転劇」を見せられた感がして、すっきりしない。
少なくともコスモタイガーは、そんな逆転劇、感動できない。

③も同様で、せっかく前日、エースの好投で勝ちあがり、最高ムードなのに、翌日、格下の投手が投げたせいで、ボコスコに…、では、ボコスコにした方も何だかすっきりしないだろう。
相手に対して失礼だ。

②も③も、プロ野球やWBCのように、質・量ともにそれなりの投手がいるという前提があるから成立している話。
特にWBCの場合、「侍JAPAN」として、各チームから選ばれた最高レベルの投手がそろってる訳で、100球制限で交代しても、そんなにゲームの質をや流れを落とすことなく、次の投手が投げてくれる。
だから見ている側も楽しめるし、むしろセットアッパーやクローザーに特化した投手も居るから、「誰を使うか?」という別の楽しみすらある。

にわか仕込みで、突然プロ野球の仕組みやルールを語られても、説得力がイマイチだ。

それに、故障防止なんてもっともらしいこと言ってるけれど、投手は「試合だけ」投げてるわけじゃない。
日々のトレーニングや練習で、その何倍もの投げ込みをしているわけで、「試合だけ」制限しても意味ないんじゃないの?

自分のやってるランニングも、「試合だけ」走ってるわけじゃないし。
普段から毎日、故障のリスクを考慮しながらそれなりの距離を走ってるからこそ。
本番の42.195km走るために、その何倍・何十倍の距離を走って、やっと当日を迎えたのに、「試合だけ」制限するなんて、アスリート的な感覚からも、合点がいかない。
制限するなら、普段の練習の段階から制限しないと意味ないんだけど。

トレーニングから本番にいたるまで、長い「線」になってるのに、試合という「点」だけを見ている気がする。

さらに加えるなら、①~③いずれも、私学強豪に圧倒的有利なルールだ。
今回も、金足農業だけじゃなく、三重県からも白山高校が出て話題になったけど、そういった地元密着の公立高校はますます甲子園が難しくなってしまう。

確かに高校野球は単なる部活動であって、別に「県民を代表」して戦ってるわけじゃないけれど、出場校が固定化され、私学強豪だけが毎年トーナメントの組み合わせだけが変わってやってるだけ、になれば、見る側はマンネリ化し、大会自体の注目度が下がるということは十分ありうる。

純粋な勝負の場。
対決する以上、公立も私立も関係ないけれど、当事者でもない人間が、恣意的に「私学有利」の条件を作ってしまうのは、フェアではない。

最初に書いたように、すでに準々決勝後にすでに1日の休養日がある。
そして今回から、延長線や再試合を減少させるために「タイブレーク制」も導入された。
(※これも随分と賛否両論あったし、コスモタイガーは反対の立場。第100回にして、初めて「逆転満塁サヨナラHR」なんて劇的なシーンがあったけれど、これも「そもそも無理やり作った満塁のチャンス、従来の満塁HRと同等に考えるのは疑問」という意見が気になったりする。)

給水タイム、なんてのも今回からできた。
高野連としても、「質を落とさない」範囲で、十分に対策はしているように見える。

あとは強いて言うなら、「暑さ対策」ぐらいか?
4試合ある日は、灼熱の日中を空白にして、第3試合を夕方4時開始ぐらいにすればいいのでは?と思ったりはする。
それとて、球場や売店などで働く職員の拘束時間を増やすことになるから、簡単なことではないかもしれないが、まぁ比較的現実的な改善かな、と。

100回も続いてきた大会。
先人たちが積み上げてきたいろんなものがあって、それなりに合理的だったからこそ続いてきたという側面も忘れないで、議論しなきゃいけないよね。

そんなことを思った100回大会でありました。

コメント (4)
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