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コスモタイガーのつぶやき(13)~クライマックスシリーズ

2017-11-15 | つぶやき/更新中

今年のプロ野球のセントラルリーグ。(以下、セ・リーグと表記)
何とクライマックスシリーズを制したのは、DeNAベイスターズ!!
セ・リーグでの3位からの「下剋上」は初めてのことだ。

残念ながら、日本シリーズではパシフィックリーグ(パ・リーグ)の覇者、ソフトバングに敗れてしまったけれど。

コスモタイガーはドラゴンファンだから、ついセ・リーグ中心の目線になってしまうけれど、このクライマックスシリーズが導入されるまでの経緯を改めて振り返ってみよう。

元々このクライマックスシリーズの前身?として、パ・リーグが2004年から「プレーオフ」として行われていた。

目的は「消化ゲームを減らすこと」。
従来だと、優勝に絡まないチームにとっては、単に日程を消化してるだけになってしまうけれど、この制度のおかげで優勝争いだけじゃなく、3位争いも盛り上がる。

ただし、現在のクライマックスシリーズとの最大の違いは「リーグ優勝の扱い」。

まずペナントレース3位チームと2位チームが、第1ステージを行い、その勝者が第2ステージとして、ペナント1位チームと対戦。
ってここは、呼称が違うだけで、中身は今とほぼ一緒。

で、第2ステージで勝った方がリーグ優勝!!
だから、2004年・2005年ともに、ソフトバンクホークスがペナントレースを1位で通過しながらリーグ優勝じゃない、という悲しい現象が起きちゃったんだね。

ちなみに2004年は西武ライオンズ、2005年は千葉ロッテマリーンズ。
いずれもペナントレース2位のチームが、「パ・リーグ優勝」ということになっている。

でもさ、ホークスのファンからしてみれば、何だかすっきりしない。
年間130試合超のペナント戦って1位で通過したのに、わずか数試合のプレーオフですべてチャラ。
「1位通過チーム」としての表彰は別にされたらしいけれど、「優勝」という称号が使えない。
いったい半年間に及ぶペナントレースは何だったのか?という話になる。

ちなみにドラゴンズファン的にも、2004年(落合政権1年目!)にセ・リーグのペナントを制し、リーグ優勝したドラゴンズ。
「何でパ・リーグペナント2位のチームと日本シリーズやらなきゃならないの!?」という違和感があったのも事実なんだけどね。

さらにこの年、財政面で厳しいパ・リーグの一部球団に端を発した「球界再編問題」。
2リーグ12球団を統合・整理して、1リーグ10球団にしようなんて話が経営者側から出て、反対する選手会とぶつかり、世論もおおかた選手会を支持。

とはいえ、FA制度導入以降、選手の年俸が一気に高騰し、人件費が経営を圧迫しているという経営者サイドの言い分も充分に理解できる。

こうして日本球界初の「ストライキ」になった。
各球団、2試合ほど中止になったと記憶している。

それを受けて翌2005年から始まったのが、「交流戦」。
リーグの垣根を越え、各チーム6試合づつ、計36試合でスタート。

要するに、パ・リーグとしても、人気のある巨人戦・阪神戦をペナントに取り込み、収入を増やしたい、というのが本音。
ドラゴンズの記念すべき第1戦は、神戸グリーンスタジアムでのオリックスバファローズだったと記憶している。
(ちなみに交流戦は紆余曲折の後、2017年現在は半分の18試合となっている)

次なるステージとして、せっかく交流戦が始まったのに、セ・パで「優勝の基準」が異なるのはおかしいという議論も起きる。
上記の2004年の中日vs西武、2005年の阪神vs千葉ロッテがその最たる例だ。

こんな事情が、2007年からの両リーグ揃ってのクライマックスシリーズ導入へと繋がっていくんだね。
優勝争いとは別に、3位争いも盛り上がるし、クライマックスシリーズ自体でもそこそこ収入が期待できるから、興行的にもおいしい話。

早い話、FA制度で選手の年俸総額が高騰。
その分、球界全体として収入を増やさなければいけないってことなんだよね。

ただし、先のソフトバンクのような悲劇が起きないよう、何よりも長丁場のペナントレースを重視した制度に改定。
あくまでもペナント1位チームが優勝とすること。
その上で、プレーオフ同様の上位3球団のトーナメントで、「日本シリーズ進出」を賭けて戦う、現方式になったわけだ。

だから2007年、クライマックスを制し、日本一に輝いたのはドラゴンズだけど、セ・リーグの優勝チームはあくまでもジャイアンツ。
心情的なものは別にして、とにかくルールでは、そのようになっている。

たかがプロ野球の話ではあるけれど、やっぱりそこにも歴史(過去)があって、現在の事実がある。
ここに至るまでの経緯を忘れて、今の感情だけ言ってても、心に響くものは何もない。

さて、ここからが本題。
当然今年もセ・リーグのチャンピオンチームは、広島カープである。
いくらDeNAがクライマックスシリーズを勝ち抜き、日本シリーズで激闘しようと、昨年・今年と、広島カープが2連覇した事実は動かない。
そしてDeNAは、あくまでもセ・リーグ3位なのだ。

こういった「下剋上」が起こるたびに話題になることがある。
「やっぱりリーグチャンピオン同士で日本シリーズをやるべきだ。」
「クライマックスシリーズは日本球界にはそぐわない。」

確かに1つの見識ではある。
でもさ、何で「下剋上が起きてから言うの?」という話。

なかには日頃野球なんかロクに見ていそうもないコメンテーターらしき人々までが、TVやネットでもっともらしいことを述べたりしているけれど、このタイミングでは何を言っても「後出しジャンケン」にしかならず、なんだか見るに堪えられない。

例えば前出の広島カープ。
2013・2014年と2年続けて3位となり、クライマックスシリーズに進出している。
その際にカープファンと思しき人たちから、「クライマックスシリーズ反対!」という声はあまり聞いてない。
むしろあわよくば日本シリーズへ!と思いを馳せながら、声を枯らして応援していたカープファンの方が圧倒的に多かったのではなかろうか?

それから3年。
今度は逆の立場になり、クライマックスシリーズ(ファイナルステージ)でDeNAに不覚を取った瞬間に突然「クライマックス反対!」「やっぱり優勝チーム同士の対決が…!」と唱えられても説得力は全くないし、俗な言い方をすれば「負け惜しみ」にしか聞こえない。

逆にDeNAのファンの側から、「クライマックスは~」という意見があったら傾聴に値するかもしれないけれど。

メジャーリーグとの比較論までする御仁もいるけれど、国土面積・野球人口など、あまりにも条件が違い過ぎて何の参考にもならない。
現実に日本のプロ野球は長きにわたって、この狭い国土の中で、12球団で運営されている。

そして、遅くともシーズンが始まる前に12球団了承のもとで統一されたルールが確認されていて、それに基づいてペナントレースが開催されているわけで、「後出しジャンケン」でゴチャゴチャ云われる類のものではない。

仮定の話。
そもそも今さらクライマックスを廃止して、それ以前の状態に戻したところで、プロ野球という興行が成り立つの?

忘れちゃいけない。
成り立たなかったからこそ、ストライキを経て、いろいろと制度やルールが改正され、今に至ったのだ。

元に戻すって簡単じゃないよ。
中途半端に「クライマックスだけ廃止」なんてあり得ないよ。
物事はいろいろ関連し合って今があるんだからさ、戻るってことは、その原因となったところまで戻った上で代替案を示さないと解決にならないし。

クライマックスだけを忽然と廃止したところで、また以前のように優勝争い以外は全部消化ゲームとなり、観客動員減を避けられないよね。
失われたクライマックスシリーズに代わる収入源はどーするの?
高騰した選手の年俸を抑える手段はあるの?
あるとしたらFA制度廃止かな?
でもそんなことできる?
選手会が黙って「はい、いいですよ」と言うわけないし。

ダルビッシュや田中マー君、そして現在騒がれている二刀流の大谷選手などの例もあるように、今では米メジャー球界との繋がりも深く、避けられるものでもない。
日本球界が退廃的なことをやってれば、めぼしい選手は日本球界を経由せずにメジャーへ挑戦、なんて話にもなってくる。

時計の針を巻き戻すことは不可能なのだ。
今さら昭和の時代に戻ることはできない。
代替案も示さず、感傷的なことばかり言ってるだけでは何の前進もないのだ。

だから優勝は優勝で立派に誇れることであり、クライマックスはクライマックスで堂々と戦えば良い。

リーグ3位でも、クライマックス→日本シリーズと勝ち抜けば日本一になれる。
それはそれで楽しいと思いつつ、プロ野球を楽しみにしているコスモタイガーなのだ。

ただし、つい5年ほど前まで優勝争いの常連だった我が中日ドラゴンズは、5年連続でBクラス。
今ではセ・リーグで最もクライマックスシリーズに遠ざかってる球団だとか。
それが誠に不本意ではあるけれど。

コメント (6)
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