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時刻表検定1級
10km33:04、フルマラソン2:46:31

コスモタイガー漂走記~熊野古道伊勢路編(3)

2018-10-05 | 熊野古道伊勢路run!!

三重県尾鷲地方は、日本で最も降水量の多い地区とされる。
名古屋や大阪といった都心部では降ってなくても、現地に行けば雨、なんてことも結構な確率であるらしい。
熊野古道伊勢路をやっつける上で、天気予報は絶対に要チェックだ。

とはいえ、貴重な休日の、さらにまた丸一日空いてるときなんてそんなにないからね!
この先、多少の雨なら強行することも、ありえるかもしれない、と思ってたりする。

2014年師走。
名前の通り忙しい時期だけど、輪番勤務の平日休みを生かし、今日という貴重な一日を、熊野古道に捧げることにした。

前回、JRの「快速みえ」利用だったからね、今日は近鉄にしよ♪
通勤の混雑に紛れて名古屋駅へ。
そこからは近鉄急行で松阪へ。

本音はここから前回の帰路に利用した「熊野古道特急バス」を利用したいところだけど、ちょっと時間的に合わないのさ。
だからここでJR紀勢本線の普通列車に乗換。

わずか10分で多気駅到着。
前々回、この何もない駅をゴールにしたせいで、随分と寄り道することになってしまった。(※熊野古道伊勢路編1参照

今日は単なる乗換。
ここまで来たら鈍行乗継に徹したいところだけど、適当な列車がなく、こんな所で長時間待ちぼうけはもったいない。

ってことで、不本意?だけど、すぐ後にやってくる特急「ワイドビュー南紀」を1駅だけ利用し、三瀬谷駅下車。
JR東海の場合、30km未満の特急利用は320円だから、まぁそれぐらいの贅沢はヨシとしよう。

時計はまもなく正午になろうとしている。
前回のゴール、道の駅「奥伊勢おおだい」とは背中合わせのような状態だ。

記念に駅舎をパチリ。(冒頭写真
さっそく今日のトレーニング開始とする。

駅前道路を100mほど直進すれば、百五銀行。
ここを左折すれば前回と重複。

見覚えのある本屋さんのところで左折すれば、まもなく「佐原」の交差点で国道42に出て、重複区間終了。

右斜め、いかにも深山渓谷に分け入っていく感じの狭路が見える。
もちろんこれが熊野古道なんだけど、ちょっと寄り道して(といっても50mほどだけど)、前回の終了地点の某電話会社のうら寂れた?ビルを記念に撮影しておく。


佐原の交差点に戻って、さっき見た狭路に入っていく。
ここからが実質的なスタート。
初っ端から街道オーラ満開で、テンション上るなぁ。

船木橋を渡る。
下を流れるのは宮川。
ここまで来るとかなりの渓谷美だ。


そのまま道なりに走ればすぐに「船木大橋南」の信号に出るけれど、その手前にショートカットして坂を上る道がある。
ここを左折し、別の県道(県道747)に合流。
鋭角に曲がる感じだ。

ここから約2km、県道run。
もっとも谷あいの静かな、船木集落を通るから、飽きは来ないけど。

左手、宮川で、その向こうは、さっきスタートした三瀬谷駅と大台町中心部の集落も見える。
何だかこの辺で熊野古道は、とんでもなく大回りしているようだ。

たまに車が通るぐらいの静かな道。
突然頭上に場違いな高架橋が現れた。
紀勢自動車道。

そこを過ぎるとまた別の小さな集落があり、興味本位に脇道に入っていくと「多岐原神社」。
鬱蒼とした、でも由緒ありげな神社だけど、残念ながらリサーチしてこなかった。

それより気になるのは、この神社から宮川岸に降りた所が、前回素通りしちゃった「三瀬の渡し」の降り口だったらしい。
でも何だかさびしげな雰囲気だし、先を急ぎたいので、パスして、早々に熊野古道に戻ろう。

再び県道に戻って約100m。
案内板があり、右の山の中に入っていけ、と指示している。


今日の目玉!
三瀬坂峠。

民家の間を急激な上り坂で高度を上げ、一気に山の中へ。
アッと言う間に完全にトレイルラン状態となった。


平日ってのもあるかもしれないけど、誰とも会わない、すれ違わない。
街道ランというより、完全にクロカン走。

右手にお地蔵さん。
宝暦地蔵と呼ばれている。

それを過ぎるとすぐ。
はい、登り切りました♪
どうやらここが峠の頂上。
とはいえ、両側は森林に囲まれ、足元にひっそりと標識があるだけ。


ここからは下り。
相変わらず山の中。
下りは得意だけど、調子に乗って膝痛めないように。

降り切った所で視界が広がり、ポツンと池がある。
三瀬坂池、の名がついている。

国道42に出た。
左折(南下)して、その国道を走る。


100m弱。
右斜めに分岐する小道がある。
地図を確認するまでもなく、これが熊野古道であることは明らかだけど、ここは信号も横断歩道もない。
気を付けて渡るしかない。

小道に入り、集落の家並みを走る。
小さな祠があったりして、ここが旧街道であることを静かに伝えてくれている。
滝原集落だ。

そういえば峠越えの前に、多岐原神社なんてあったことを思い出す。
きっと同じ由緒を持ってるんだろうね。

国42をそのまま斜めに横断。
ここは信号もあるからホッとする。

田んぼと民家の中、のどかな田舎道だ。
道なりだから迷う場所もない。

やがて両側が鬱蒼とした森となり、左側には広大かつ立派なお社が見えてきた。
「滝原宮」。
正式には、皇大神宮別宮瀧原宮。

要するに伊勢神宮の別宮で、天照大神が伊勢神宮に祀られる前、一時期この地に祀られていた、とされる。
いかにも凛とした雰囲気が伝わってくる。

ここは折角だから寄り道してお参りして行こう。
本殿は参道を通って随分と奥だ。
と思って鳥居をくぐった瞬間!

警備の職員に「境内は走るな!」と。
「え?本殿までかなりありそうですけど」。

職員曰く、「敷地内は神様のいらっしゃるので一歩たりとも走ってはダメ!バチ当りだ」という話。

え?そーなの?
知らなかった!

確かに熊野古道スタート地点の伊勢神宮も、地元熱田神宮も走ってないけど、それは人が多くて遠慮してたから。
逆に誰もいない家の近所の神社とかなんて、普通に走って駆け抜けてた。

だからバチが当たったのか、こんなしがないサラリーマンなのかもね。
今度から気を付けよう。

一歩たりとも、なんて念押されたからね、ゆっくりウォーキング♪
そして本殿到着。
お参りしましょうね。


そしてまた、入口の鳥居まで徒歩。
まぁそれはそれで、神々しい雰囲気や新鮮な空気を感じ取れて楽しいけどね。

鳥居を出て、トレーニング再開。
再び静かな集落の続く道。
街道名物?の集会所もあったりして、安心する。
走っていて飽きない風景が続く。

大紀町の役場前を通過すると、県道に合流。
と思ったら100mほどで今度は国42にも合流。
そこは信号になっていて、「出谷」という地名らしい。
合流地点手前に歩道橋があるから、反対車線に渡って、そのまま国道を進む。

と、思ったらまたすぐに右へ降りていく道。
この辺は要所要所に標示板があって、道中の助けになる。

くねくねと続くうねりが街道らしくていいなぁ。
またまた集会所を超えると、道なりに右へカーブ。

右側には学校らしき建物。
大宮小学校・大宮中学校と隣接している。
通学路として気を使ってるのか、道も広くなる。

これを超えると、人家すらない。
左折カーブで坂を下る。

気持ちよくこのまま下ってしまいそうだけど、すぐに右斜めに分岐するのが熊野古道。
再び古道らしいうねりの道になり、国42をいったんアンダークロスして回り込むようにして合流する。

300mほどは我慢して国道とお付き合い。
でも歩道は設置されてるから安心だけど。

左に分岐。
再び静かな集落の中をくねくねと伸びる旧街道。
ここは阿曽集落。

紀勢本線を踏切で渡る。
シャメするほどのポイントは特にないんだけどね、でも街道らしい「ニオイ」が感じ取れ、退屈しない。
楽しいなぁ。

小さな十字路。
熊野古道はそのまま直進だけど、案内板に「→阿曽温泉」とある。

トレーニング中だし、こんな所でゴールする予定はないけどさ、温泉か~、いいなぁ、と思いつつ、女々しくも足を向けてしまった。
右折して約100m。
郵便局と隣接する形で、そこに町営の温泉施設が建っていた。


ささ、まだまだ続くよ、トレーニング!
熊野古道に戻る。

小さな商店が点在。
宮川の支流、大内山川を渡ってすぐ、右手に現れたのが立派な観音堂。
古くから熊野古道の旅人を見守ってきた「阿曽観音堂」。


迷いようがない1本道をさらに進む。
左手、川向うは、JR紀勢本線阿曽駅。
まだまだゴール予定は先。

国42に再び吸収され、しばらくは国道run。

約1km。
川沿いに降りていく感じで左に分岐する道に入る。
この辺は、近畿自然歩道とも重複しているため、その案内板が建っていて判り易い。

阿曽の集落内をくねくね走ると、再び国42へ吸収され、何度目かの近藤run。
でも左手には、大内山川が寄り添い、癒しを与えてくれる。

ここでまた1km近く国道を走ると、大内山川を渡って、何やらモニュメントらしきものが現れる。

東屋とトイレもあって、歩行者であればちょっとした休憩ポイントではあるけれど、もちろんコスモタイガーは素通り。
ここを左折し、すぐ右に行くのが熊野古道。
まぁ雰囲気でわかるけど。

柏野集落。
ここも静かだなぁ。


いかにも地元民しか通らないうねり道を行けば、一段高いところに「宝蔵寺」。
由緒は知らないけれど、地元の人の信仰を集めた名刹の雰囲気だ。

またまた国42に合流。
約200mもすると、大内山川を渡る「拍野大橋」。
これ、渡るんだね。

道順的にはどう見ても橋渡って左、だけど、右へ少し戻る。
「垣内後(かいとじり)庚申塚」。
本来の熊野古道は、川を渡ってここを通ってたんだろうな。

軽く手だけ合わせて古道に復帰。
右に山、左に大内山川を見ながらの快調なrun。
やがて人家もなくなり、踏切でJR線を横断。

そこから1km。
見どころらしいところもなく、人通りもない山道をひた走る。

ちらほらと家並みが現れたら、左に某電話会社の紀勢交換所。
といっても、入り口の門が目立つだけで、広大な駐車場?の奥に、小さな無人ビルがある。
随分贅沢な土地の使い方をしてるんだなぁ。
この辺は撮影するものもないから、これ、シャメしとこっと。


振り返れば、正面は大皇神社。
山々を背景に、かなり奥深そうな神社だけど、まだまだ先は長いからね、ここはパスしよう。

歴史を感じる大きな民家が並ぶ。
素敵な集落だ。

伊勢柏崎駅への入り口となるT字路をそのまま直進すれば、まもなく右手やや高台に、「大蓮寺」。


リサーチ資料によれば、北畠家臣の山﨑家によって1569年に開基された、とあるから、これまた由緒も格式もあるお寺なのだ。
散策路もある立派な境内らしいけれど、これまた先を急ぐ旅の者。
お詣りだけして失礼する。

JR線を再び渡ってすぐ右へカーブ。
再び川沿いの道となる。
右側は、素敵な古民家が並んでいる。
ちなみに手元の資料では、県道538号、ということになっている。

右は崖、左は川。
人家もない1本道を走るだけ。

民家がポツンポツンと現れ、JR線の下を潜って間もなく。
正面に集会所らしき建物が見えたら左折。

そのまま国42に交差。
信号はないけれど、横断歩道があるから、そのまま直進。
すぐT字路になってて、右折。

わずか50m少々だけど、ここにも熊野古道が忘れられたように残り、国42に吸収された。

リサーチによれば、100mほど国道runしたところで左に分岐するはずだけど、残念ながら柵、その向こうは森。
森の上には紀勢自動車道が走っているから、建設時に消失したのかもしれないね。

仕方ないからさらに200mほど国道を走れば、右に分岐する道があり、案内板も建っている。
道なりに、集落の中を黙々と走る。

そのまま国42に合流、と思ったら、ここは変則4叉路になってて、「国昌寺」と書かれた石碑が建っている。
石碑に従い、右に90度折れるのが正解で、そのままその国昌寺に到着。


のどかな寺だなぁ。
お詣りしようとしたら、おばあちゃんが孫を連れてのんびり歩いてる。
見たことないおじさんが奇怪な格好で現れたから、不思議そうな顔をして通り過ぎていく。

ここには立派な公衆トイレも併設されていて、旅人にはとっても有難い。
せっかくだから、コスモタイガーも用を足していく。

このお寺の前がT字路になっいる。
熊野古道は右折、つまり今用を足したトイレの前を横切り、お寺の裏を通ることになるんだね。

川沿いに走るのどかな道。
田んぼに囲まれて見通しが良く、国昌寺だけが離れても目立っている。

案内板に従って突き当りを左折すれば、国42にぶつかる。
で、右折してわずか50mほど国道を走れば、またすぐに分岐。

この辺は国42とくっついたり離れたり。
でも案内板も整備され、迷わず走れるのはありがたい。
だから効率も良い。

道沿いにはひっそりと庚申塚もあり、ここが旧街道であることを教えてくれる。
約700m。

橋が現れる。
渡った先は国42。

でも熊野古道はここを左折。
そしてすぐにあるのが、大内山一里塚。


何だか久々に一里塚を見た気がする。
小さなお地蔵さんは当時のままだけど、樹齢400年の松の木は1982年に枯れてしまい、現在は2代目、ということらしい。

ここを過ぎると道は未舗装となり、ヒノキ林の中のトレイル状態となる。
さらに道は狭くなり、ほとんど獣道状態。
「ホントに道、繋がってるの?」と不安になるが、目印にヒノキに赤いテープが巻いてある、との予備知識は得てあるので、それを頼りに走るしかない。

登ったり下ったり。
やっとしっかりした道になり、ホッとする。

木製の小さな橋が現れた。
一応、芦谷橋、という名前が付いている。

大きな看板があって、左に行くと大内山動物園、なんてのがあるらしい。
こんな山の中に動物園があるなんて、ちょっと信じられない。
(※後日、ネットで調べたところ、自然と共有できる、かなり評判の良い動物園だそうです)

江尻橋南の交差点に出た。
国42を渡ってそのまま直進。

大内山集落。
またまた某電話会社の大内山交換所、なんてあったりする。
こんな所にまで設備を作るのも、大変だね~。


緩やかな上り坂の中に、昔ながらの床屋さんや酒屋さんがあったりして、なかなか楽しい空間だ。


右手に現れたのは、紀勢本線大内山駅。
ここも鈍行しか停車しない無人駅で、ひっそりしている。

その名も「大内山」の交差点で、国42に合流。
大紀町役場の支所や町立保育園を右に見ながら、しばらくは国道run。

夕暮れが近づいてきた。
12月は日が短いのが難点だよね。
ちょっとペースを上げる。

紀勢自動車道の高架を見上げ、さらに走ると、大内山大師堂なる看板が右手に。
資料にも載ってないけど、何だろう?
弘法大師に関係あるのかな?

それより、ここから左に分岐する道をやり過ごさないようにしないとね。
といってもわずか200mほどでまた国道に合流。

さらにしばらくするとまた左に分岐。
ゆるやかに下りつつ、忘れ去られたような道だ。


合流したところにバス停がある。
梅ヶ谷停留所。
前回帰路にも利用した、「熊野古道特急」バスも止まる停留所だ。


と同時に、「梅ヶ谷」の交差点。
ここは熊野古道ハイカー(ランナー)にとって、大きな拠点となるところ。

交差点からさらに200m進んだ右手に、不気味な?無人駅。
梅ヶ谷駅。

もちろん無人駅だけど、不気味さを醸し出してるのは、駅の裏が「八柱神社」になっていること。
人気のない夕暮れの神社は、結構寂しさを感じるよね。

境内に入ってみると、意外に広さを感じる。
ここをお参りして、今日のトレーニングを締めることとしよう。


さて、帰路をどうしようか。
2者択一。
このまま目の前の梅ヶ谷駅からJR紀勢本線鈍行の旅とするか、さっきのバス停から前回も利用した「熊野古道特急」バスを利用するか。
どちらもしばらく待てばやってくる上に、場所が場所名だけに、いずれもかなりの確率で座れるはずだだから、かなり迷う。

結局選んだのは、熊野古道特急バス。
疲れた体には、JR鈍行のロングシート車より、観光バス仕様の乗り心地の良さは魅力的♪

案の定、松阪駅へ向かうバスは暖房も効いて暖かく、ウトウトしてる間に松阪駅到着。
今日はさすがに「ひょうたん湯」に寄る時間はない。
さっさと近鉄に乗換、名古屋へ一目散に帰宅するのみだ。

(※熊野古道特急バスは、2018年10月1日にダイヤ改正され、尾鷲市内で分割されてた2系統を統合・整理し、さらに各停化されました。これにより、「特急」ではなくなり、路線バス松坂熊野線、通称「熊野古道ライン」、として再出発しているようです。熊野市内まで乗換なしになった代わりに所要時間は増加しました。)



コメント (4)
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