王者 ルシアン・ブテ VS 挑戦者 カール・フロッチ
フロッチ 5ラウンドTKO勝利
考察 ~フロッチ~
初回ゴングからの90秒のfeel outから、
左フックの着弾でブテが一瞬狼狽したのを
見逃さなかった、もしくは敏感に感じ取ったのだろう。
戦う前の段階では冷静に相手の力量を互角もしくは少し上と
見積もっていたと考えられるが、その分析はこのわずかな時間で
正しく修正されたようだ。
徳山昌守氏はかつてインタビューで
「相手の力量は向かい合って30秒で大体分かる」と語っていたが、
この夜のフロッチもまさにそんな感じだったのだろう。
肩幅・胸板がありながら、リーチが数字以上にありそうに思えるのは、
アゴを常に引いて、脇を絞っているからだろう。
浜さんは右の一発を強調するが、フロッチの隠れた本質はジャバーだ。
この試合ではそのジャブをフェイント(おそらくブテ=対戦相手にしか見えない)を
多用して、対サウスポーの定石の右をとことん的中させた。
でなくば、あれほどのカウンターパンチャーが
これほどまでに打ち込まれるはずがないではないか。
コンビネーション最初に着弾した右の一撃は
全てブテがガードを上げた瞬間にその隙間にぶち込んだもの。
ガードをぶち破ったのも数発あった。
攻めの部分ばかりクローズアップしたが、
ブテからの左アッパーをボディにも顎にも一発受けていないのは大きい。
当たらなかった、打たれなかったではなく、打たせなかった。
これもおそらく相手にしか見えないフェイントで
ヒットポイントを見出させなかったのだろう。
カウンターの左はフック、ストレートで連打の最中に
数発ジョーとテンプルに食ったが、
それでガクっとくるやわなタフネスでもなかった。
弱った相手を目の前にするとついつい飛び掛ってしまうのは
ボクサーの習性だが、vsテイラーの最終ラウンド同様に、
フロッチは仕留め時でも冷静さを失わない。
一番の強みはこの『クールに切れる』メンタルかもしれない。
考察 ~ブテ~
サウスポーのカウンターパンチャーで地元で連続防衛。
統一戦あるいはそれに類するレベルの試合に敗れるという
まるで長谷川を想起させるそのキャリアはしかし、
決してunderdog hunterではなかったと信じたい。
カウンターパンチャーは入念なフェイントを織り交ぜるタイプ(J・カサマヨルなど)と
相手のパンチそのものに合わせていくタイプ(N・ドネアなど)の2つに大別される。
ブテは当然前者で、これまでは面白いように相手を引っ掛けたが、
今度は自分が豪快に釣られたようだ。
サウスポーが往々にしてサウスポーに弱いように、
カウンターパンチャーもフェイントマスターに弱いのか。
効いた時に真っ直ぐ後ろに退くという動きにキャリアの底浅さを見た気がする。
フットワークに長けたボクサーが真っ直ぐ下がるのは気持ちが折れた時に他ならず、
vsA・マルガリート1の11ラウンドのコットが最も分かりやすい。
またはvsパッキャオ3のモラレス、vsテーパリットの清水など。
アンドラーデ1以外に効いたことすらなく、
その後あまりにも順調に勝ちすぎたがために
伸びしろを伸ばせなかったか。
M・アリの至言「あまりに順調に勝っているボクサーは実は強くない」を
そのキャリアで以って証明してしまったようだ。
互いに1戦挟んでカナダで再戦決定らしいが、勝ち目は?
モズリーがV・フォレストに連敗したように、
フロッチはブテの天敵なのかもしれない。
フロッチ 5ラウンドTKO勝利
考察 ~フロッチ~
初回ゴングからの90秒のfeel outから、
左フックの着弾でブテが一瞬狼狽したのを
見逃さなかった、もしくは敏感に感じ取ったのだろう。
戦う前の段階では冷静に相手の力量を互角もしくは少し上と
見積もっていたと考えられるが、その分析はこのわずかな時間で
正しく修正されたようだ。
徳山昌守氏はかつてインタビューで
「相手の力量は向かい合って30秒で大体分かる」と語っていたが、
この夜のフロッチもまさにそんな感じだったのだろう。
肩幅・胸板がありながら、リーチが数字以上にありそうに思えるのは、
アゴを常に引いて、脇を絞っているからだろう。
浜さんは右の一発を強調するが、フロッチの隠れた本質はジャバーだ。
この試合ではそのジャブをフェイント(おそらくブテ=対戦相手にしか見えない)を
多用して、対サウスポーの定石の右をとことん的中させた。
でなくば、あれほどのカウンターパンチャーが
これほどまでに打ち込まれるはずがないではないか。
コンビネーション最初に着弾した右の一撃は
全てブテがガードを上げた瞬間にその隙間にぶち込んだもの。
ガードをぶち破ったのも数発あった。
攻めの部分ばかりクローズアップしたが、
ブテからの左アッパーをボディにも顎にも一発受けていないのは大きい。
当たらなかった、打たれなかったではなく、打たせなかった。
これもおそらく相手にしか見えないフェイントで
ヒットポイントを見出させなかったのだろう。
カウンターの左はフック、ストレートで連打の最中に
数発ジョーとテンプルに食ったが、
それでガクっとくるやわなタフネスでもなかった。
弱った相手を目の前にするとついつい飛び掛ってしまうのは
ボクサーの習性だが、vsテイラーの最終ラウンド同様に、
フロッチは仕留め時でも冷静さを失わない。
一番の強みはこの『クールに切れる』メンタルかもしれない。
考察 ~ブテ~
サウスポーのカウンターパンチャーで地元で連続防衛。
統一戦あるいはそれに類するレベルの試合に敗れるという
まるで長谷川を想起させるそのキャリアはしかし、
決してunderdog hunterではなかったと信じたい。
カウンターパンチャーは入念なフェイントを織り交ぜるタイプ(J・カサマヨルなど)と
相手のパンチそのものに合わせていくタイプ(N・ドネアなど)の2つに大別される。
ブテは当然前者で、これまでは面白いように相手を引っ掛けたが、
今度は自分が豪快に釣られたようだ。
サウスポーが往々にしてサウスポーに弱いように、
カウンターパンチャーもフェイントマスターに弱いのか。
効いた時に真っ直ぐ後ろに退くという動きにキャリアの底浅さを見た気がする。
フットワークに長けたボクサーが真っ直ぐ下がるのは気持ちが折れた時に他ならず、
vsA・マルガリート1の11ラウンドのコットが最も分かりやすい。
またはvsパッキャオ3のモラレス、vsテーパリットの清水など。
アンドラーデ1以外に効いたことすらなく、
その後あまりにも順調に勝ちすぎたがために
伸びしろを伸ばせなかったか。
M・アリの至言「あまりに順調に勝っているボクサーは実は強くない」を
そのキャリアで以って証明してしまったようだ。
互いに1戦挟んでカナダで再戦決定らしいが、勝ち目は?
モズリーがV・フォレストに連敗したように、
フロッチはブテの天敵なのかもしれない。