BOXING観戦日記

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IBF・WBO世界S・バンタム級王座統一戦

2012-08-13 22:15:20 | Boxing
WBO王者 ノニト・ドネア VS IBF王者 ジェフリー・マセブラ

ドネア 判定勝利

考察 ~ドネア~

試合開始早々から殺気のこもった左フックを振り回し続けたが、
退がり続ける相手にそうたやすく当たるものでもない。
蛙跳びのような左フックから水平斬りの左フック、
はじめの一歩の千堂も真っ青のスマッシュまで出したが、
最初のクリーンヒットはタイミングの合った軽打の左。

その後のボクシングも相手の距離の再構築に律儀に付き合ったりするあたり、
自分自身の型できれい決めたいという意識が強すぎるのかもしれない。
左に次ぐweaponとしての右が欲しいところだが、
それをやると魅力を減じてしまう可能性が大。
G・リゴンドー以外のSバンタムでは勝てないだろう。

PS.

VS西岡では中差判定勝ち以上の結果を出しそう。
なんだかんだで左殺しは健在。
しかし一方的ではなく、年間最高試合候補となるような
スピード、技術、一発、メンタルタフネスのコンテストとなろう。

考察 ~マセブラ~

C・カバジェロにしてもそうだったが、
この身長・体躯でこれほどバネのあるダッキングを繰り返すというのは
筋肉の質が根本的に我々東洋人とは違うんだな。
絶対的な筋肉量も階級アベレージより劣るはずだが、
上半身をくねくね間断なく動かせるのは骨の質まで異なるからかもしれない。

序盤から過剰なまでに相手の左を警戒していて、
実際にその威力を肌で感じていた。
4ラウンドのダウンは警戒していた強打ではなく、
タイミングのパンチだった。
そこから自身の距離を構築するまでにさらに5ラウンドを要したが、
終盤に見せた左ジャブからのコンビネーションがこの選手の真価だろう。

並みのスピード・パワーの選手では、歯が立たないだろう。
ドネアを除けばSバンタムの現ラインナップではまだまだトップレベル。