BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

IBF・WBO世界ヘビー級タイトルマッチ ウラディミール・クリチコVSトニー・トンプソン

2008-07-14 22:23:51 | Boxing
クリチコ 11ラウンドKO勝利

相手が大柄になるだけでこんなに窮屈なボクシングをするようになるのか。
左のリードを活かせないというだけでリズムを失ってしまったが、
それにしてもスタミナがなさすぎる。
5ラウンドから口を開けてるようでは4団体統一は・・・それでもしちゃうんだろうけど。
案外ワルーエフあたりに喰われるかな?
10ラウンド終盤の足の踏みつけは個人的には悪印象。
マリーシアと呼べるようなtacticsではなかった。
イブラギモフ戦がkiller instinctゼロの試合だったからか、プロモーション関係かは分からないが、
ドイツ開催にしても塩試合すぎる。
タイソンのようなスピードやスリルをクリチコに求めているわけではないが、
ヘビー級のタイトルマッチというよりも単なる巨漢同士のタイトルマッチにしか見えなかった。
旧ソ連勢に席巻されているヘビー級だが、彼らのボクシングの根底にあるのはリズムと技術。
80年代、90年代のスピード、パワー、アグレッシブネスで構築されていたヘビー級時代の
再来を望むわけではないが、団体統一の旗頭のクリチコがこの相手にこの有様では・・・

トンプソンもアメリカの期待を背負っていたのかもしれないが、
完全に力不足、スピード不足、スタミナ不足、メンタルタフネス不足。
一体全体どこらへんがTigerなんだ?
まだホリィのほうがいいパフォーマンスを見せられる。
気乗りしないがデビッド・ヘイに期待するしかないのか。

WBA世界S・ミドル級王座決定戦 ミッケル・ケスラーVSディミトリー・サルティソン

2008-07-14 22:10:02 | Boxing
ケスラー 12ラウンドTKO勝利

バイエル戦、アンドラーデ戦、カルザゲ戦では相手にも強烈な個性があって目立たなかったが、
ケスラーのフィジカルの強さは相当なものがある。
1ラウンド目にもらった右の一発にはヒヤリとさせられたが、
すぐに距離設定を見直すところなどインテリジェンスは健在。
アメリカ進出を視野に入れてのスタイルチェンジだったが、まずは目鼻はついた。
ワン・ツーを基調にしたストレートパンチャーのケスラーだが、
左フック、右アッパーの軌道も美しい。
特に再三にわたって猛威をふるった右アッパーの軌道は下半身と足腰の強さを物語る。
サイズの利を生かしてやや攻撃のテンポがいつもより早かったが、
あれだけ強烈なパンチのコンビネーションを終盤に来ても要所でまとめられるのは
豊富な練習量に支えられたスタミナのおかげ。
今までは自分の中でケスラーのことをヨーロピアンタイプのボクサーに分類していたが、
新たに北欧タイプというカテゴリを作る必要があるかもしれない。
単なる想像だが、デンマークぐらいだと歴史的に、
地域によってはひょっとするとほんの3~4世代前ぐらいまでなら、
大雪の中で狩猟採集をしたり隣村まで歩いたり、荒波の中を泳いでいたりしていたかもしれない。
ケスラーにもそういう遺伝子が色濃く残っている可能性は高い。

サルティソンは・・・下手なボクサーではないと思うが、相手が悪かった。
ミドルまで落としてみては?