BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

WBC世界Sウェルター級タイトルマッチ

2011-08-07 15:43:54 | Boxing
王者 サウル・アルバレス VS 挑戦者 ライアン・ローズ

アルバレス 12ラウンドTKO勝利

考察 ~アルバレス~

王座決定戦の経緯がアレだったので、この試合は多くのファンやメディアから吟味されなければならない。

この選手はボクマガだかで数年前に白黒写真で16、7歳の頃に紹介されていたが、
体自体がそのころのシルエットと大きな変化がない。
もちろん、大きく成長してはいるが、骨格は10代半ばで完成されていたようだ。
ボクサーは時に応じて体が変わり、当然のようにボクシングスタイルも変わる。
今、高校野球を観ているが、現プロ野球選手の高校時代やプロ初期を思い起こせば分かりやすい。
例えばイチローは振り子打法で一躍名を馳せたが、オリックスで3もしくは4番を打つ頃には
完全に振り子ではなくなった。
逆に骨格が出来ていたので高校時代から30を超えるまで基本が変わらない選手もいる。
松井秀喜とかはそうだろう。
あのアゴをくいッと右に向けてピッチャーを見据えるバッティングフォームは
高校、ジャイアンツ、メジャーと変化が見えない(専門家や本人には見えるだろうが)。
アルバレスは松井タイプで、骨の太さはそのままに肉だけついていくのだろう。

ボクサーで若くして体ができているということは、技術的な面(攻撃と防御)が課題となる。
攻撃においては基本はコンビネーション。
3~4発を軸に、最後は左ボディというのがこの選手ならずメキシカンのセオリーか。
モラレスやバレラのような不自然でない太さの胴回りのせいで意外に見えたが、
ジャブも伸びる。
ただ、右の打ち下ろしがそれ自体フィニッシャーではなく、左ボディもしくはスマッシュに
つなぐパンチとしてしか意識していないように思えた。
随所に光るものが感じられるけれども、なべて言えばやや単調か。
ディフェンスはブロッキング主体で、これも自身の腕力への自信。

ただ、このタイプは相手が自分より下だと思った時にしか伸び伸びとやれない気がする。
同じ年代の実力者との連戦、もしくは統一戦でもしないことには、
こじんまりとまとまっていく予感が振り払えない。


考察 ~ローズ~

試合全般を通じてぼんやりと見えてきた構図がある。
ディフェンシブなジュダーが攻撃的なクロッティと戦っている図だ。
スキンヘッドのブリティッシュ・マンは一種独特の凄みや雰囲気があるが、
ローズにもやはりその気配は漂っていた。
打ち合いになればパワー差で必ず劣勢になるものの、
左フックはこう当てるんだ小僧、と言わんばかりの一発は
打たれ弱い相手ならそれだけで後退させられるだけの威力を秘めていた。

相手はボディ打ちに執心なのは中盤までに読めていて、
序中盤には何度か効かされたが、タイミングを掴んだことと慣れ
(顔面は分かるが、ボディも慣れるものだ)
で判定まで持ち込めそうだったが、突然のセコンドのタオル投入。
直に接している者にしか分からないダメージか、古傷の再発か。
いずれにせよ、この判断は尊重されるべき。
youtubeで観たなにかのローズの映像で、盛んにcomeback kidとか呼ばれてたから
もともと爆弾持ちだったのかもしれない。

私信

今度の月曜日はWOWOWが観れない、嗚呼……
最近更新が不定期ですが、ボクシングが観られないほど
不健康になっているわけではありませんので。
かといって健康でもないのが、頭の痛いところです。