BOXING観戦日記

WOWOWエキサイトマッチなどの観戦記

WBC世界ミニマム級タイトルマッチ

2011-02-11 20:41:41 | Boxing
王者 オーレドン・シッサマーチャイ VS 挑戦者 井岡一翔

井岡 5ラウンドKO勝利

考察 ~オーレドン~

目を覚ましてホテルの窓から街を一瞥。
そこに広がるは舞い散る小雪と銀世界。
強豪タイ人にとって日本のリングは出向先のような感じだろうが、
これには胆を潰したのではなかろうか。

もともと腰高でせわしなく動きながら軽打と出入りを繰り返すタイプだったが、
この試合ではやけに鷹揚に構え、カウンター狙いに終始した。
しかし、強振に伴って体が流れるのは下半身の土台が崩れているためで
原因として考えられるのは減量失敗、トレーニング不足、モチベーションの低下あたりか。
序盤のうちからステップワークが少なかったということは
単に横着になっただけなのかもしれない。
ノックアウトの直前はその最たるもの。
強振しながらもパンチにも体にも引きの意識が無く、
伸びきってガラ空きになったボディにドスッ。
これもある意味で散り様の美学か。
戴冠したイーグル戦以降、実は観ていなかったが、
黒木戦のレポートを読んだ時にデンカオセーン的な予感を抱いたが、
それが半分当たっていた。


考察 ~井岡~

キレのある攻撃とポカを見せるディフェンス。
危うい特徴だが、かえってそれゆえに魅力的でもある。
陣営にガンボアの姿があり、トレーナーもキューバ人ということで
スピードと連打よりもクイックネスと的確な強打を目指しているようだ。
コンビネーションにアッパーを交えるのは威嚇的であり効果的でもあるが、
本職カウンターパンチャーもしくは生粋のインファイター相手には分が悪そうに思える。
サウスポーはオーソドックスの右アッパーが見えずらい時があるが、
自身の右ガードをルーズにするという副作用もある。
実際に王者の左フックをそこここで喰っていた。
そういうところもガンボア的かな。

4階級制覇を口にしたのは興毅への対抗心だね。
複数階級制覇よりもLフライでセグラ戦が観たいよ。
今年中にやれば叩き潰されそうな気がするが。

PS.

香川氏は24年前の井岡を思い起こし時の流れを実感しただろうが、
その後のドラえもんを見てキャラの声が思い出のなかのそれらと
まったく違うことにノスタルジックになったファンは多いのだろうか。
それとも少ないのだろうか。