electric

思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

純粋な目

2008-03-29 23:55:06 | 思索
「物ごとを明確に考えるために、言葉から離れなければならないことがよくある。」言葉をつかった推論は精神ヒエラルキーのきわめて高いレベルとかかわっているが、まかりまちがえば堅いペダンティックなものになり、それがリアリティと推論者のあいだに壁をうちたてる。創造性はしばしば言語が姿を消したところに-つまり前言語的、前理性的な精神活動のレベルまで退行することによって-生まれてくる。その精神活動の状態はある点で夢にたとえることもできるだろうが、おそらく睡眠と完全な覚醒との間にある一時的な状態の方がそれに近いだろう。

そして精神は、堅苦しい、あまりにも厳密な図式的論理から、あるいは生来の偏見から、一時的に解放される。さらにまた、精神は知識を捨て、かわりに新しい純粋な目と柔軟な思考を獲得し、それによって隠れたる類似を発見したり、いつもならとても受け入れるはずもない無謀な思考の組み合わせを考え出したりする。偉大な科学者の伝記にはこうした話はいくらでもある。かれらは異口同音に自然発生的な直感や未知の力を強調するが、それは、芸術だけでなく精密科学においても、創造的なプロセスにはつねに多くの不合理が深くかかわっていることを示唆している。
「ホロン革命」

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« LC共振シミュレーション | トップ | ゲーテの色彩論 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

思索」カテゴリの最新記事