electric

思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

理論に基づくPDCA

2007-10-12 20:34:11 | 安全・品質
世のほとんどすべての事柄や事象、現象には理論があります。事業活動であれば、儲かる理論と儲からない理論、成長する理論と衰退する理論。現場においては、事故が起きない理論と事故が起きる理論、失敗しない理論と失敗する理論。一般論として、勝つ理論と負ける理論、行動の理論、生態系の理論、人生の理論、宇宙と銀河と恒星と惑星の理論、等々、一部例外を除いて、世の中はすべて理論で構築されていると言えます。いま現在、私達がこう在るのも、それを認識しようとするまいと、理論の通りにあるわけです。

ここで問題となるのは、現在に「良しとしない部分」が存在する場合です。仮にこれをNGと呼ぶとしましょう。NGは排除しなければなりません。そのためにはNGの存在理論を認識する必要があります。現在のNGも理論に基づいて存在しているわけですから、その存在構造を問うこと無しに、排除できるはずがありません。

PDCAが理論に基づいたものであるかどうかは比較的簡単にわかります。Checkの工程でNGがどれほど存在するか、そしてそれが減少傾向にあるのか、停滞傾向にあるのか、はたまた増加傾向にあるのか、です。増加傾向は除外するとして、停滞傾向の場合、あるいは減少傾向であっても期待値に遠く達しない場合は、Planが理論(根拠)に基づいていないと言わざるを得ません。理論に基づいていないとすれば何に基づいたPlanなのか。例えば、「何となく」「思いつきで」「慣例に従って」。また「内容や結果はともかく、実行することに意義がある」という形式観念に基づくPlanなどがあれば論外です。

長嶋監督は当時「勘ピュータ野球」といわれたものです。対する西部の広岡監督は「理論野球」でしたが、チーム力の差は歴然としていました。ともかくCheck工程でPlanが理論に基づいていない、あるいは理論を間違って解釈していると判明した場合は、本当にNGを排除するという意志があるなら、再度NGの理論を検証しなおさなければなりません。

とはいえ、人は絶対的事実(存在)をそのまま直接的に獲得することはできません。多くの事例や研究を通して構造を間接的に見抜き、それを理論として解釈するのが限界です。よって、同一の対象物であっても複数の理論が生じ得ることになり、これが問題を困難にする一つの要因となります。

また二者間の係わり合いにおいて、一方が他方に隷属しているという主従関係の場合、従者の理論はまったく意味を成さず主者の理論を一方的に押し付けられることになります。そしてこのメカニズムそのものが、NGが存在する理論の一部を構成していることも考えられます。とはいえ、同じ人間による理論解釈がそれほど異なることはないでしょう。とにかく澄んだ目を理論に向け、静かな耳を理論に傾ければ、NGを排除していく長い道のりの最初のPlanを想定することができるのです。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 世界がもし100人の村だったら | トップ | 敵は我にあり »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

安全・品質」カテゴリの最新記事