この世の物事は、ほとんどの場合、深く考えていけば切りがありません。1つ新しいことを知ると更なる疑問が2つ3つとまた新たに湧いてくるからです。だから実際には、ほどほどのところで考えるのをやめて納めてしまいます。他にも知りたいことは山ほどありますからね。しかし考えるのをやめれば、その題目についてはそこでストップし先には進みません。多くの場合はそれでまったく問題ありませんが、知ることによる予期せぬ新しい扉もそこで潰えます。そんなとき、不意に「1+1=はなぜ2なんだ?」などと尋ねられると、ある意味大きなチャンスです。さて、1+1=はなぜ2なのでしょう?これを完全に説明するのは案外難しいかも知れません。まず、「数」とは何か?
(そんなん当たり前じゃん!ってのも有りですけどね。^^)
大事なのは誰かにこの質問をさせたということだと思います。こう聞かれたということは、「1+1=は2だと言い切った」からです。先述のように完全に知ることができる物事は、そう多くはありません。誰もが現在レベルにおいて知っているに過ぎないわけですが、現在レベルをもって、あえて「こうだ」と断定的に言い切ることが実は重要なのです。断定的でなくとも、とにかくアウトプットする。それは、更に深く新しい扉を開くチャンスを作っているといえるでしょう。上には上が必ずあり、上には上が必ずいます。そんな人達との出会いは幸運ですね。
そんなこんなで以前、ほどほどに分かったつもりで書いたΔΣ変調の記事にコメントをいただいたことが切っ掛けで、このメカニズムをまだ十分に分かっていないことを知り、更にあれこれと考えてみる機会を得ました。その方はアウトプットしたチャンスに応えてくださったのだと思います。
さて、前置きが長くなってしまいました。本題に入りましょう。
添付の図は、Yoshimitsu Murahashiさんが運営するWebサイト「ΔΣ変調の部屋」に掲載されているブロック図と、Java Appletを使ってΔΣ変調器を動かした時の各部の波形をお借りしてきたものです(黄色の吹き出しと、水色の塗り潰しは私の注釈です)。これは非常に興味深い波形ですね。特に積分器の出力など、じぃ~っと眺めていれば、色々なものが見えてきそうです。(このJava Appletは素晴らしいものですから、是非「ΔΣ変調の動作」を訪ねて動かしてみてください)
しかし、色々見えてくると同時に疑問も湧いてきます。添付図の注釈にも幾つか記入していますが、まずブロック図では、①「アナログ入力に負帰還をかけても、まだアナログのはず、積分器はディジタルフィルタでいいの?」同様に②「負帰還する信号はアナログ?ディジタル?」次に波形では、積分器の波形は興味深くも③「なんだこりゃ~?」ですね。等々。
量子化器の出力は、そのままΔΣ変調波形になりますが、一見、「粗密」が逆のようにも見えますね。これは水色の塗り潰しを見ればよくわかりますが、入力の振幅が大きいほど密になります。それから、ΔΣ変調を説明しているサイトはたくさんありますが、回路ブロック図は各々微妙に異なっていることが多いようです。積分器についてはボックスの中に∫の記号を入れたものが一般的です。上の①~③の疑問は、この図をいくら眺めていても、なかなか解答はやって来てくれないでしょう。実はこれらの疑問を解く大きな鍵は積分器の出力波形にあります。いかにもアナログとディジタルがミックスされたような波形ですよね。ということは積分器はアナログでありディジタルなのでしょうか?
いろいろと資料を調べていると、ひとつの論文に行き当たりました。シャープ(株)の技術者によって、自社の1ビットアンプ「SM-SX100」を紹介するために2000年8月に書かれたもので、これが多くの疑問に答えてくれていました。次回以降、この論文に沿ってΔΣ変調について考えていきたいと思います。
関連記事:
少し詳しいΔΣ変調② 始めにΔ変調ありき 2010-03-22
ΔΣ変調とAD変換 2009-09-02
(そんなん当たり前じゃん!ってのも有りですけどね。^^)
大事なのは誰かにこの質問をさせたということだと思います。こう聞かれたということは、「1+1=は2だと言い切った」からです。先述のように完全に知ることができる物事は、そう多くはありません。誰もが現在レベルにおいて知っているに過ぎないわけですが、現在レベルをもって、あえて「こうだ」と断定的に言い切ることが実は重要なのです。断定的でなくとも、とにかくアウトプットする。それは、更に深く新しい扉を開くチャンスを作っているといえるでしょう。上には上が必ずあり、上には上が必ずいます。そんな人達との出会いは幸運ですね。
そんなこんなで以前、ほどほどに分かったつもりで書いたΔΣ変調の記事にコメントをいただいたことが切っ掛けで、このメカニズムをまだ十分に分かっていないことを知り、更にあれこれと考えてみる機会を得ました。その方はアウトプットしたチャンスに応えてくださったのだと思います。
さて、前置きが長くなってしまいました。本題に入りましょう。
添付の図は、Yoshimitsu Murahashiさんが運営するWebサイト「ΔΣ変調の部屋」に掲載されているブロック図と、Java Appletを使ってΔΣ変調器を動かした時の各部の波形をお借りしてきたものです(黄色の吹き出しと、水色の塗り潰しは私の注釈です)。これは非常に興味深い波形ですね。特に積分器の出力など、じぃ~っと眺めていれば、色々なものが見えてきそうです。(このJava Appletは素晴らしいものですから、是非「ΔΣ変調の動作」を訪ねて動かしてみてください)
しかし、色々見えてくると同時に疑問も湧いてきます。添付図の注釈にも幾つか記入していますが、まずブロック図では、①「アナログ入力に負帰還をかけても、まだアナログのはず、積分器はディジタルフィルタでいいの?」同様に②「負帰還する信号はアナログ?ディジタル?」次に波形では、積分器の波形は興味深くも③「なんだこりゃ~?」ですね。等々。
量子化器の出力は、そのままΔΣ変調波形になりますが、一見、「粗密」が逆のようにも見えますね。これは水色の塗り潰しを見ればよくわかりますが、入力の振幅が大きいほど密になります。それから、ΔΣ変調を説明しているサイトはたくさんありますが、回路ブロック図は各々微妙に異なっていることが多いようです。積分器についてはボックスの中に∫の記号を入れたものが一般的です。上の①~③の疑問は、この図をいくら眺めていても、なかなか解答はやって来てくれないでしょう。実はこれらの疑問を解く大きな鍵は積分器の出力波形にあります。いかにもアナログとディジタルがミックスされたような波形ですよね。ということは積分器はアナログでありディジタルなのでしょうか?
いろいろと資料を調べていると、ひとつの論文に行き当たりました。シャープ(株)の技術者によって、自社の1ビットアンプ「SM-SX100」を紹介するために2000年8月に書かれたもので、これが多くの疑問に答えてくれていました。次回以降、この論文に沿ってΔΣ変調について考えていきたいと思います。
関連記事:
少し詳しいΔΣ変調② 始めにΔ変調ありき 2010-03-22
ΔΣ変調とAD変換 2009-09-02