electric

思索 電子回路 論評等 byホロン commux@mail.goo.ne.jp

ヴィヴァルディ ヴァイオリン協奏曲集「四季」

2009-12-10 22:31:28 | 音楽・映画
演奏:アンネ=ゾフィー・ムター、トロンヘイム・ソロイスツ

とあるコラムに、ムターのこの四季は好き嫌いが別れるだろうと書かれてあったが、初めて聴いたときにはなるほどと納得した。

「四季」はイ・ムジチ合奏団の模範的演奏をリファレンスとして、もっぱら他の演奏を聴いているが、その観点からのムター盤は、強烈なパンチと癖の強さにまず驚かされた。これは最初の印象として決して心地よいものではなかった。しかし人の驚くべき順応性はどのような場合にも働くようで、苦手なものもやがて好物に変わっていくのは不思議としか言い様がない。もう二度と口にしたくないと思ったミョウガが、今では冷奴には欠かせないと思ったり。

ともかく、多少の我慢をこらえて何回か聴いているうちに、うまうまとムターの思うつぼにハマった。これが世に言うところのムター節なのであろう。こうなってしまうと、イ・ムジチの模範演奏ではまったくもって、もの足りない。

ムターの四季は非常に人間臭い、つまり音楽の中にムターの主張がふんだんに投入されているのだ。これはおのずと、共感する人と拒絶する人に別れるだろう。これはソロ部において最も顕著であるから、春の二楽章、夏の二楽章、冬の二楽章は、現時点ではムター以外のものは聴きたいとは思わない。玄人好みの「秋」。イ・ムジチの演奏ではつまらないので、よく「秋」だけを飛ばして聴いていたが、ムターなら聴ける。そして、実は「秋」がソリストが最も頑張る曲であったことに初めて気づいた。「秋」は、これくらいのインパクトが必要なのだ。(余談だがカルミニョーラの秋もいい)

「冬」の一楽章では、ムターは思い切った試みをしている。これにはまいった。あんた、いくらなんでもこれはないでしょと最も違和感が強かったが、それも今では、これもあり得るなと思うようになった。むしろ一般的な演奏と同様に心地よい。その他、ムターのすべての演奏について言えることだが、演奏に込められた生々しく強い主張、つまりムター節、これにハマるかどうかということだろう。

(関係ないが、一度ムターに指揮棒を持たせてブラームスなどをやらせてみたい気がする。すごいことになるのではないだろうか。)
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グラスノスチ

2009-12-10 22:31:25 | 安全・品質
【2chから検索ワードをたどってきた方々への補足】

旧ソ連のゴルバチョフがやった「グラスノスチ」という情報公開政策をご存知ですか?
情報公開とは「物事を秘密にせず公に開示する」「国などの公の機関が業務上の情報を一般に開示する」ということです。

以下に、グラスノスチについての 『ウィキペディア(Wikipedia)』の記述を貼り付けます。

1986年4月に起こったチェルノブイリ原発事故をきっかけに、種々の社会問題を解決するために言論・思想・集会・出版・報道などの自由化・民主化が行われた。1986年末までには一部のテレビ・新聞がソ連社会の問題点を率直に批判するようになった。

1987年頃より、ブレジネフ時代に上映を禁止されていた映画が次々と公開された。党の統制下に置かれない市民団体の結成などもみられた。歴史学においてもネップ(新経済政策)の再評価、1930年代の大飢饉の考察など、それまでタブー視されていたテーマが扱われ始めた。

それまで西側にとって秘密のヴェールにつつまれていた軍事面の情報も徐々に公にされるようになり、1988年にはイギリスの国際航空ショーに出展、更に翌年にはSu-27、Su-25、Mi-28など最新鋭の軍用機がパリ航空ショーに出品披露されるなど、積極的な公開が進んだ。

(以上)

そして、結果として世界は(破滅に至る)冷戦の危機から開放されるに至ったのです。そしてもはや完全に機能麻痺に陥っていたソ連は、その主要部がロシアとして蘇えりました。ベルリンの壁もなくなりドイツも一つになりましたね。

まあ、ここまで大げさな話しではないにしても、例えば企業の公開掲示板なども基本は同じだと思います。ある程度、規模が大きくなった組織というものは、可能な限り最大限の情報公開をしなければ、いずれ死ぬのです。公開される情報の中には組織にとって耳の痛い話しも、まったく事実に反するものも当然あるでしょう。しかしそれ故に客観性が保たれ、多くの情報の中から物事を正確に判断することが可能になります。組織が有機的な自己修正作用を活性化させて、健全な状態を継続していくためには、情報公開は不可欠なのです。

変革と「再生」2009-12-11
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