コロンブドール

Les Films de la Colombe d'Or 白鳩が黄金の鳩になるよう人生ドラマを語る!私家版萬日誌

疲労した日本人の歴史的危機を救うヒーロー モッキンポット師

2010-07-22 | Ma chanson  et 金言科白
 各時代の種族、階級、国家、団体の思潮を体現する象徴的な人格が英雄であり、それらの団体の危機をひとりの英雄が救済するという願望は、団体の成員ひとりひとりが危機の克服に疲れたときにあらわれる傾向がある、といわれる。つまり人間がすべてに疲労し尽くしたときヒーローがあらわれるのだ。「ヒロー」と「ヒーロー」とで語呂合わせをしているわけでは決してないが、英雄的な楽天家であり、英雄的な勇敢さを誇る日本人にもすこし疲労が見えてきたように思われる。
 疲れた日本人の歴史的危機をいったい誰が救済するというのか、それは皆目わからぬが、そいつはたぶん独裁者としてあらわれるはずだ。
その英雄的独裁者のあらわれる時をすこしでも先へのばすためにも、
私はドジで間抜けな主人公を次から次へとつくり出して行かなくてはならない。それらの主人公たちが、疲れた人たちの疲労をやわらげるのに、ほんのすこしでも役に立てば、これこそ作者冥利につきる。


 「モッキンポット師の後始末」井上ひさし著 あとがきにかえて- 私のヒーロー モッキンポット師 から

 この小説は、昭和47年発表された作品で、裕福へ突進していく高度成長期真っ盛りの中で、戦後10年過ぎ昭和30年ごろの貧しい日本を舞台にしています。
ゆえに貧しさからの脱却においてこの小説の学生三人は逸脱し、裕福な外国人モッキンポット神父に後始末をさせる様子が、悲しくともおかしく、ヒーローとして物語を面白くしています。
 また、この日本高度成長期にすでにこの様な千里眼を持っている井上ひさしさんの作家精神はすごいと再認識しました・・・・・。


 今年の春、井上ひさしさんが永眠につきました。初期の頃はTV戯曲「ひょっこりひょうたん島」やこれらウェットが効いたユーモア小説ですでに著名で、私も小学生の頃はTV「ひょっこりひょうたん島」を毎日観て、確か、中学ではこの小説をゲラゲラ笑いながら読んでいました・・・。
 そして、急にこの呪文~ジャーナリ、ジャナリとフェーブラリ~が思い出したくなり確かこのーモッキンポット師が言っていた気がしたと思い読んでみましたが違っていました・・・。大いなる過去の思い違いでした・・・・。
 確かにモッキンポット師は、カトリック神父で仏文教授のフランス人で英語など教えないし、話さない。なぜだろう・・・・と。それは、モッキンポット師がフランス人でありながら変な関西弁でしゃべるからそのようにずーと思い違いをしていたのかもしれません・・・・。
 今思えば、四谷の上智大学の前を通るといつも気になるのはこのモッキンポット神父のせいなのかもしれません・・・・。この貧しさゆえに一騒動を起こす三人の学生のように慕う人を思いながらー。後々、故水島裕先生を知り、知遇を得たのもモッキンポット神父の霊的指導なのかも知れませんが。

 さて、~ジャーナリ、ジャナリとフェーブラリ~の英語月日覚え歌 なんでしたっけ・・・・・


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