なんとなくクラシテル

獣医という仕事をしている人間の生活の例の一。
ほとんどが(多分)しょーもない話。

埼玉県立近代美術館

2021年10月20日 | 

へ。今やってる企画展が面白そうで。美男におわす」。要は男性の美術表現(近~現代)をたどる展覧会なんだけど、アメリカマーヴェル映画のマッチョと対極にある表現で、かなり面白かっただけじゃなく、あれこれ考えさせられた。

 江戸の昔から、「若い男の子がチームで歌って踊る」ショーってあって、それが女歌舞伎が禁止された後に行われてたそうなんだけど、それも幕府から禁止されて、成人の男性だけが役者となる今の歌舞伎に変化したらしい。で、若い役者さんは、副業として、色子をやってたと。おじさん(大名とか)から指名されて、お相手を務める、ということね。そんなシーンが絵になって残っているわけ。ドガの「踊り子」シリーズにも、舞台の隅にシルクハットのオジサンが映り込んでる(ように見える)絵があるんだけど、当時のバレリーナも、見にきたオジサンから指名されて相手をする、という仕事込だったようで。

 なんというか、オジサンの色キチガイって古今東西変わらないんですかねえ。オジサンってどうにかならんのですかね?

 それにしても、日本の錦絵や浮世絵は歌舞伎役者や古いお話の男性主人公がテーマになることも数多く、いいなあ、という「美人図」に男女の別があまりなかったのがうかがえます。髭面がほぼ0.髭って日本人の美意識にそぐわなかったんかなあ?中東の人が見たらどういう印象を持つんだろう?

 で、それが戦前~戦中は、賢くてりりしくて、といった「文武両道」を体現しているような男の子像が雑誌の表紙になるようになって、戦後は少女漫画や少年漫画に「美少年」として引き継がれていく。自分の世代だと、もう、竹宮恵子さんの「風と木の詩」のジルベールだとか、魔夜峰央さんの「パタリロ!」のマライヒさ~~ん、とか。ちゃんと原画が展示されてました。あと、「聖闘士星矢」。これも美少年?と思ったけど。

 で、あーこれ、確かに!!と思ったのが「大奥」。よしながふみさんの長編マンガですが、男女を思いっきりひっくり返した設定が物語をすごく大きくしている、との話は聞いていて、読んでみたいとかねがね思ってるのだが。

 で、いくつか、撮影OKだった絵を。

「月下美人図」。男性像ってとこがミソ。手にしてるのは絶対フルーツ牛乳だと思う。

 東山魁夷の「白馬の森」風の、これはポートレート。

 観てて感じたのは、男性の体って、ぞんざいに扱われ過ぎているんじゃないか、という事。体の事というと、どうしても女性が対象で特にダイエット関連が凄いけど、男性はそういうことも「言っちゃいけない」風にみえるくらい、話題にしづらい、というか、その位、目をそらす対象になっちゃってる、感じがして。マッチョでないとっていうのもねえ、、、、どうなんでしょうかね?女側が感じる色気とはちょっと違うんだよなあ。。。。

 「直虎」では、なぜか男性の裸シーンが割とあって、かなり目の保養になりましたけど。男性はああいうの、どう見てたんでしょう?気になる。

 という事で、色々考えさせられたのだけど、展示数もジャンルも幅広くて、かなり腹一杯になった。疲れましたな。。。

 ラストはかなり大きいレリーフ。 美青年です。


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