なんとなくクラシテル

獣医という仕事をしている人間の生活の例の一。
ほとんどが(多分)しょーもない話。

動物健保

2014年09月21日 | 仕事
主催の学術講演会へ。最近の講演会は、ほぼハズレなのだが。今回も大ハズレホトホト疲れてしまった。

 最初は心臓疾患に対する治療薬の選択だったっけ。聞きながら思うのは。山ほど薬出して、それ飲ませるのは誰だよ?ということ。飼い主さんがそんな事できるわけないべ。大体、心臓病末期の犬が嫌がることを毎日やってたら、そのせいで心臓発作を起こして死ぬぞ。アホか??

 なぜラシックスラシックスいうかなあ???この強烈な利尿薬を飲まされて、のにちっとも症状が改善しないんですって転院してくる方多し。そりゃそうでしょう。これ飲まされてると、とにかく喉が渇く、で、やたら水を欲しがって家中探し回るようになっちゃう。一方飼い主は、水をどんどんやっちゃうから、利尿剤かけたって水をがぶ飲みして効果が相殺されるどころか、却って悪い方向に進むことが多いのだ。

 そんな事するよりか、ラシックスを中止して、しかし、そこそこの飲水制限はかける、という対応の方が、余程現実的だし効果も上がる。犬はそんなに水水言わなくなるし、飼い主側も管理をしやすくなるし。お互いをイライラさせない事が、心臓をバクバクさせない一番の治療なんですけどねえ。

 そんなしょーもない治療を勧めているのが、(多分)国際循環器学会のトップ連中。こういう人って、結局病気しか見てない。患者を診てないんでしょうね。だから、ふざけた治療計画しか立てられないんだよ。

 2つ目は、骨折治療について。プレーティングによる内固定をやめましょうというもの。プレーティングするとかえって骨が弱くなって融合しなくなっちゃいますって。当り前だろう。これ、とっくに自分はやめている。そのきっかけは、論文なんかじゃない。児童虐待の本を読んでいて気付いた事。

 子供の虐待を示す有力な証拠の一つが「多発性骨折」。体中の骨が骨折すること。それをレントゲン画像で捕まえる、のが非常に難しいそうなのだ。なぜか?治っちゃって、むしろ強そうな骨に化骨してしまって、かなり経験を積んだ整形外科医が、疑って調べないと見抜くことができないという。しかし、それを読んだ自分の感想は全然別の点にあった。骨折って放っといても治るという事なのか?

 大体、虐待されてる子供の状況というのは、そこらの犬猫よりうんと厳しいはずなのに。

 となると、何のためにわざわざ「内固定」なんかするんだろう?不必要なんじゃないのか???

 小児はほぼ動物と同じようなもの、と考えていいと思ったので、この本の話は結構衝撃だった。じゃあ、と思って、試しに大腿骨骨折を1か月ケージレストする、だけという治療(これは、飼い主がお金がなくて、手術料を出せそうもないとおっしゃるので、提案してみたもの)にトライしてみたら、ものの見事に治癒してしまったわけ。それ以来、骨折治療に内固定は使わなくなった。金もかからず、確実に治る。なーんだ、という気分ですよ。

 その件について、最近の論文ではこうなってます、というような学術面からの解説だったんですけど、今更なんだよ、というのが自分の見解。アホくさ。

 単純に力学的に考えたって、骨と金属じゃあ、弾性も剛性も全く別物。それをくっつけたら、ひずみが生じて治らなくなるに決まってる。一々論文であーこーいうようなレベルの話じゃないと思うんだけど。

 まあ、そういう事も論文にしないと(で、それが認められないと)一般論になりにくい、という事でしょうか。でもさ、別方面から知識を取っていれば、すぐ分かることだと思うんだけど。結局、視野が狭いんだよな。

 かつて、アメリカで骨折したダービー馬を治そうってんで、アメリカの獣医がプレーティングの関節固定術かなんかをやった。で、治らなくて死んじゃった。当り前ですよ。治らないように治療しちゃったんだもの。アメリカの優秀(とされた)獣医どもが寄ってたかって殺しちゃったんだよ。

 にしても、今も昔も、やたらパターン化されたというか、規則通りというか、ヘンな治療法を編み出したがる、のはなぜだ?と思いつつ、帰りの駅ナカでついつい買っちゃったこの本に、その回答が書いてありました。男って、そういうルールが大好きなんだってさ。その嗜好に、個別性がありまくりのはずの医療をあてはめようとするから、ヘンなスタンダートプロトコルみたいなのが魍魎跋扈するんだろう。だから、オトコは~~~~~
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2014年09月18日 | 
の話。久しぶり。

 というか、ここ数年、とにかく乗馬クラブに振り回されてきた。世の中にスポーツクラブ多々あれど乗馬クラブ位狭い世界で社会常識が通用しない場所ってないのではないかと思う。

 とことんウンザリして、今年も乗馬クラブを移籍。もうこれで何回目だろう?ホント、金の無駄遣いだ、と思うのだが、しょうがない。あーやだなあ、今に「老人ホーム」とかでも、こんなことを繰り返す羽目になるのかなあ?

 乗馬クラブの何がダメなのか?色々考えられる。指導員というけど、まともな資格制度もない。まあ、あるにはあるが、例えば全乗振の初級指導員なんか、難しすぎて、だーれも合格しない。というわけで、ほとんどのクラブの指導員が、まともな資格もなしに教えている状態なんですけどね。凄い場合は、ついこないだまで「初心者クラス」でえっちらおっちら練習していた人物が、なぜか指導員(多分バイトなんだろう)になって、初心者を教えたりしている。恐れ入りますよ・・・・・・。

 こういう経営を平気でやるのも驚きだけど、それ以前に、要するに「えばりたがり屋」がクラブ経営者であるということに尽きるのではないかと思う。

 こういう連中は、とにかくちやほやされたい、センセイ様~~と言われたい。で、それが通用しない客は追い出しにかかる。いったい全体、誰のおかげでクラブを運営できているのか、ご存じないらしい。
 どこ行ってもそれだ。乗馬クラブの指導員の大半が男で、生徒の大半が女という状況が、さらにまずい事態を生みがち。なんか、下手すると新興宗教チックになったりハーレム状態になったりするんだよ。キモイけどね。

 で、そういうのがないクラブをやっとこさっとこ探し出して、そこで少しずつ練習を再開したんですが。

 そういうクラブは安全管理も割としっかりしている。乗馬クラブって、本当に安全管理がなってない。だからみんな大腿骨骨折するんだよね。

 困ったことに障碍馬術がどうしても好きなのだ。馬と一緒に空を飛ぶ、あの感覚は病みつきになってしまう。

 けど、もうね、行き当たりばったりの練習はいやだ。練習メニューって、どんなスポーツにもあるでしょ。乗馬にないっておかしい。
 で、この本 を使って1番の練習から順番にやってみることにしたわけ。

 この本は、そもそもFBで海外の障碍クラブの人が紹介していたので知った。インターネット恐るべし!とはいっても、とにかく乗馬に関しては情報が日本国内に本当に入りにくい。というか、積極性がないんだよね。やる気がない、ともいうけど。

 この本は実に面白い。で、こんな練習なんかをしてるんですよ。



これは、この本の8番の練習。いきなりやるわけじゃなくて、お馬さんには予めグラウンドワークで予習してもらってる。なかなか難しいんですけどね・・・・・・・・。

 グラウンドワークにせよ、こういうドリル練習にせよ、じっくり取り組めるクラブって日本ではほとんどないでしょうね・・・・・・・。
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「加齢

2014年09月02日 | 
とともに目立つシミ」ってTVのショッピング番組で毎度毎度言われてると、なんか腹立つ。シミがあっちゃいけませんかい??

 とはいうが、以前、近所のおじさんに「顔に何か付いてるよ」とか言われて、なんだろうと思って鏡を見たら、シミのことだった!!!という、超むかつく思ひ出も。おじさんってどーしてこうデリカシーがないんだか???

 どう頑張ったって、どーせ年は取る。ので、それに見合った対応を取っときゃいいのさ、そういうメンテナンスには、もちろん医療ですよ。なるほどね、中高年になると妙に病気や体調がやたら話題になるっていうのは、こういう理由からなんだろうなあ。

 最近の医療はすごくてしかもお安い。、保険制度、あーだこーだ色々言われてますけど、日本は本当に充実しているし凄いと思う。医療というと、ついつい癌の治療みたいな高度医療ばかりが注目されちゃうが、実は、そんな深刻な病気になる前のちょっとした医療が進んでいるのだ。有難いことだと思う。

 去年から始めたのが、いわゆる「更年期」ってやつ対策。おそらく、こいつも絡んで、散々母親に八つ当たりされたのは、大昔の話のはずだがいまだ記憶に新しい。まあとりあえずこっちは仕事がかかってる。なーんかまずいな、と思って、さてどうしようか、じゃあ、ってんで速攻で婦人科に行ったのだが。

 最初行った近所の産婦人科は、2時間待たされた挙句結局診療に至らず。こっちの診療時間が迫ってきて、アタマに来て帰ってしまった。なんつうか、カフカの「城」みたいだったな。察するに、お産を扱う病院がここまで減ってるということなんでしょうか、これじゃあ、少子化も当たり前だよな。
 で、駅向こうの「婦人科」へ。「産」がつかないだけで、随分違うものだ。サクサク診療してもらって、さくっと薬が出ました。いやまあ、驚いたのだが、今や「貼り薬」なのである!!数日おきに貼りかえるだけ、楽過ぎ・・・・・・・・。しかも、これが剥がれないんだよなあ・・・・・・。で、1カ月2千円しないんだもの、安っ
 ので、それ以来、更年期対策と称する妙な馬鹿ッ高いサプリメントをTVショッピングで見るたび「ケッ」と思っちゃうわけ。医者行って保険使ってちゃんとした薬を使った方がナンボもいいですよ、めっちゃ安いし。つうか、そうやって、今まで散々払ってた保険料の元を取らなくちゃもったいない。

 今日は、錦織君の試合を途中まで見ていたのだが、3セット終了時でビビッて退却~~。全く自分はヘボである。今日行かなくちゃ!!と思ってたんだし、ってことで、眼科へ。以前行った近所の病院は気に食わなかったので、別の場所。病院のありかを見つけるのに骨を折りましたが。
 最近ピントが合いにくい。こりゃあ老眼が入ってきているのに違いない。あーあ、と思うが、最近は文明の利器があるはずだ、ということで。ありましたよ~~。遠近両用コンタクトってのが!!
 一通りの眼科検診も久しぶりに受ける。眼で仕事してるんだから、こういう事はもっとまめにするべきなんだが・・・・・・・。すべてがOKで、ありがたや~~。

 ということで、遠近両用コンタクトを処方してもらって帰宅。全然見え方が違う!!!これで仕事も当分OKだわ。やれやれ。

 埼玉県は県民一人当たりの医者の数が全然少ないんだそうですけど。入間市に限って言えば、市内のあちこちにいわゆる「~~科」なるちっちゃい病院がコロコロしている。だから、自分の病気に合わせてそういう専門の先生を順番に味方につけておくのがいいんじゃないか、と。でかい病院でなんもかんも、というのがよいとは全然思えないですわ。
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