なんとなくクラシテル

獣医という仕事をしている人間の生活の例の一。
ほとんどが(多分)しょーもない話。

「こもりびと」

2020年11月26日 | 

というドラマが、Nスぺの枠で放映されましたね。重大関心を持っているテーマなので、ついつい見てしまう。松山ケンイチさんの演技がすごかったです。

 見ながら、あーあ、やっぱり親って子供には絶対に謝らないんだなあと思ってげんなりしていた。要求ばっかり。だから、歩道橋の上での武田鉄矢さん演じる父親が「生きててくれればいいから」なんてセリフも空疎にしか聞こえなくて。あんた、ホントにそう思ってんの?うそだろう?と、揺さぶりたくなってしまった。

 でね、この問題ですごくヘンだと思うのは。結局「金」の話なんでしょ、という事。ボロ屋でもなんでも借金なしの家があるなら上出来で、そこから1か月あたり生存に必要な経費はいくら?というそっち方向の「現実」がすぽっと抜け落ちてるんですよ。働いてほしいなんて言うけどさ、金が手に入ればいいわけで、その方法は「就労」とは限らない。株のトレーダーで食う(例の1ですけど)とか、なんでもいい、金が1か月生存に必要な分あればいい、じゃダメなのか?

 かつて、病院をクビになって、住宅ローンは毎月出てゆく、それにさらに借金こいて病院を自分で作ったわけですけど、退職金なんかあるわけもない、住宅ローンで目減りしてゆく金をどうやって補填するか、という時に、自分の維持に必要な経費ってどの位?が重要だったんですよね。大体1か月あたり2・3万くらいだったかな。税金は、収入がなけりゃかかりませんから。

 だから、日記なんぞよりか、家計簿を残してあげるべきだったんだよね。こういう風にやりくりしてましたという記録。または、元気なうちにFP等、金のプロに相談するとか。

 例えばティーンの子供に対して、親がため息をついちゃ、二言目には「金がない」みたいなことを言う、のもやってはならない事。具体性がないから、子供はすごく不安になってしまう。グチグチ言う相手が間違ってるっつの。通帳とかを開示して、具体的に、今現在はこうである、ふがいない親で申し訳ないが、大学行くなら国公立にしてもらえないか、とか交渉するのが筋ってもん。これを親はやりたがらないけど。不思議。

 あと、これは非常に重要なんだけど。親って「目でひっぱたく」んですよ。不機嫌面もそうなんだけど。それが子供を震え上がらせる。一番子供がおびえる事を選んでやってるフシがあるよね。その目がおっかなくて引きこもらー、っていうのは、むしろ当然じゃないでしょうか。子供を何とかしたければ、まずはアンタの不機嫌面をやめろ、と言いたくなりましたね。

 NHKのこの問題に関する話を読むと、一筋縄ではいかないことがよく分かるのだが、もっと金の話に単純化した方が糸口があるんじゃないかと感じるんですよ。家族間のもめ事にしちゃうと、解決策は、はっきり言って見つからない。

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厚木

2020年11月22日 | 仕事

に行った。知り合いの方の農場(?)で鹿だのイノシシだの狸だのが獲れるという。というか、獣害が深刻、ということ。うちから高速で高々1時間弱の場所の畑が野生動物被害受けまくりというのは、色々考えさせられる。おかしいんだよね、かつて大学生だった頃、同じ農部の環境保護学科の友人が、1週間山に入って「鹿のカウント」なる仕事をしていた。その位、当時は少ない、というか、人目につかない場所にいた連中が、わずか30年後余りで人里に平気で出入りして畑を荒らすってなあ・・・・・。舐められてますな、我々。「可愛い可哀そう」なんてやった結果だ。動物って基本いい加減で図々しくて、だらしがない。なるべく楽したがる。だから、余程怖い思いをさせないと、美味しい「餌場」に入り浸りたがる。品種改良のせいで野菜も果物もどんどん旨くなってるし。柿なんか、実がなろうがほったらかされてるもの、餌付けしてるのと同じ。つまりまあ、一番だらしがないのは人間で、それを動物のせいにしない方がいいんじゃないかと思いますけど。

 で、駆除された鹿の足がごろごろしてるというもんだから、じゃあ蹄を下さい、という事で。蹄には重大な関心を持っているのだが、野生動物の蹄を見たことないのは問題だとかねてから思ってたので。

 ということで、野生日本鹿の蹄。

 蹄底に溝一つない。つまり、溝=白癬菌に食われた箇所ってことですね。一応洗ったんだけど、別に洗わなくても蹄壁が土で汚れてるってこともない。なぜに家畜の蹄は汚れるんでしょうか?牛でよくある趾間皮膚炎なんかけらもない。

 ところで、その知人の農場には馬もいる。削蹄師なんか入れず、たまにちょこっと蹄の縁を磨く程度だという、その蹄がこちら。

ひび割れのかけらもない。削蹄師って必要なのかね?

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シャコンヌ

2020年11月18日 | 

の音取りがようやく終了・・・ハア~~~~~。2016年からのバッハプロジェクトが、とうとう佳境に入ってきた、ことになる。そうね、ヴァイオリン再開して2回くらいレッスンに行った、途端に左手首骨折という、トンデモ事故が起きて、5か月中断、その後も、無理かもなあと思いつつずるずる続けて、結局ヴァイオリンが一番いいリハビリになった(現時点でも)、というおかしな事に。この6曲はシロートにとっては「弾きたいけど弾けっこない曲」の代表みたいなところがあるから、なんとか最後までいったのはよかったですけど。ま、音取りだから、ここからが正念場、になるのか。

 6曲連続で弾き続けるというのはかなり珍しいやり方なんじゃないかと思う。普通、というか、子供からやってる人は、その時々に合わせて曲をあてがわれて弾く、パターンだろうし、大人始めの人なら、どれか1曲のどれかの楽章やってストップ、になるのが大半でしょう。センセもはじめの頃&骨折上がりの頃はそれでいいんじゃないって感じだったような気もするが。自分が嫌だったんだよね。基本、ヴァイオリンソナタでもなんでも、どれかの楽章だけ、はやらないことにしている(うーん、今一緒にやってるプロコ2はどうなるか分からんが。ムツカシイんだよ~~)。なんでも全曲やる、と決めているから。あとまあ、個人的にはバッハの6曲を弾けなければ「ヴァイオリン弾けます」と言えない気がしてて。
 バッハの6曲で有難かったのは、飽きない点。いや、飽きる人もいるでしょうけど、自分は全く飽きない。毎回面白くて。
 あと、練習曲集みたいな奴は一切やらない、と宣言した(ついでに絶対に暗譜しないと言った。仕事で嫌っちゅう程覚えることがあるのに、曲まで覚えられんわ。今は電子楽譜&足踏み式譜めくり機というナイスなデバイスがあるんだから、暗譜の意味も意義も消滅したと思う。プロの方でも、そんな事に力や集中を使わされるのは間違ってる)のも良かった。人生後先短いのに、下らん曲に費やす暇はゴザイマセン、というのはセンセ的には納得してなかったようだが、好きにさせてもらえましたんで。

 でね、ヴァイオリンて楽器は、体を壊すもんだ、という定説があって。それについては、持ち方に問題があるからでしょう、と。これについては、ヴァイオリンの先生と呼ばれている人が教えられるはずがないんです。なぜなら、大方(多分100%)が3歳頃から習ってるから、なにが「正しい」持ち方なのか、という考察抜きできちゃってるんですよね。子供は体が柔いから楽器に合わせちゃうし。大人始めの人に同じようにやったら、そりゃ、体壊しますよ。これは、自分で壊しっこない、という持ち方をつくれたので、大丈夫。だから、骨折しても弾く事が出来たわけなんですよね。トラブルが広がらないから。持ち方だけなら教えられるよなあ。YOUTUBEにでも出そうかしら?

 で、レッスン後は、川越へ。まるひろに用事あり。

 

長らく愛用してるこの包丁、身離れがいい&切れ味もいい、んだけど、問題は材質が固すぎて、その辺の砥石じゃ歯が立たないこと。メーカーに研いでもらわなくちゃならない。郵送するか、メーカーさんがブース出展する「物産展」に持ち込みしないとならん。久しぶりに新潟物産展に出店とのお知らせを頂いたので、丸広川越店へ。行って仰天。包丁山ほど、皆さん研ぎに出しに来たってわけかあ・・・。2時間以上待たされることに。しょうがなく、川越の街を探索。学生の頃縄張りだった川越だが、当時は田舎臭い商店街だった。去年あたりに行ってみたら、外国人観光客がわらわらいる観光シティに変貌していた。今はどうなってる?不安半分・好奇心半分だったんですが。
 

一応平日昼間なのに人通り多し。外国人はいないが、代わりにじいさんばあさんの多い事。埼玉の「巣鴨」化してるのかもしれない・・・・。これなら、当面はなんとかなりますか。

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三課目

2020年11月11日 | 仕事

を回る。自馬なんだけど、色々実験中。

 この人はあれこれ病気してくれたので、自分の獣医の腕前が上がりましたね。というか、同業者批判はしたくないのだが、馬の獣医師って、まことにヤブ、何一つ治せないじゃん、と理解して自分でやった方がマシ、という見解に。馬って草食獣の中ではかなり治療しやすい動物だと思う。経口投与薬が使えるし、それも少量でいける。体重換算したらエライ大量になりそうなんだけど、そんなに必要ない。おそらく、小腸の吸収能が極めて高いからじゃないかと。馬・象・カバ等は、草を山ほど食べて、わずかな栄養を徹底的に吸収する、という戦法でガタイを大きくしてますから。この辺が牛や鹿のような反芻偶蹄類と違う点。偶蹄類は第一胃~第四胃までかけて草を分解してから消化する仕組みを取ってるから、経口投与薬ってまず使えない。不利ですね。

 自馬の病気遍歴は、腺疫からの紫斑病(血小板減少症)蹄病(蹄叉腐乱だの蹄葉炎だの)って、ヤバイ病気ばかりじゃん!!

 腺疫はね、どうも放牧中に他の馬に咬まれたのがきっかけみたいなんですけどね。不顕性感染してる馬って結構いるらしいので。でねえ、腺疫の治療って教科書を読むと「ほっとけ」って書いてある。だから蔓延するっての。細菌感染症なんだから、抗生剤で治療するのが鉄則なんですが、草食獣にはβラクタム系&セフェム系抗生剤の使用は「禁忌」ってのが、我ら小動物臨床医の常識、これが大動物には知られていないらしいのだなんで

 だもんだから馬の獣医に治療させると、すぐマイシリン打てだの、セファロチンなんて超大昔の(いつ製造中止になるか分からんぞ)セフェム系抗生剤を使おうとする。マイシリンなんか使うからペニシリンショックが起きる。抗生剤って治療の超基本なのに、こんなことも知らんとは。最初は、馬の先生がおっしゃることが正しいのかな、と思ってた(騙されたよ)んだけど、単にモノを知らん連中なんだと理解してから、ウサギ治療に準じた治療に転換。ビクタスを使って治療して、それは解決したのだが・・・・。

 5%程度の馬に続発するのが後遺障害の免疫異常。それが血小板攻撃になっちゃって、血小板減少症と。これを解決するのはステロイドしかない。ステロイドを使うと、しかし、蹄病が(特に蹄葉炎)起きる。にっちもさっちも、ので、十味敗毒湯を使って免疫を調節してたんですが、症状はやっぱり繰り返すわけ。しょうがなく少量のステロイドをたまに使ってたんですが。

 にしても、蹄がおかしくなる。厩舎の床は土だし、濃厚飼料は一切ストップしてるし、運動のさせ過ぎもない、放牧もしてる、蹄鉄もつけてない、何が悪いんだ?散々考えてるうちに、ひょっとして、これ、爪水虫なんじゃあ?と思いついたわけです。寄生感染症が原因なら、外側から何やったってムダ。

 そうこうしてるうちに、去年の6月頃、たまたま来た馬の獣医が「このままじゃ蹄が脱落して安楽死だ」と言う。獣医っていい商売だと思うのは、その対応策を全く提示しないで文句ばかりという点。その人が言いたいのは、要は「馬の管理が悪い、獣医のくせに」だったんじゃないの?で、実現不可能なことばかり要求しますわね。毎日1時間蹄を薬浴しろだの。できるわけないでしょ。

 アッタマに来たので、どーせ死ぬなら、こっちの治療をやらせてもらうわ、抗真菌剤を経口投与しましょう。この馬は多分、世界で初めて抗真菌剤を投与された馬なんじゃないかしらね。抗真菌剤は結構それなりに高価だから、一般的なプロトコール(誰でも使える標準治療)を目指して1日おきにする。水虫の治療は人間でも時間がかかります。特に爪水虫は白癬菌がいない爪組織に生え変わるまでひたすら飲ませるしかない。現在まで1年半近く飲み続けて、今はこんな感じ。

 速歩が改善されてるんだけど、改善じゃなくて、回復。蹄が回復したから、馬場を強く踏めるようになったってこと。

 そうそう、ちなみに、この馬は誰にも調教を頼んでいません。自分でテキトーにやってるだけ。グラウンドワークとか、しち面倒なこともほぼやってない。ハミを使わないと、この程度は普通にできるようになります。楽勝。「ハミ受け」ってファンタジーだから、そんなことにこだわる方がヘンなのね。

 でね、じゃあ爪水虫はどこからうつされたのか?白癬菌はその辺に転がってる真菌ではない。結論は、「装蹄師」。装蹄師が道具を消毒しないから、水虫を持ってる馬から馬へ、どんどん広がっちゃうわけ。

 ということで、日本の馬、いや、世界中の馬や牛の大半が水虫持ちという、恐ろしい事態になっているのが現状です。国際蹄病学会なんてのもあるのに全く解決策を見いだせていないのは、病理把握ができていないから。水虫は、人間でも症状ないけど水虫持ちってのが多いから、症状がないから大丈夫、はない。頼むから道具を消毒してよ、と言いたいんですけど。やってくれそうもない、ヘンなプライドが邪魔するんですかね。ので、今は、削蹄したら即蹄を徹底消毒洗浄(カビに効くやつでないと意味ないですけど)してます。パコマなんか効きませんよ。

 そうそう、蹄鉄ですが、サラは蹄質が柔らかいから蹄鉄をつけにくいと言いますが、別にそんなことはない。この人はサラだから。水虫の治療をしたら蹄質がどんどん変化して丈夫になってきた。当たり前です。というか、結局極若い頃から鉄付けられて、その時に水虫もついでにうつされちゃってるおかげで、蹄質が白癬菌に食い荒らされて脆弱になってしまった、という事。実際、蹄鉄なんか不要ですよ。

 となると、笑っちゃいますよね、金かけて馬を不健康にして、自分の懐もさみしくして、馬に人生食い潰されてる人の多い事。それってある意味、馬に復讐されてるんだよ。考え直した方がいいですよ、管理全般。

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コーヒー

2020年11月04日 | 

を淹れる方法。ペーパードリップが一番後始末が楽なので、ずっとそうしてきたんですが。

 近くに百均があるからいいようなもんだけど、いきなり紙がなくなる。いや、なくなりそうというのは分かってるわけです、しかし、買い物に行く時には脳から消えるんだよなあ。一々買いに行くのがめんどくさいなあ。。資源のムダとまでは思わないけど。特にやる気もないのだが、コーヒーかすはいい肥料になるともいう。肥料化する(気はないが、いつ気が変わるか分からない)には、紙が邪魔だとも思ってて。ペーパーフィルターをセットするドリッパー(?)が場所を取るのも嫌だ。フィルターがめくれて熱湯がぶちまけられたことも何回か。これも危なくて嫌だ。なにか、別の方法ってないものか、あれこれ考えてたんですが。ここんとこ思いついた方法がベストかも!!ということで。

 茶こしを使う方法。茶こしはこんなの。一見チャチですが。

ただの茶こしではない。たたみ織といって、やたら目が細かくて、向こうが見えない。これをカップにセットして、コーヒー粉を入れて抽出する。もしかしたら、一番おいしいかもしれない。安っぽく見えるプラ製の柄が意外とナイスで、これのおかげで持ち手が熱くならない。コーヒーかすがほぼカップ内に落ちないので、びっくりしている。粉を捨てるのも簡単。目が細かいせいか、コーヒー粉がさくっとゴミ箱に落ちてくれる。コツは当たり前だが粉をケチらない事でしょうか。

 にしても、日本のモノづくりの技術は凄いですよ・・・・。

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