【歴史的名盤CD選集】
~ブダペスト弦楽四重奏団のベートーヴェン:弦楽四重奏曲全曲集~
ベートーヴェン:弦楽四重奏曲第1番 ヘ長調OP.18-1
弦楽四重奏曲第2番 ト長調OP.18-2
弦楽四重奏曲第3番 ニ長調OP.18-3
弦楽四重奏曲第4番 ハ短調OP18-4
弦楽四重奏曲第5番 イ長調OP.18-5
弦楽四重奏曲第6番 変ロ長調OP.18-6
弦楽四重奏曲第7番 ヘ長調OP.59-1 「ラズモフスキー第1番」
弦楽四重奏曲第8番 ト長調OP.59-2 「ラズモフスキー第2番」
弦楽四重奏曲第9番 ホ短調OP.59-3 「ラズモフスキー第3番」
弦楽四重奏曲第10番 変ホ長調 OP.74 「ハープ」
弦楽四重奏曲第11番 ヘ短調OP.95 「セリオーソ」
弦楽四重奏曲第12番 変ホ長調OP.127
弦楽四重奏曲第13番 変ロ長調OP.130
弦楽四重奏曲第14番 嬰ハ短調OP.131
弦楽四重奏曲第15番 イ短調OP.132
弦楽四重奏曲第16番 ヘ長調OP.135
大フーガ 変ロ長調OP.133
弦楽四重奏:ブダペスト弦楽四重奏団
ヨーゼフ・ロイスマン(1st Vn)
アレクサンダー・シュナイダー(2nd Vn)
ボリス・クロイト(Va)
ミーシャ・シュナイダー(Vc)
CD:ソニー・ミュージック 88697776782
ブダペスト弦楽四重奏団は、20世紀を代表する弦楽四重奏団の一つ。1917年にブダペスト歌劇場管弦楽団のメンバーによって結成され、1967年2月まで活動した。最終的なメンバーは全員ロシア人となっが、1938年からアメリカに定着して活動した。名声を得たのはロシア人のヨーゼフ・ロイスマンが第1ヴァイオリンとなって以降である。ブダペスト弦楽四重奏団が名声を得た最大の理由は、それまでの多くの弦楽四重奏団が、第一ヴァイオリン奏者がリーダーシップを発揮し、ロマン主義を色濃く持った、主観主義的傾向が強い演奏内容であったのに対し、ブダペスト弦楽四重奏団は、あくまで楽譜に忠実に、客観的に演奏する、いわゆる新即物的演奏内容に徹しためある。そして4人の奏者が平等に演奏するというスタイルに徹した。要するに、現代的なクァルテットの原型をつくり上げたのはブダペスト弦楽四重奏団であると言ってもよかろう。1940年から長年にわたりアメリカ合衆国の議会図書館つきの弦楽四重奏団としても活躍したが、現在では、ジュリアード弦楽四重奏団がこの後を継いでいる。このベートーヴェン:弦楽四重奏曲全曲集の録音で、一糸乱れぬ流麗な響きでリスナーを魅了するが、特に、第14番~第16番の最後の3曲は、他の追随を許さぬ名演奏を聴かせる。
(蔵 志津久)