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医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
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正解、不正解は“別処理”サルの脳内分析で判明=理化学研究所

2007年04月23日 | 脳、神経
 自分の選んだ答えが「正解」か「不正解」かを認識する際には、脳内でそれぞれ別の神経細胞が反応していることを、理化学研究所(埼玉県和光市)などの研究グループがサルを使った実験で突き止め、23日、米科学誌ネイチャーニューロサイエンス(電子版)に発表した。

 実験ではまず、サルに「○」のマークを見せてから水を飲ませることを繰り返して、正解のマークとして「○」を覚え込ませた。

 その上で、2本のレバーのうち片方を押した時だけ「○」が見える装置を繰り返し操作させ、その際にサルの頭に細い電極を刺して、大脳の最前部に位置する「前頭前野」と呼ばれる領域の神経細胞の活動を調べた。その結果、正解のレバーを押して「○」が出た時と、ほかのマークが出た時で、反応する細胞群が別であることが分かった。

[共同通信 / 2007年04月23日]
http://www.47news.jp/CN/200704/CN2007042201000719.html


【「やったー」細胞と「しまった」細胞 脳に別々で存在か=理化学研究所】

 脳には自分の行動が正しかったときに働く細胞と、間違ったときに働く細胞が、それぞれ別々に存在しているらしいことを、理化学研究所のグループがサルの実験で見つけた。

将来、効果的な学習法の開発につながるかもしれないという。米科学誌ネイチャー・ニューロサイエンスで報告した。

 テレビ画面でサルに正解の図形を覚えさせたあと、左右どちらのレバーが正解か当てさせてみた。最初の1回は当てずっぽうでも、そこで表示された図形を見て選択が正しかっ

たか誤っていたかを知って、2回目以降は正しいレバーを押すようになった。

 この間、おでこの内側にあって、行動の柔軟性と関係が深いとされる大脳の前頭前野内側部での神経細胞の活動を記録した。調べた約350個の神経細胞のうち、16個は正

解が表示できたとき活発に活動し、別の32個は不正解だったときに活動していた。

 正解だけに反応する神経細胞は、左右どちらが正解かわかった後にはあまり反応しなくなった。正解がわからない課題を与えることが、脳細胞を活発に働かせるポイントらしい。

 理研脳科学総合研究センターの松元健二研究員は「学習効果を高めるには正解をほめるだけでなく、間違いを指摘することも大切かも知れない」といっている。

[朝日新聞 / 2007年05月07日]
http://www.asahi.com/science/update/0507/TKY200705070084.html


理化学研究所 プレスリリース 2007.04.23
 正解/不正解から学ぶ脳のメカニズムを発見
 - 脳科学の教育への応用に新たな手がかり -
http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2007/070423/index.html
(リリース本文)
http://www.riken.go.jp/r-world/info/release/press/2007/070423/detail.html