ラットは今日も、きみのために。

マウスも研究者も頑張っています。
医学研究関連記事の新聞紙面から切り抜き
再生医療、薬理学、生理学、神経科学、創薬

内臓脂肪の低減効果を確認=たんぱく質「ラクトフェリン」=ライオン、京都府立医大

2008年10月09日 | 食品・栄養
 ライオンは9日、京都府立医科大学の西野輔翼教授らとの共同研究で、牛乳や母乳などに含まれる多機能性たんぱく質「ラクトフェリン」が、内臓脂肪を低減することを、人間を対象にした実験で実証するとともに、胃ではなく腸で吸収すれば、脂質の蓄積を抑制する効果が大きいことを世界で初めて突き止めたと発表した。研究成果は17、18両日に大分市で開催される日本肥満学会大会で発表する予定。(2008/10/09-18:48)

[時事ドットコム 2008年10月09日]
http://www.jiji.com/jc/zc?k=200810/2008100900873

糖尿病なりかけに「緑茶が効果」 1日7杯で血糖値改善=静岡県立大学

2008年10月04日 | 食品・栄養
 緑茶を1日に7杯分ほど飲むことで、糖尿病になりかかっている人たちの血糖値が改善することが、静岡県立大などの研究でわかった。健康な人で緑茶をよく飲んでいると糖尿病になりにくいという報告はあるが、高血糖の人たちの値が下がることを確認した報告は珍しいという。

 血糖値が高めで、糖尿病と診断される手前の「境界型」などに該当する会社員ら60人に協力してもらった。

 緑茶に含まれる渋み成分のカテキンの摂取量を一定にするため、いったんいれたお茶を乾燥させるなどして実験用の粉末を作製。これを毎日、湯に溶かして飲むグループと、飲まないグループに無作為に分け、2カ月後の血糖値を比べた。

 平均的な血糖値の変化を、「Hb(ヘモグロビン)A1c」という指標でみると、緑茶粉末を飲んだ人たちは当初の6.2%が、2カ月後に5.9%に下がった。飲まなかった人たちは変わらなかった。飲まなかった人たちに改めて飲んでもらうと、同じように2カ月間で6.1%から5.9%に下がった。

 一般にHbA1cが6.1%以上だと糖尿病の疑いがあるとされ、6.5%以上だと糖尿病と即断される。逆に患者の血糖値を5.8%未満に維持できれば優れた管理とされる。今回の成果は、糖尿病一歩手前の人が緑茶をたくさん飲むことで、糖尿病にならずに済んだり、発症を遅らせたりできる可能性を示した。

 2グループで体格や摂取エネルギーなどに差はなく、緑茶からのカテキン摂取量が血糖値に影響したらしい。1日分の緑茶粉末は一般的な濃さの緑茶で湯飲み(約100ミリリットル)約5杯分のカテキンを含み、緑茶粉末を飲んだ人では普通に飲んだ緑茶と合わせ1日に約7杯分のカテキンをとっていた。

 研究の中心で、今春に静岡県立大から移った吹野洋子・常磐大教授(公衆栄養学)は「運動などの生活習慣改善とともに、食事の中で積極的に緑茶を取り入れてほしい」といっている。(田村建二)

[朝日新聞 2008年10月04日]
http://www.asahi.com/science/update/1004/TKY200810040094.html

赤ワインの抗酸化作用、被ばく治療にも効果か=ジョン・ホプキンス大学

2008年09月24日 | 食品・栄養
 [ワシントン 23日 ロイター] 赤ワインやフルーツに含まれている抗酸化物質が、放射線の被ばく治療に役立つかもしれない。米国の研究者が23日に研究結果を報告した。

 マウス実験によると、抗酸化物質のレスベラトロールをアセチルによって変化させたとき、被ばくによる被害を一部で抑制することができたという。

 放射性腫瘍(しゅよう)が専門で、研究のリーダーであるジョン・ホプキンス大学のジョエル・グリーンバーガー医師は、この方法で製造される薬が、大規模な放射能漏れなどの緊急事態に活用できると考えている。

 同医師は「今のところ、被ばくを食い止めたり、中和したりする薬は存在しない。私たちの目標は、有効かつ中毒作用のない、一般向けの治療を開発することだ」と声明の中で語っている。

[ロイター 2008年09月24日]
http://jp.reuters.com/article/oddlyEnoughNews/idJPJAPAN-33914020080924

カルシウム+ビタミンD、大腸がんのリスク低減=九州大学、国立国際医療センター

2008年09月22日 | 食品・栄養
 カルシウムとビタミンDをともに多く摂取すると、大腸がんにかかるリスクを下げる可能性があることが、九州大などの調査でわかった。近く米国のがん予防専門誌で報告する。

 古野純典・九大教授らのグループが、福岡市とその近郊に住み、大腸がんと診断された836人と、同じ年代で大腸がんではない861人から食事や生活習慣を詳しくたずね、関連を調べた。

 1日あたりのカルシウム摂取量が平均約700ミリグラムと最多の人たちが大腸がんになるリスクは、同400ミリグラムで最も少ない人たちと比べ、3割ほど低かった。しかし、カルシウムを多くとっても、ビタミンDをあまりとらない人では、違いははっきりしなかった。

 そこで、カルシウムを平均約700ミリグラムとり、かつビタミンDを多くとる人(1日10マイクログラムかそれ以上)で比べると、大腸がんリスクは、カルシウム摂取が少なくビタミンDをあまりとらない人より、6割低かった。

 ビタミンDはサンマやサケといった魚類やキノコ類に多い。日本人のカルシウム摂取量は1日あたり平均540ミリグラム余で不足ぎみ。ビタミンDは8マイクログラムほど。大腸がんは肥満や飲酒でリスクが高まることがわかっている。

 牛乳を飲んでカルシウムを多くとると、大腸がんリスクが2割ほど下がることは、欧米グループが報告している。今回の結果をまとめた溝上哲也・国立国際医療センター部長(前・九大助教授)は「ビタミンDはカルシウムの吸収を助けるので、大腸がんの予防効果を高めるのかも知れない。さらに効果を調べたい」と話す。(田村建二)

[朝日新聞 2008年09月22日]
http://www.asahi.com/science/update/0922/TKY200809220168.html

ボルトの速さの秘密? ヤムイモに運動効果=タカラバイオ

2008年09月04日 | 食品・栄養
 ボルトの速さはヤムイモのおかげ? 滋養強壮作用があるとされるヤムイモの一種に、脂肪の代謝を良くして運動機能を高める効果があるとする研究結果を、大津市の医薬品企業タカラバイオが4日までに発表した。

 北京五輪の陸上短距離で3つの世界新記録を打ち立てたジャマイカのウサイン・ボルト選手も、普段からヤムイモを食べているという。

 同社が研究したのはジャマイカのヤムイモと異なる種類だが、似た成分は含まれており、同社は「ボルト選手の驚異的な速さの秘密に関係しているかも」と話している。

 同社は、沖縄などで育つヤムイモの一種トゲドコロに着目。少し混ぜた餌をマウスに与え、週1回の水泳運動を2カ月続けると、普通の餌を食べたマウスより水泳時間が10-20%長く続くようになった。体脂肪の量も減少。肝臓を調べると、脂肪を燃やしてエネルギーに変える酵素をつくる遺伝子の活性が高まっていた。

 同社によると、トゲドコロはアジア原産で粘りや甘みが強いのが特徴で、国内生産量が年数トンという希少品種。

[共同通信47NEWS 2008年09月04日]
http://www.47news.jp/CN/200809/CN2008090401000101.html

子どもの脳に悪影響か ビスフェノールAで最終報告=米、厚生省

2008年09月04日 | 食品・栄養
 米厚生省は3日、プラスチック原料として広く使われているビスフェノールA(BPA)について、現在の摂取量でも子どもの脳や行動に悪影響を及ぼす懸念があるなどとする最終報告書を公表した。カナダ政府は既に、BPAを含む哺乳(ほにゅう)瓶の販売などを禁止する方針を明らかにしており、日本の食品安全委員会も健康影響評価を始めている。

 米厚生省は、これまでの動物実験を検討。胎児と乳幼児の脳や行動、前立腺への悪影響について「深刻な懸念」から「無視できる」までの5段階のうち、上から3番目の「いくらかの懸念」があるとした。女児の乳腺への影響や早熟に関して、4番目の「わずかな懸念」があるとした。人間への直接的な影響を確認したわけではないが「人間の健康への悪影響が否定できない」と結論付けた。

 BPAはポリカーボネート製の哺乳(ほにゅう)瓶や一部の玩具に触れたり、BPAを含む塗装剤を使った缶詰の食品を食べたりして体内に入るとされる。(共同)

[msn産経ニュース 2008年09月04日]
http://sankei.jp.msn.com/life/body/080904/bdy0809041049001-n1.htm

認知症予防でDHA、EPA臨床研究へ=島根大学、島根県立短大、仁寿会加藤病院

2008年09月03日 | 食品・栄養
島根ワイド : 川本(島根県川本町)で認知症予防でDHA、EPA臨床研究へ

 物忘れ、認知症の予防で、青魚に多く含まれるドコサヘキサエン酸(DHA)とエイコサペンタエン酸(EPA)の効果を実証しようと、島根大医学部生理学講座(出雲市)の橋本道男准教授(環境生理学)らの研究グループが十月、二年間の臨床研究に乗り出す。疫学調査を進めている島根県川本町の六十五歳以上百人が対象で、国内ではかつてない規模。DHA、EPAを多く含むソーセージを食べ続けてもらい、認知機能の維持、改善との関連を確かめる。

 研究メンバーは、DHAによる脳の神経細胞の再生効果を動物実験で確認し、国際特許を出願している橋本准教授のほか、県立大学短期大学部(出雲市)の山下一也教授、仁寿会加藤病院(川本町)の加藤節司院長ら。

 川本町を含む県内三カ所で、継続中の食事と認知機能の関連を調べる疫学調査で「魚介類の摂取は認知機能低下の進行を遅らせる可能性がある」との中間結果を得たのを踏まえ、DHA、EPAの効果実証に絞った介入研究に入る。

 認知症予防をめぐっては、国内外の研究で、サプリメントによるDHA、EPA摂取と比べ、食事介入による治療、食事療法がより効果的との報告がある。

 このため、DHA、EPAを食事から取るのが有効と仮定。被験者には、厚生労働省許可の特定保健用食品で、焼きイワシ一・五尾相当のDHAを含むソーセージを支給。二年間、毎日一、二本食べてもらい、半年ごとに問診と血液検査を実施。記憶や計算などを点数化して調べる認知機能の変化と、血中のDHA、EPA濃度の相関関係から効果を実証する。

 代表研究者の橋本准教授は「認知症の予防により、究極的には、超高齢化社会を乗り切る手段として医療費抑制、介護負担軽減につなげたい」と、成果に期待している。

 川本町内で近く説明会を開き、研究への協力を呼び掛ける。問い合わせは、健康と福祉のサポートショップ「うさぎとかめ」(電話0855・72・2718)
[山陰中央新報 2008年09月03日]
http://www.sanin-chuo.co.jp/news/modules/news/article.php?storyid=505960004

子宮体がん:「毎日コーヒー」で減 1~2杯で効果、発症率4割低く=厚生労働省研究班

2008年09月02日 | 食品・栄養
 コーヒーを毎日1~2杯飲む女性は、週に2日程度しか飲まない人に比べて、子宮体がんの発症率が4割少ないことが1日、厚生労働省研究班の大規模調査で分かった。飲む量が多いほど、発症率は低い傾向がみられた。研究班は、9府県の40~69歳の女性約5万4000人を05年まで追跡調査。約15年間に117人が子宮体がんを発症した。

 コーヒー摂取量と発症率との関係を調べると、コーヒーを毎日1~2杯飲むグループは、週2日以下しか飲まないグループに比べ、子宮体がんの発症率は4割少なかった。毎日3杯以上飲むグループは6割も少なかった。緑茶の摂取量も調べたが、発症率に関連はみられなかった。

 子宮の入り口にできる子宮頸(けい)がんは、ウイルス感染が原因と考えられている。一方、子宮の奥の内膜にできる子宮体がんは、女性ホルモン「エストロゲン」や血糖値を調節する「インスリン」との関連が指摘されている。

 担当した国立がんセンター予防研究部の島津太一研究員は「コーヒーを飲むと、エストロゲンやインスリンの濃度が下がることが知られている。この作用が発症率に影響している可能性がある」と話す。

 欧米ではコーヒー摂取と子宮体がんの関連がみられないとの研究が多い。その理由として、ホルモン補充療法が日本より広く行われ、コーヒーの影響が表れにくいと考えられているという。【下桐実雅子】

[毎日新聞 2008年09月02日]
http://mainichi.jp/select/science/archive/news/2008/09/02/20080902ddm012040107000c.html

甘い?辛い?いや「カルシウム味」 第6の味発見か=(米)モネル化学感覚センター

2008年08月25日 | 食品・栄養
【ワシントン=勝田敏彦】米ペンシルベニア州にあるモネル化学感覚センターのチームがカルシウムを味わうための遺伝子をマウスで確かめ、米化学会で発表した。「カルシウム味」が第6の基本味である可能性もあるという。

 遺伝的に系統が異なる40種類のマウスにカルシウムを含む溶液を飲ませたところ、多くが飲むのを嫌うなか、がぶ飲みする系統が見つかった。遺伝子を比較した結果、カルシウムを味わうのに使う二つの遺伝子が特定された。

 人間の舌は、甘み、塩味、酸味、苦み、うまみという五つの基本味を感知する。今回のマウスの遺伝子に似たものは人間にもあることから、研究チームは「カルシウム味」が基本味の一つである可能性もあると考えている。

 研究チームのマイケル・トルドフ博士は「カルシウム味は苦みに酸味が少し加わったようなものだ。適切に表現する言葉はなく、『カルシウムっぽい』としかいいようがない」と話している。

[朝日新聞 2008年08月25日]
http://www.asahi.com/science/update/0825/TKY200808250043.html

<ターメリック>カレーに記憶力のもと 認知症治療に効果?=武蔵野大学、(米)ソーク研究所

2008年08月23日 | 食品・栄養
 カレーのスパイス「ターメリック」(ウコン)に含まれる成分から、記憶力を高める化合物を、武蔵野大と米ソーク研究所が合成した。動物実験の段階だが、将来、認知症の治療などに役立つ可能性があるという。米老年医学誌(電子版)に掲載された。

 この成分は「クルクミン」と呼ばれ、生薬としても用いられるショウガ科の多年草「ウコン」の黄色色素。アルツハイマー病の原因とされる異常たんぱく質ベータアミロイドが脳内に蓄積するのを防ぐ作用を持つことが知られている。

 研究チームが調べたところ、クルクミンは神経細胞の損傷を抑えられるが、記憶力向上までの効果は確認できなかった。そこで、クルクミンの化学構造を変えたさまざまな化合物を合成。ラットから記憶の形成にかかわる脳の「海馬」を摘出、薄くスライスして組織が生きた状態が保たれたままにして、これらの化合物を加えた。

 その結果、「CNB-001」と名付けた化合物が、細胞間の情報伝達の効率を高め、その状態を持続させることが分かった。また、この化合物を飲ませたラットは前日に見せた物体を記憶していたのに対し、飲ませなかったラットは覚えていなかった。この化合物が、記憶をつくるスイッチとして働く酵素を活性化していることも判明した。

 武蔵野大の阿部和穂教授(薬理学)は「この化合物は、海馬の働きを直接活発にしている。安全性を確認し、新薬の開発を目指したい」と話す。【下桐実雅子】

[毎日新聞 2008年08月23日]
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20080823-00000128-mai-soci


【カレーを食べて記憶力アップ…アルツハイマー予防に期待】

 武蔵野大は18日、米ソーク研究所との共同研究で、カレーのスパイスの一種ターメリック(ウコン)から作った化合物に記憶力を高める効果があることが動物実験でわかった、と発表した。

 アルツハイマー病など脳疾患の予防などに役立つ成果として注目される。

 同大薬学部の阿部和穂教授らは、インドでアルツハイマー病の患者が少ないことに着目。その秘密は食生活にあるとして、同国の代表的料理カレーに含まれる様々なスパイスの効果を調べたが、ターメリックに、加齢などによる脳の神経細胞の損傷を防ぐ働きがあることを確認したにとどまった。そこで研究チームは、米ソーク研究所がターメリックの成分(クルクミン)から作った新化合物「CNB―001」の効果をラットを使って調べた。

 その結果、ターメリック由来の化合物を飲むと、飲まないラットに比べて、記憶力が高まっていることが観察できた。阿部教授は「新化合物は、脳の記憶にかかわる海馬部分を直接活性化している可能性が高い。今後は、安全性を確認し新薬の開発を目指したい」と話している。

[読売新聞 2008年08月19日]
http://www.yomiuri.co.jp/science/news/20080819-OYT1T00040.htm?ref=mag


がん:ビタミンC、マウス大量投与で増殖半分に=米国立衛生研究所(NIH)

2008年08月06日 | 食品・栄養

 ビタミンCをマウスに大量投与することで、がん細胞の増殖を半分に抑えることができたとの実験結果を、米国立衛生研究所(NIH)の研究チームが米科学アカデミー紀要(電子版)に発表した。

 チームによると、約30年前にビタミンCががんに有効だと注目されたが、その後の実験で否定された。今回は、効果が否定された経口投与ではなく、体内に直接注入。「副作用もなく、人間への適用も可能だ」としている。

 実験ではまず、43種類のがん細胞と5種類の通常細胞に、ビタミンC(アスコルビン酸)の溶液を加えると、通常細胞に変化はなかったが、がん細胞のうち33種類では細胞の半分以上が死滅した。

 次に、腹腔(ふくくう)内にそれぞれ子宮がん、膵臓(すいぞう)がん、脳腫瘍(しゅよう)の細胞を植え付けたマウスに、体重1キロ当たり4グラムという大量のアスコルビン酸を毎日投与すると12~30日後に、投与しなかった場合に比べてがんの重さが41~53%に抑えられた。副作用もみられなかった。

 アスコルビン酸から発生した過酸化水素ががん細胞に作用したとみられるという。(ワシントン共同)

[毎日新聞 2008年08月06日]
http://mainichi.jp/select/science/news/20080806k0000e040070000c.html


ビタミンC療法は、いつもたくさんのニュースが報じられています。
この記事では、いつもの抗酸化作用ではなく、強い酸化作用を持つ過酸化水素が主役とか。
通常の細胞は過酸化水素を中和する機能を持っているのに対して、がん細胞はその機能がないために破壊されるようです。
それにしても体重1kg当たり4gを毎日って‥ずいぶん大量投与ですね。
ちゃんと立証され、多くのがん患者に朗報がもたらされることを期待したいと思います。

乳製品カルシウム、脳卒中を予防=大阪大学

2008年07月30日 | 食品・栄養
 カルシウムを乳製品で多くとる人は脳卒中になりにくいことが、厚生労働省研究班(主任研究者・津金昌一郎国立がんセンター予防研究部長)による約4万人規模の調査で分かった。摂取の多いグループは、少ないグループより脳卒中になる確率が3割ほど低かった。

 大阪大の磯博康教授らが岩手、秋田、長野、沖縄各県の40~59歳の男女を対象に90年から約13年間、追跡調査。食生活を尋ね、カルシウム摂取量を推計した。期間中に脳梗塞(こうそく)や脳出血など脳卒中を発症したのは1321人だった。

 乳製品による摂取量で5グループに分けると、最も多いグループ(1日当たり約120ミリグラム)は、最も少ないグループ(同0ミリグラム)に比べて発症リスクが0.69倍と低くなった。

 総カルシウム摂取量でも、多いグループ(同750ミリグラム)と少ないグループ(同230ミリグラム)で同様の結果だったが、乳製品以外からの摂取量が増えても明らかな効果は見られなかった。

 磯教授によると、乳製品のカルシウムは吸収率が5割と高いのに対し、大豆類や野菜、魚介類などからは1~2割しか吸収できない。「乳製品をふだんの食事に無理なく取り入れれば、脳卒中予防につながる可能性がある」と話している。

 厚労省によると、カルシウム摂取は30~60代で1日600ミリグラムが目標。牛乳1本約200ミリグラム、ヨーグルト1個は約100ミリグラム、スライスチーズ1枚で約100ミリグラムが目安になる。(佐藤久恵)

[朝日新聞 2008年07月30日]
http://www.asahi.com/science/update/0729/OSK200807290024.html

ダイエット:適度な食事制限は遺伝子の傷治す…ラット実験=浜松医科大学、三菱化学生命科学研究所

2008年07月22日 | 食品・栄養
 適切なダイエットは遺伝子の傷を修復するたんぱく質の量を増やすことを、浜松医科大と三菱化学生命科学研究所(東京都町田市)がラット実験で突き止めた。遺伝子の傷は老化やがんなどの原因になりうる。老化防止を探る糸口として注目される。23日発行の欧州の専門誌に掲載される。

 過去の動物実験では、適度に食事の量を抑えると長生きすることが分かっている。研究チームは、遺伝子の傷を修復するたんぱく質「WRN」に着目し、食べ物の摂取量との関係を調べた。

 その結果、WRNの量は、1カ月間自由に餌を食べたラット6匹に比べ、摂取カロリーを3割減らしたやせ気味のラット6匹の方が約3倍多いことが分かった。また、長寿に関与するたんぱく質「SIRT1」も約3倍に増えていた。

 一方、ヒトの細胞を使った実験で、SIRT1の働きを抑える薬剤を入れるとWRNの量が減った。適度にカロリー制限するとSIRT1が増え、WRNが失われるのを抑制すると考えられるという。

 瀬藤光利・浜松医科大教授(分子解剖学)は「遺伝子の傷を回復しやすくする仕組みが分かった。若返りの手段を見つける糸口になるかもしれない」と話している。【須田桃子】

[毎日新聞 2008年07月22日]
http://www.mainichi.jp/select/science/news/20080722k0000m040149000c.html

スイカにバイアグラ効果? 似た成分含有=米、テキサスA&M大学

2008年07月04日 | 食品・栄養
 夏の味覚スイカに、性的不能治療薬「バイアグラ」に似た効果のある成分が含まれていると、米テキサスA&M大学の野菜果物改良研究所が3日までに発表した。

 スイカの成分「シトルリン」が体内で酵素の働きによってアルギニンというアミノ酸になり、バイアグラの主成分と同様、酸化窒素を活性化し血管を拡張、血流量を増やすという。

 ビム・パティル所長は「バイアグラと基本的に同じ効果だ。局所的に効くのではないかもしれないが、副作用はない」と指摘している。

 AP通信によると、米農務省の研究者は「研究内容は正しいが、体内のアルギニン濃度を上げるには6切れも食べなければならない。スイカには利尿作用もあり、頻繁にトイレに行くことになるだろう」と述べている。(共同)

[msn産経ニュース 2008年07月04日]
http://sankei.jp.msn.com/world/america/080704/amr0807040944006-n1.htm



 一酸化窒素の放出による血管拡張の効果があるのなら、「心臓病、高血圧に効きます」、とか、「頭皮の毛細血管の循環も良くするので育毛効果もあるかも知れません」、というような発表にすれば良かったのに。 高血圧のヒトには利尿作用があるのもメリット。 むくみのあるヒトもすっきりします。

 「バイアグラ」は局所で効くから「バイアグラ」なので、この所長さんのコメントはちょっと変かも。 ググったらシトルリンは1930年に発見されたとありました。

 夏の味覚、スイカ。 子どもの頃を懐かしく思います。 けれども最近食卓では敬遠されぎみのようす。 今年はたくさん食べようかな。

ミカン果汁で脳の老化防止?マウス実験=静岡県立大学、果樹研究所

2008年06月21日 | 食品・栄養
 ミカン果汁が脳の老化防止に役立つ可能性があることが、静岡県立大や農業・食品産業技術総合研究機構果樹研究所によるマウス実験でわかった。日本基礎老化学会で発表した。県立大の海野けい子准教授(老化生化学)は「果汁の成分のどこに効果があるのかはこれからの研究課題になる。人で効果があるかも試したい」としている。

 老化が早い系統のマウス80匹を使った。20匹ずつ4グループに分け、3.8~38%の3段階の濃度のミカン果汁で水分補給したものと、水で水分補給したものを1年間飼育。マウスが明るい箱から暗い箱に移動すると電気ショックを与える装置で実験し、移動を避けるようになるまでにかかる時間を計って学習能力を調べた。

 その結果、水で育てたマウスは、平均約千秒かかったが、ミカン果汁で育てたマウスは600~700秒で、果汁濃度が高いほど学習時間が短かった。また、老化につながる大脳の酸化を示す値も3割ほど低かった。(香取啓介)

[朝日新聞 2008年06月21日]
http://www.asahi.com/science/update/0621/TKY200806210194.html


う~~、ごめんなさい。この記事だけでは納得できない><
水を与えた群との比較だけではなくて、酸っぱいもの、糖分のいっぱい入ったものを与えた群との比較でも差が出たのか、そこんとこ知りたいです。
ビタミンCによる抗酸化作用はよく知られていますし、糖分は脳の栄養に、また酸味による脳の刺激、活性化も想像がつきますから、特にミカン果汁でなくても・・・?