沖縄平和市民連絡会は1月5日、沖縄県知事宛に辺野古・設計変更申請不承認について、下記のような要請・質問書を提出しました。できるだけ早く、意見交換の場を設定するよう求めています。
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沖縄県知事玉城デニー様 2022年1月5日
沖縄平和市民連絡会
代表世話人: 高里 鈴代 宮城 恵美子
真喜志 好一 松田 寛
辺野古・設計変更申請不承認とこれからの課題についての要請・質問
知事は昨年11月25日、沖縄防衛局から提出されていた設計変更申請を不承認とされました。この知事決断に心からの敬意を表するものです。私たち県民も、今回の不承認処分を全面的に支持し、辺野古新基地建設を阻止するための取組を強めていく決意を固めています。
しかし今回の不承認理由には難解な点も多く、県民が十分理解できているとは言えません。今後、予想される国との法廷闘争に広く県民の支持を求めるためには、不承認理由と今後の対応等について分かりやすく県民に説明する場が必要です。
また防衛局は、設計変更申請が不承認とされたにもかかわらず、「変更申請の対象外の工事は進めていく」として、辺野古側の埋立工事等を継続しています。知事は設計変更申請不承認に際して、「埋立工事が周辺環境に与える影響は甚大であり、かつ不可逆的であることからすると、事実上無意味なものとなる可能性がある。埋立工事をこれ以上継続することは許されない」という毅然としたコメントを出されましたが、それを無視した防衛局の工事継続は許されません。
今回の設計変更申請不承認に関して下記のとおり要請・質問しますのでご検討ください。
記
1.設計変更不承認について広く県民に説明すること
今回の知事の設計変更不承認の内容と今後の対応等について広く県民に説明するためのシンポジウムを開催すること。
2.設計変更申請不承認後も続く埋立工事等をただちに中止させること
2-1. 不承認に伴う埋立工事等の中止指示について
防衛局は設計変更申請が不承認とされたにもかかわらず、辺野古側の埋立工事、N2護岸造成工事、美謝川切替工事、送電線地中化工事やサンゴ類の移植作業等を継続している。知事は昨年11月25日、上記のような毅然としたコメントを出したのであるから、防衛局に対してこれらの工事をただちに中止するよう指示しなければならない。
県は12月16日の県議会米軍基地関係特別委員会で、不承認後も継続している工事の中止を求める行政指導について問われた際、「現在進捗している工事部分の中止等に関してはどのような対応が可能なのか、関係部局と検討していきたい」と答えているが、知事のコメントを具体化するためにも、早急にこれらの工事の中止を求める行政指導を出すべきではないか?
2-2.埋立承認の際の留意事項違反について
防衛局は昨年12月1日からN2護岸での土砂陸揚を始めた。同様の土砂陸揚は2017年11月にK9護岸から行ったのが最初だが、県は同年10月、「埋立承認の際の留意事項に基づく実施設計協議が整うまで陸揚を行わないように」という行政指導を行った。また、2019年6月、K8護岸からの陸揚げが行われた際は、県はその日のうちに留意事項違反だとして工事中止を求める行政指導を行っている。
ところが今回は、12月16日の県議会米軍基地関係特別委員会で、「(N2護岸からの陸揚げについて)今後、行政指導を含めて検討していく」と答弁したが、その後も何の措置も講じていないのは何故か?
2-3.知事の毅然としたコメントに伴う辺野古新基地建設事業に関する許認可申請への対応について
知事が「全ての埋立工事を中止すべき」と明言したのであるから、当然、各部局はその方針に基づいて行政を進めなければならない。しかし、北部土木事務所はその後も、本部塩川港で「シュワブ埋立工事のため」のベルトコンベア設置申請について港湾施設用地使用許可を出し続けている。
知事が「全ての埋立工事を中止すべき」と指示したのであるから、辺野古新基地建設事業に関する許認可申請は知事方針に基づいて判断すべきではないか?
(2021.12.14)