チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

埋立土砂搬出は、防衛局・琉球セメントの違法行為---知事、作業のいったん停止を指示。12月14日からの埋立開始はできない! // 平和市民連絡会の要請書全文掲載

2018年12月03日 | 沖縄日記・辺野古

 12月3日(月)、今日から名護市の琉球セメント桟橋を使って辺野古埋立のための土砂の積出し作業が始まった。現地には午前6時から大勢の人たちが集まり、懸命の阻止行動が始まっている。一方、防衛大臣は、12月14日から埋立を開始すると会見で述べた。

 沖縄平和市民連絡会は、県の毅然とした対応を求めようと午前9時に共同代表ら5名が県庁に集まり関係課をまわった。その間にも、現場からは厳しい状況の報告が入ってくるので気が気ではない。

                (午後4時半からの記者会見)

 今日は、県議会代表質問の前日、そして突然の訪問だったが、琉球セメントの桟橋の公共用財産使用許可を出した海岸防災課、土砂の堆積や赤土等流出防止条例を所管する環境保全課、そして辺野古問題を統括する辺野古新基地対策課等の各課長が対応してくれた。

                (海岸防災課長との協議)

             (環境保全課長との協議)

                (辺野古新基地対策課長との協議)

 午前中の各課長との協議では、公共用財産使用許可の完了届が出されていないこと、目的外使用であること、第3者への転貸であること、生活環境保全条例に抵触すること、土砂の堆積について赤土等流出防止の届出が出されていないことなどを指摘した。

 その後、いったん帰宅して、赤土等流出防止条例を所管する環境保全課に電話したところ、午後にもすぐ赤土等流出防止条例等の確認のために現場に行くとのことだった。

 午後、朝の各課長との協議で判明したいくつかの事実を踏まえて差替えた要請書を大急ぎで作成し、再度、3課をまわった。この要請書については末尾に添付する。

 そして午後4時半からは記者クラブで要請書の内容について説明した。同時刻、デニー知事もこの問題についての記者会見を行なっている。

          (平和市民連絡会の記者会見)

             (デニー知事の記者会見)

 この記者会見でデニー知事は次のように述べた。

1,桟橋の使用については公共用財産使用許可の完了届が出されていないことから、桟橋の使用を即時停止するよう求めるとともに、立入り検査の要求を行なった。

2.土砂の堆積場は赤土等流出防止条例の届出が出されていない。作業をいったん停止し、届出を提出するよう事業者を指導する。

 そして知事は、赤土等流出防止条例の届出の審査が終るまでは、土砂の搬入も搬出も行なわないよう指示をした。防衛局はこの指示により、12月14日からの埋立開始は不可能となった。

 我々がこの間、指摘してきた事項のうち、2点について県が取り上げ、作業のいったん停止を指示してくれたことは評価したい。後は早急な立入調査に基づき、目的外使用、転貸等の問題についても確認し、全ての作業の中止を指示すべきであろう。

********************************

<本日、提出した知事への要請書>

                                                               

沖縄県知事 玉城デニー様                2018年12月3日

 

 

防衛局による民間桟橋を使った辺野古への土砂搬送を許さないための申入れ

                           沖縄平和市民連絡会

 

 日々、辺野古新基地建設事業を阻止するために全力をあげられていることに敬意を表します。

  防衛大臣は、本日、12月14日から辺野古側での埋立開始(土砂投入)を行なうと言明しました。埋立土砂は全て海上搬送されますが、本部港(塩川地区)が台風により損傷したため、本部町は新たな岸壁使用許可申請を受理していません。そのため防衛局は、12月3日、名護市安和の琉球セメントの桟橋を使って辺野古への海上搬送の作業に入りました。

 しかし、琉球セメントの桟橋からの辺野古への埋立土砂積出しには多くの問題があり、認めることはできません。

 事態は急を要しています。県としても毅然とした対応をとっていただくよう、次のとおり申入れます。

                 記

 1.この琉球セメントの桟橋から辺野古への埋立土砂積出しを行なうのかどうか、県から防衛局に確認されたでしょうか。

 

2.埋立承認願書に添付された「埋立に用いる土砂等の採取場所及び採取量を記載した図書」(以下、「土砂に関する図書」)の図4.2「埋立土砂等の採取場所及び搬入経路図」では、本部地区のすぐ横から辺野古への搬入経路が図示されています。この搬入経路図では、本部港(塩川地区)からの搬送は行えても、ずっと東側の琉球セメントの桟橋からの搬送を予定したものとは言えません。

 この「土砂に関する図書」を変更する場合は、埋立承認の際の留意事項に基づき、知事の承認が必要です。知事の承認を得ないまま、琉球セメントの桟橋を使用しないよう防衛局を指導してください。

3.この琉球セメントの桟橋は、沖縄県国土交通省所管公有財産管理規則に基づき、琉球セメント(株)が沖縄県に「工作物新築等及び公共用財産使用を申請し、県が許可をしたものです。海という万人に開かれた公有財産を特定の企業の排他的な使用を認めたものですから、この許可手続は極めて厳正に行なわれるべきであることはいうまでもありません。

 琉球セメント(株)の桟橋設置の目的は、すぐ近くにある琉球セメント屋部工場の「セメント出荷用」、「セメント製造に使用する●●」、「セメント副原料の●●」、「その他資材の出荷」等とされています(●●は情報公開請求に対し、県が黒塗りした部分)。琉球セメント(株)は、この桟橋をこれらの目的以外に使うことはできません。

 この桟橋の公共用財産使用許可の許可条件の第1項は、「許可を受けた者は、許可にかかる物件を申請内容の用に供するものとし、それ以外の用に供してはならない」とされています。そして第5項では、「許可を受けた者が許可条件に違反したとき」は、「(県は)この許可を取消し、その効力を停止し、---原状回復若しくはその公共用財産からの退去を命じることができる」とされています。

 今回、予定されているような辺野古埋立のための土砂積込みのためにこの桟橋を使用することは、明かに目的外使用であり、許されません。今回のことで琉球セメント(株)を厳しく指導してください。

 また同時に、防衛局に対して、この桟橋を使用しないよう早急に指導して下さい。

 4.公共用財産管理規則第11条では、工事が完了した際には、知事に完了届を提出しなければなりません。しかし、12月3日現在、この完了届は知事に提出されていないにもかかわらず、この桟橋にガット船が接岸され、土砂の積出しが始まっています。明かに公共用財産管理規則に違反しており、知事は、至急、使用を停止するよう指示してください。

 5.今回、辺野古側の埋立のために搬送される土砂の量は129万立法メートルにもなります。この桟橋は、セメント製造、出荷のために許可を受けたものですが、これだけ大量の土砂の積込みに構造上耐えるのかという問題があります。沖縄県国土交通省所管公有財産管理規則第21条では、県は工作物に立入検査できると定められています。

 県として早急に桟橋に立入検査に入り、土砂積込みの詳細等の報告を受け、桟橋の構造上、問題がないかどうかを調べてください。

 6.公共用財産管理規則第12条では、「許可を受けた者は、当該許可により生じた権利を他人に転貸してはならない。」と、「転貸の禁止」が明記されており、防衛局の受注業者や下請業者が使用することは許されません。この面からも早急に、琉球セメントを指導してください。

 7.さらに、桟橋の基部の敷地には、大量の土砂が積上げられています。大気汚染防止法に基づき知事に出された一般粉塵発生施設の届出では、50m×85m=4,250㎡もの土砂を積上げるとのことです。

 しかし、この届出では、「石材の堆積」とされているにもかかわらず、実際に積まれているのは土砂です。石材と土砂では飛散の状況も異なることから、石材という届出で土砂を堆積することはゆるされません。

 さらにベルトコンベアについては、生活環境保全条例の届出が出されていますが、これも「石炭、石材の搬送」とされています。土砂を搬送することは届出内容の変更にあたります。

 このように環境保全の法令からも問題が多く、このまま使用させることは認められません。

 8.またこの土砂の堆積については、赤土等流出防止条例の手続が行なわれていません。これは罰則規定もある重大な犯罪行為です。知事は同条例に基づき、ただちに中止命令を出してください。

 9.琉球セメントの桟橋基部の敷地を国道の間に、鋭い有刺鉄線が設置されました。この有刺鉄線は子どもたちが触れるとケガをする危険なものです。さらに、明かに国道の歩道部分にはみ出しています。

 県は国道の管理者として、早急にこの有刺鉄線を撤去するよう琉球セメントを指導してください。

 10.埋立用土砂を海上搬送しても、原状では大浦湾のK9護岸を桟橋として陸揚げする他ありません。県は本年8月31日の埋立承認「撤回」に際して、防衛局が石材を海上搬送し、K9護岸から陸揚げしたことを、環境保全図書、設計概要説明書の一方的な変更だとして、「撤回」の理由の一つとされました。

 また、辺野古側からの埋立開始についても、環境保全措置の変更承認が必要だということも、「撤回」の理由にあげています。

 今回もこうした変更承認を得ないまま、防衛局は、さらに悪質な埋立開始に入ろうとしているのですから、県は、あらゆる方策を講じて埋立強行を阻止してください。

                                 以上

 

 

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 明日(3日・月)から埋立土... | トップ | 伊波洋一参議院議員が外交防... »
最新の画像もっと見る

沖縄日記・辺野古」カテゴリの最新記事