昨日、防衛局から海上ボーリング調査の報告書が開示されたことが、大きな反響を呼んでいる。 琉球新報が1面で大きく報道したこともあり、今朝からマスコミや関係者からの問い合わせが絶えない。
音波探査のデータ等、活断層の判定に必要な資料は地質学者らに送り、分析をお願いしている。昨日のブログにも書いたが、今回開示された資料により、活断層以外にも、極めて深刻な問題が明らかになった。
(琉球新報 2018.3.7)
昨日も書いたが、大浦湾のケーソン護岸の辺りは深い谷になっている。昨日開示された資料で判明したのは、この谷の部分には、「非常に緩い、柔らかい谷埋堆積物(砂質土・粘性土)が層厚40mも堆積している」(報告書7-18)という。その部分は、N値が0の箇所がいくつもあるのだ。
N値は、地盤の強度を示す数字である。試験用のさし棒の上に、一定の重さのハンマーを落し、さし棒を30cm打ち込むに要した打撃回数をN値という。N値が0というのは、ハンマーを1回も落とすことなく、さし棒を設置しただけでずぶずぶと30cm沈下したことを示している。信じられないような軟弱地盤なのだ。
今回の開示資料に添付されていたケーソン護岸の土質柱状図では、3地点のボーリング結果がN値が0、6地点のボーリング結果がN値が1~2となっている。
末尾に、C1護岸(B26地点)の土質柱状図を掲載するが、何カ所もN値0の地層があり、そこでは「モンケン自沈」と記載されている。ハンマーを打つまでもなく、さし棒が自沈したというのだ。いわば寒天のような軟弱地盤なのである。
報告書の結論部分は、「当該地においては、構造物の安定、地盤の圧密沈下、地盤の液状化の詳細検討を行うことが必須と考える」(報告書7-19)とされている。ケーソン護岸部の基礎地盤の支持力強化策や地盤改良工法等が不可欠なのだ。
しかし水深30m以上の海底地盤の改良はそう簡単ではない。実施するとしても莫大な費用と手間暇が必要である。そして知事から設計概要変更申請の許可を得なければならない。ケーソン護岸部の実施設計が未だできないというのも、防衛局が困り果てている実態を示している。
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午後は、退職教職員九州地区連絡協議会の総会で辺野古の現状について講演。