昨日(28日)、沖縄防衛局に公文書公開請求していた高江の3件のヘリパッド工事の全ての変更契約書とその特記仕様書が開示された。請求から2ヶ月経ってやっと公開されたものだ。
その内容を見て驚いた。N1地区やG地区のヘリパッド工事は、工事費が当初契約の6倍ほどという膨大な額に膨れあがっているのだ。私は30年以上公共土木事業に従事してきたが、1~2割程度の増額変更はあっても、このような6倍もの増額変更などあり得ない。
3件の工事ともまだ竣工していない。今後さらなる増額変更は不可避であり、最終的にはさらに大きな変更額となる。
受注業者 |
当初契約の工期 |
当初契約金額 |
現在時点の変更金額 |
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N1地区工事 |
北勝建設 |
H26.1.22~H27.3.31 (H29.3.31まで工期変更) |
1億8900万円 |
11億6500万円 (6.2倍) |
G 地区工事 |
仲程土建 |
H26.1.28~H28.3.31 (H29.3.31まで工期変更) |
2億 520万円 |
11億3098万円 (5.5倍) |
H 地区工事 |
本部造園 |
H28.7.1~H29.9.30 |
2億1880万円 |
2億2031万円 |
この問題については、今日の沖縄タイムス、琉球新報とも大きく報道してくれた。特に沖縄タイムスは、1面トップと社会面で詳しく報道している。
(沖縄タイムス 2017.3.1)
この増額の理由は次のようなものだ。
N1地区工事(北勝建設)では、途中でN1地区、N4地区、そしてメインゲートの警備業務が追加されたために、少なくとも6億円以上の増額となっていることが判明した。また、G地区工事(仲程土建)でも、G地区、H地区の警備業務が追加され、数億円の増額となっている。
警備業務は、ヘリパッド工事とは全く異なる業務である。ヘリパッド工事の3倍以上にもなる警備業務を、ヘリパッド工事に増額変更で組み入れることは許されない。もし警備業務が必要になったのなら、一般競争入札で業者を選んで発注しなければならない。
たとえば、国の財政支出等について定めた会計法第29条は、公共事業では「請負その他の契約を締結する場合は、---公告して申し込みをさせることにより、競争に付さなければならない」とされている。今回、防衛局は自らが恣意的に決めた警備会社に巨額の業務をさせたことになり、会計法第29条に違反していることは明らかだ。
さらに今日の新聞では指摘していないが、さらに不可解な事実がある。
防衛局は、北部訓練場ヘリパッド工事で警備業務を2件、一般競争入札で発注しているのだ。下の表のように、昨年9月から5ヶ月ほどの工期で、2件あわせると22.8億円もの金額になっている。
「北部(H28)警備業務(その1)」はN1、N4地区、メインゲートの警備というが、前述のように「北部(H25)着陸隊移設工事」で追加された警備業務も、N1、N4地区、メインゲートの警備とされている。また、「北部(H28)警備業務(その2)」はG、H地区の警備というが、「北部(H26)着陸隊移設工事」で追加された警備業務も、G、H地区の警備とされている。
これらは一見、重複しているが、いったいどういうことだろうか?
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当初契約の工期 |
当初契約金額 |
業務箇所 |
北部(H28)警備業務(その1) 受注;総合警備保障(株) |
H28.9.12~H29.2.28 |
11億3962万円 |
N1、N4地区 メインゲート |
北部(H28)警備業務(その2) 受注:テイケイ(株) |
H28.9.15~H29.2.28 |
10億4760万円 |
G、H地区 |
それにしても、今回のヘリパッド工事では、3件の造成工事(警備業務等の増額変更を含む)、2件の警備業務をあわせただけでも、総額47億円もの費用を要しているのだ。驚くほかない。
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