チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

防衛局、「辺野古側②-1区域の埋立完了」とプレスリリース --- 実際にはやっと最終完成高の半分までの土砂投入が行われたにすぎない /// このペースでは辺野古側の埋立だけでも7年10ケ月!

2020年10月01日 | 沖縄日記・辺野古

 今日(10月1日・木)、防衛局が、「辺野古側②-1区域について、県に提出した事業行為通知書に記載された高さ(海水面から+3.1m)までの埋立が9月30日に完了した」とマスコミ各社に発表した。

 防衛局がわざわざこのようなプレスリリースを行ったのは、工事が順調に進んでいることを宣伝しようとしたのであろう。しかし、実際には、工事の著しい遅れを認めたこととなる。知事もコメントを出し、明日の紙面で報道されるかもしれないので、この防衛局発表の意味について説明しておきたい。

 ②-1区域は、下図のように辺野古崎側の狭い部分で、②区域とあわせて2018年3月2日に+3.1mまでの埋立工事が発注された(これを「1期工事」という。工事着手は2018年12月4日)。今回のプレスリリースの「赤土等流出防止条例にもとづく事業行為通知書」というのは、この部分についての手続きである。同事業行為通知書では、埋立土量は13.75万㎥とされている。辺野古新基地建設事業全体の埋立土量が2018万㎥(変更計画)であるから、今回、②-1区域については全体土量の0.68%の埋立工事が完了したこととなる。

  なお、②区域への土砂投入も続いているが、県の試算では8月末時点で、②区域、②-1区域をあわせた土砂投入量は全体の 3.2%となっている。

 しかし、この②-1区域の埋立工事だけでも先は長い。

 防衛局は今回完了したという1期工事(+3.1mまでの盛土)に続いて、+3.1mから+4.0mまでの埋立工事を2020年3月14日に発注した(これを「2期工事」という)。今回、1期工事が完了したのでやっと2期工事に着手できるが、2期工事の工期は2年なので、順調に行っても完了は2022年9月となる。

 その後、さらに+4.0mから+8.1mまでの埋立工事(「3期工事」)が行われる。辺野古側の埋立に必要な土量は319万㎥だが、防衛省の鈴木整備計画局長は、本年7月8日の衆議院安全保障委員会で赤嶺議員の質問に対して、「現在、行っているシュワブ南側埋立工事の契約済の土量は約153万㎥」と認めたが、2018年12月に開始された埋立工事が3年10ケ月近くたっても約半分の土砂投入量だから、シュワブ南側全域の埋立完了には7年8ケ月を要することとなる(2020.9.27 赤旗日曜版の記事に一部加筆)。

 防衛局は今回の変更計画書で、辺野古側の埋立工事は2年1ケ月としているが(設計概要説明書)、全く根拠のない数字だと言わざるを得ない。

 防衛局は、プレスリリースであたかも工事が順調に進んでいると宣伝したいのだろうが、逆に、明らかになったのは工事のとんでもない遅れである。

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