チョイさんの沖縄日記

辺野古や高江の問題等に関する日々の備忘録
 

6月4日、オール沖縄会議、うりずんの会の防衛局長交渉の記録---工事はいったん中止せよ!

2018年06月10日 | 沖縄日記・辺野古

 以下、月4日(月)に行なわれたオール沖縄会議の防衛局長交渉の全記録です。

 

 

オール沖縄会議、うりずんの会  防衛局長交渉の記録  

 *日時:2018年6月4日(月)

*出席者

・沖縄防衛局   中嶋防衛局長、高木次長、遠藤次長、井上調達部長、伊藤企画部長  以下●印

・オール沖縄   以下〇印

  稲嶺進共同代表、山本隆司事務局長、仲村司、安次富浩、新垣清涼、北上田毅

  照屋寛徳衆議院議員、玉城デニー衆議院議員

 

<交渉記録>

要請書前文 

 辺野古の海への土砂投入を強行せずいったん工事を中止して沖縄県との協議を求める要請

                

 沖縄防衛局は現在、辺野古新基地建設事業への県民の強い反対の声を無視し、辺野古側での護岸造成工事を続けている。報道では、外周護岸の基礎工部分が完成すれば、その内側に土砂が投入されるともいわれている。

 しかし、現状のまま土砂投入を開始することは、埋立承認の際の留意事項に違反し、取り返しのつかない環境破壊、地元住民の安全等下記のように多くの問題がある。土砂投入を強行せず、いったん工事を中止して沖縄県との協議に入るよう強く要請する。 

 

防衛局長回答

●防衛局としては、作業の安全に十分考慮した上で、関係法令や承認の留意事項に基づき、自然環境や周辺住民の方々の生活環境に最大限配慮し、沖縄県と必要な協議を行なった上で工事を進めてまいります。工事を強行しているとのご指摘はあたりません。 

 

要請事項1 サンゴ類の移植について

<質問>

 埋立が予定されている区域内には、絶滅危惧種のサンゴ類が残っている。知事の特別採捕許可も出されていないが、防衛局も、「産卵期や高水温期となる5月以降10月頃までの移植はできるだけ避けることが適切」としてきたはずである。少なくとも11月まではサンゴ類の移植はできないことから、それまでに土砂を投入してサンゴ類を死滅させることは絶対許されないのではないか? 

 

防衛局回答(井上調達部長)

●レッドリストサンゴ類については、沖縄県に対しまして移植にかかる特別採捕許可申請を行ない、その許可を求めているところです。現時点では特別採捕許可は得られていませんが、県から許可が得られれば適切に対応していきます。

 なおサンゴ類の移植にあたりましては、環境監視等委員会の指導、助言を踏まえて適切に対応してまいります。

 

質疑応答

〇中にオキナワハマサンゴが残っているのに、護岸を50mだけ開けて土砂の投入を始めるのか?

●質問の範囲にしてほしい。その範囲で回答を準備しているので、一つひとつ答えることはできない。

〇それでは、5月~10月はサンゴ移植は適切ではないと防衛局も言っていたはずだ。その期間でも移植するというのか?

県から特別採捕許可が出されれば適切に対応していきます。

 

 

要請事項2 護岸の高さと土砂投入時期について

<質問>

 現在、外周護岸は下部工(基礎捨石・被覆ブロック)の造成が行なわれているだけで、まだ上部工(躯体工・消波ブロック)には着手していない。そのため、現時点での護岸高は最終天端高よりも4.5mほど低い。このまま内側に土砂を投入すれば、台風時などに高波が護岸を超え、基礎工部分の崩壊や埋立土砂の流出による周辺海域の深刻な汚濁が危惧される。少なくとも、最終天端高までの造成が終るまで内側に土砂を投入してはならないのではないか? 

 

防衛局回答(井上調達部長)

●土砂の投入時期につきましては、事業実施区域及びその周辺における護岸の概成状況等を踏まえて総合的に判断する必要がございますことから、現時点で予断をもってお答えすることは差し控えさせていただきます。

 いずれにしましても、当局としては、普天間代替施設の建設事業の実施にあたりましては、赤土等流出防止条例等に基づいて適切に対応してまいります。

 

質疑応答

〇今日は、現場の写真と資料を準備してきた。写真は船から撮ったものだが、今の護岸の現状は、海面から1mほどの高さしかない。資料は、護岸の特記仕様書から作成したもの。現在の護岸の高さは、最終天端高よりもまだ6.8mも低いことが分かる。

 このままの状態で土砂を投入すると、台風時などに高波が簡単に護岸を超え、土砂が投入されておれば中の土砂をかき混ぜ、汚濁水がそのまま海に出ていく。周辺の海の汚濁は大変なことになる。

 この点について、「総合的に判断」という言葉でごまかすのではなく、具体的に護岸が最終天端高まで出来あがらないと土砂を投入しないと約束すべきではないか?

●いずれにしろ、先ほどお答えした以上のものでも、以下でもありません。

〇それはおかしい。最終天端高よりも6.8mも低いという我々の指摘が間違いだというのか?

●いずれにしろ、先ほどお答えした以上のものでも、以下でもありません。

〇こういうことに関して説明を聞きたいと言っているのです。これが皆さんの「誠実な対応」というのか? おかしいですよ。

●我々としては、総合的に判断すると答えています。

〇総合的の中身を具体的に説明してください。どういうことですか?

●ですから総合的に判断するのです。

〇具体的に質問しているのだから、それに答えてくれ。

●我々のご用意している回答は先ほどのものです。

〇こんな誠意のない回答はないでしょう。この状態で土砂を投入すればどうなりますか? それを説明してください。

●いずれにしましても、我々は埋立てを進めるにあたりまして、赤土等流出防止条例に基づいて事業行為通知書を今後、県に提出します。従って、土砂流出の懸念がないようにしっかりと条例に沿って対応してまいります。

〇土砂流出の懸念がないようにというのは、どういうことか?

●それは、総合的に判断する必要があるので、現時点で予断をもってお答えできません。 

〇じゃあ、もう少し話しをしていきましょう。

 当初の埋立承認願書では、傾斜堤護岸がどの高さになってから内側に土砂を投入するとしていますか?

●それはですね、赤土等流出防止条例に基づいて適切に対応してまいります。

〇はぐらかさずに、質問にきちんと答えてください。

●埋立承認願書は、フルオープンで公開していますので、それを確認してください。

〇じゃあ、この資料を見てください。埋立承認願書の環境保全図書です。ここでは、上部コンクリート工、消波ブロックを施工してから、内側に防砂シートを張るとしています。これは護岸が最終の高さにまでなってから土砂投入にかかるということです。このとおりしないのですか?

●それは誤解があると思います。よく読んでください。

〇何を言っているの? 我々が誤解しているというのなら、具体的に指摘しなさい。

●それは、護岸の施工要領図です。それ以下でも以上でもありません。

〇何を言っているんですか? 護岸を上まで仕上げてから土砂を入れるとなっているでしょう? 上まで仕上げないと、台風時などの高波をどうするのか? 今のように基準高+1.30mの高さで土砂を入れてはダメでしょう。環境保全図書の変更でもある。これが誤解ですか? 我々の解釈の何処が間違っているのか?

●これは護岸の施工要領図です。それ以下でも以上でもありません。

〇防砂シート、腹付材等の施工順序もきちんと書いているではないか? 土砂投入はその次ぎの課程だ。

---一部省略---

●我々は、護岸の概成の状況を踏まえて総合的に判断します。

 ここだけではなく、前後の頁もよく読んでください。他に那覇空港第2滑走路埋立事業もあるので、それもよく読んでください。

〇今の護岸の高さのままでは、周囲を仕切ったからといって土砂は投入できない。これは環境保全図書の決定的な変更となる。

●ご見解として承ります。 

 

要請事項3 軟弱地盤の問題について

<質問>

 大浦湾側では、活断層が疑われているが、さらにN値ゼロのマヨネーズのような超軟弱地盤が厚さ40mにもわたって存在することが確認されている。巨額の費用と年月をかけて大規模に地盤改良を行なうとしても、大浦湾の致命的な環境破壊は免れない。この軟弱地盤問題にどう対処するのか、明らかにされたい。

 今後、地盤改良等が不可欠であるが、そのためには知事への設計概要変更申請が必要となり、知事が承認しなければその時点で工事は頓挫する。 防衛局は、先の目処もないまま辺野古側での工事を急ぐのではなく、いったん工事を中止して大浦湾側の工事について県との協議に入るべきではないか? 

 

防衛局回答(井上調達部長)

●地盤の強度等につきましては、現在、実施中のボーリング調査の結果を踏まえまして、総合的に判断する必要があると考えています。現時点における調査結果をもって地盤の強度等を判断する段階にはないと考えております。

 

質疑応答

〇現時点の調査結果だけでは地盤の強度は判断できないと言われたが、今後、さらにボーリング調査の予定はあるのか?

●ボーリング調査はこれからもやっていかなくてはなりません。軟弱地盤のためではなくても、いろんな施設の設計のためにもやっていく必要があります。

〇先日、防衛省交渉を行なったが、今後、新たな掘削は予定していまいとのことだった。間違いはないか?

●予定はしていないことはありません。

〇はっきりと答えなさい。

●予定はしていないと言われたので、それは否定しました。

〇予定しているということか?

●このためということではなく、これからも施設の設計をするために、これまで掘っていないところのボーリング調査を行なう予定はあります。

 

〇ケーソン護岸の実施設計にはすでに着手されていますね? どうですか?

●本日は、要請事項に基づいて回答していますので、それ以外の質問は---。

〇ケーソン護岸の実施設計はすでにやっているではないか? まだボーリング調査をするのなら、実施設計には入れないはずだ。

---時間切れとの催促— 

 

質問事項4 高さ制限の問題について

<質問>

 米国防総省の飛行場設置基準では、滑走路の周囲2286mの範囲の高さ制限が標高54.5mであることが判明した。辺野古周辺では、沖縄高専、辺野古弾薬庫、久辺中学校・久辺小学校、久辺郵便局、集落等がこの高さ制限を超えている。

 政府は、「米軍と調整を行なっており、高さ制限の適用は除外される」と弁明するが、沖縄高専の学生寮に居住する552人もの学生、久辺小・中学校の234人の児童生徒等の安全・命にもかかわる深刻な問題である。辺野古新基地の立地条件そのものの見直し、計画の白紙撤回を求める。  

 (注)統一施設基準では、滑走路からの高さ制限は45.72m。滑走路の高さは8.8mであるから、高さ制限は標高54.52mとなる。

防衛局回答(伊藤企画部長)

●代替施設の建設事業に関しましては、キャンプ・シュワブ周辺の建造物が、実際に米国防総省の統一施設基準の高さ制限の対象となるかどうかについては、飛行場の運用の形態等を踏まえて、周辺地域の安全性の確保を最優先に米側と調整を進めてきました。

 その中で、高専、弾薬庫、小・中学校、郵便局、高台の集落につきましては、周辺の地形に沿って建造物が存在しておりまして、これらは統一施設基準に定める高さ54.5mを超えておりますが、航空機の視認性を含む航空機の運航の傷害となる可能性はなく、また普天間飛行場代替施設の飛行ルートは基本的に海上に設定されておりますことから、安全性に問題はないと認識し、高さ制限の対象とはならないとされております。

 いずれにしましても、米軍機の飛行に際しましては、周辺地域の安全性の確保を第1に、代替施設の運用にあたっては、米側に安全面に最大の配慮を求めるとともに、関係者への説明を通じて、移設に向けたご理解を得ていくよう努めてまいりたいと考えています。

 

質疑応答

〇何故、鉄塔が危険だというのに、学校は安全で例外なのか?

●鉄塔については、送電線が広く設けられており、周辺の地形から突出す形となっています。また、航空機からの視認性が必ずしもよくないことから、航空機の運航の障害になると米側との調整を行なっています。鉄塔については移設が必要と判断しました。

 他方、地形の上にある高専等の建築物は、高さを超えているというだけで危ないという判断はしていません。基本的に海側を通ることになっていますので。

〇日本でこれまで飛行場をたくさん作ってこられたが、こんな場所に作った例はあるのですか?

●その手の質問には、今、回答の用意はありません。

●地形も含めて、現在の建物については、鉄塔の他に安全に問題となるものはありません。

 ---時間超過の催促---

〇それでは、高さ制限を超えている建築物の一覧とそれぞれの標高の資料を国会議員さんの方に提出してもらえますか?

●それは資料要求を出していただけますか?

〇後ほど、資料要求をさせていただいきます。                         (以上)

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