7月12日(木)、朝、病院で受診後、沖縄防衛局へ。
先に「不存在」としていた文書が、自衛隊日報の公文書隠しが問題になった後、防衛省内に設けられた「情報公開査察官」の査察で存在が確認されたので、改めて開示するというのだ。「不存在」とした理由は、「担当者の勘違い」だという。防衛局の広報室長は、「ご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした」と謝罪したが、 こんなことでは、防衛局の「不存在」決定の全てが疑わしい。
私は、12日に国を相手に、軟弱地盤に関する土質調査データが不存在とされたことに対して、「公文書不開示決定取消訴訟」を提訴したが、この不存在決定についても、査察が始まろうとしているそうだ。防衛局は、都合の悪い文書は、ともかく知事選までは隠そうとしている。ケーソン護岸の実施設計が行なわれていることからも、この調査データは必ず存在する。あるいは知事選後、この提訴対象の文書についても、「実はありました」として開示してくるのかもしれない。
この問題については、改めて詳しく説明しよう。
辺野古には昼前に着いた。ちょうど戻ってきた「ブルーの船」に乗せてもらい海に出る。今日は、カヌー12艇、抗議船2隻で海上抗議行動が続けられている。
8月中旬から埋立が始まろうとしている辺野古崎先端近くの②-1工区では、後30mほどで護岸が仕切られようとしている。しかし、台風7号、8号の被害は予想外に深刻で、護岸の外側に張られていた進入防止用のフロートは、海底のアンカーを引きずったまま護岸に打上げられてしまった。アンカーが流失してしまったり、破損したのだろうか、その台風通過後もフロートを張ることができない状況が続いている。
今日は、このアンカーの再設置・修復作業や、護岸の天端付近に台風対策で設置した袋材等の撤去作業が続いていた。
筏の上にジャッキを置き、海底のアンカーの再設置・修復作業が続いていた。カヌーメンバーらが抗議を続ける。
辺野古崎先端近くにわずかに残った砂浜にウミガメが産卵箇所がある(中央部の緑のネットで囲まれた場所)。去年の今頃は、シュワブ沿岸のあちこちの砂浜でウミガメが産卵していたが、工事が進んだ今年は、もう産卵の場所もほとんど無くなってしまった。こんな岩礁の前の砂浜、そして工事現場のすぐ横に出産しても、無事孵化し、稚ガメが海に戻ることができるだろうか?
今日も、護岸の近くでウミガメが泳いでいるのを見つけた。最近は頻繁に目撃されている。産卵場所がなく、あちこちを彷徨っているのかもしれない。
K4護岸の近くに、海底の海草が、白くめくれ上がっているところがあった。台風前にフロートがあった箇所から始まっているから、海底のアンカーが高波で引きずられ、海草を削り取ってしまったのだろう。
カヌーメンバーの一人がシュノーケルで潜ってくれた。海草・藻場が無惨に削り取られ、白くめくれ上がってしまっている。
下の写真は、N3護岸先端部付近の岩礁に打上げられたアンカー。こんなアンカーが、台風の高波で引きずられ、底を傷つけたのだ。この近くには、先日、発見されたハマサンゴやシクロサンゴがある。
K4護岸そのものも損傷がひどい。被覆ブロックがずれ、隙間が開いてしまったところが目立つ。また、下の写真でも分るように、ブロックが沈下し、天端の高さが不揃いになってしまっている(下の写真は、右下がり)。被覆ブロックは隣り合ったブロックがお互いにかみ合うことによって強度が出るのだが、こんな状態では護岸の強度は著しく低下している。
結局この日は、午後4時過ぎまで抗議・監視行動を続けた。カヌーを曳航して辺野古に戻る。