西園寺由利の長唄って何だ!

長唄を知識として楽しんでもらいたい。
軽いエッセイを綴ります。

9代目杵屋六左衛門

2011-03-05 | 長唄を作った人たち (c) y.saionji
 9代目杵屋六左衛門


さて、七変化での仕切り直しと聞いて慌てたのが、杵屋六左衛門。
しかも七曲を一日で作るのだ。

今の感覚でいくと、これはとんでもないことのように思うが、
長唄本来の作曲法というのが、“関連物”のいいとこ取りや、
書き換え、発想の妙を競うというたぐいの、寄せ集め的なものだったから、
オリジナルを作るよりははるかに楽だ。

幸いなことに、六左衛門の連れ合いは地歌(箏の三味線)の名手。
奥方の知恵も借りて、後世かくも名曲と囃されることになる
「越後獅子」ほか6曲を一晩で作った。
(よほど時間がなかったのだろう、
「越後獅子」はかなりのパーツを地歌の「越後獅子」から拝借)

徹夜明けのまま六左衛門は振付師のもとに直行。
ただちに稽古が始まった。


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tea break・海中百景
photo by 和尚
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