118ー「春の色」(1833・天保4年)
杵屋六三郎(4世)という人は吉原が好きで、
若い時は、廓から芝居に出勤していたほどの猛者。
だから六三郎の曲には、廓に関した内容のものが多く、
すきあらば、吉原に引っ張る。
この曲は、勤め上げた遊女が、昔を回想する、というもの。
『夢の心地や全盛の
八重山吹の仲の町
目移りしたか 花衣
触らば散らん 手に取るな
やはり広野の蓮華草』
●振り返れば夢のような時代だった、全盛の吉原。
仲の町には八重の山吹が咲き誇り、きれいな花魁がわんさと、
でも触ったらはらりと散る、欲しがってはだめですぞ。
野原の蓮華草は野にあってこそ美しいもの、
手折って持ち帰っても感動は薄れるだけ、よろしいかな。
六三郎は老婆心ながら、男をいましめている。
〓 〓 〓
tea breaku ・海中百景
photo by 和尚
杵屋六三郎(4世)という人は吉原が好きで、
若い時は、廓から芝居に出勤していたほどの猛者。
だから六三郎の曲には、廓に関した内容のものが多く、
すきあらば、吉原に引っ張る。
この曲は、勤め上げた遊女が、昔を回想する、というもの。
『夢の心地や全盛の
八重山吹の仲の町
目移りしたか 花衣
触らば散らん 手に取るな
やはり広野の蓮華草』
●振り返れば夢のような時代だった、全盛の吉原。
仲の町には八重の山吹が咲き誇り、きれいな花魁がわんさと、
でも触ったらはらりと散る、欲しがってはだめですぞ。
野原の蓮華草は野にあってこそ美しいもの、
手折って持ち帰っても感動は薄れるだけ、よろしいかな。
六三郎は老婆心ながら、男をいましめている。
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tea breaku ・海中百景
photo by 和尚
