SENTIMENTAL JAZZ DIARY

感傷的ジャズ日記 ~私のアルバムコレクションから~

JOE FARNSWORTH 「DRUMSPEAK」

2007年06月27日 | Drums/Percussion

個人的な短いジャパンツアー?を終え、帰ってきた。
3日も日記を書かないとそれなりに後ろめたい気がする。そこでそうした気持ちを吹き飛ばしてくれそうなアルバムを取り上げたいとCD棚の前で腕組みをしながら考え、最近購入したばかりのジョー・ファンズワースを取り上げた。
このアルバム、とにかくメンバーが華やかなのだ。
彼の師ともいえるカーティス・フラー(tb)、ベテランのスティーヴ・ネルソン(vib)、レイ・マンティラ(per)、ワン・フォー・オールの仲間であるエリック・アレキサンダー(ts)、ジム・ロトンディ(tp)、デヴィッド・ヘイゼルタイン(p)、そして人気者ナット・リーヴス(b)といった面々が顔を揃えている。
カーティス・フラーに敬意を表するからか、出だしの曲はコルトレーンの名曲「ブルー・トレイン」だ。あの名作が発表されてから既に50年が経っているが、フラーの音色は未だに衰えない。考えてみればすごいことだ。
この曲はカーティス・フラーが参加したために名曲になった。彼の生み出す音色が深くてぶ厚い音の帯を創り出しているのだ。アンサンブルにおけるトロンボーンの重要性を知ったのはこの時が初めてである。
彼自身、あれから半世紀後に若いメンバーと一緒にこの曲を吹くことになるとは思ってもいなかったであろう。ファンズワースの彼に対する思いが痛いほど伝わってくる。フラーは幸せ者だ。

他のメンバーの中ではデヴィッド・ヘイゼルタインがとてもいい。普段はあまり目立った弾き方をしない彼だが、ここでは一つ一つのプレイにキラリとしたセンスを感じる。わざとケニー・ドリューの弾き方に似せているようだと勘ぐりたくなってくるような絶妙なスイング感である。
リーダーのファンズワースも相変わらず軽快なシンバルワークを披露している。
今一番乗っているニューヨークの音を聞きたければこれがお薦めだ。