「ステキなジャズを聴きながら、楽しいディナーをどうぞ」
これは先日旅先で見かけたちょっとおしゃれなレストランのチャッチフレーズ。
入口の脇のチョークボードに貼り付けてあった。
このお店には残念ながら時間がなかったので入らなかったのだが、何となく後ろ髪を引かれる思いだった。
で、後で思い返して、あのレストランではどんなジャズを聴かせてくれるのだろうと考えた。
一番イメージに合うのは、澤野工房の作品だと思った。
中でもセルジュ・デラートはぴったりだ。
個人的には、前作「French Cookin’」の方が内容的にはいいような気がするが、おあつらえ向きのジャケットといい、最初の2曲(「If I Love Again」と「My Little Suede Shoes」)の可愛らしい華やいだ雰囲気といい、この「SWINGIN’ THREE」の方がベストマッチのような気がしている。
最近、楽しく食事をとることに幸せを感じている。
今さら何だ、といわれるかもしれないが、以前はそれほどの執着心がなかった。
もちろん美味しいものをいただくことに越したことはないが、若い頃はただお腹がふくれればそれでいいみたいなところがあって、時間とお金をかけて食事をとるなんてことはあまりなかったような気がするのだ。
事実、ヨーロッパなんかに行ってレストランに入ると、何時間もそこに居続けなくてはいけないような状況になることがよくあって、本格的なレストランにはおいそれと入れなくなっていた。
それがどうだ。
このところは、美味しい店があると聞けばそそくさと出かけていくような生活になった。
お酒が好きになったというのもその原因かもしれない。
特に日本酒がうまいと感じるようになった。
単純に歳をとっただけかもしれないが、歳をとるのも悪くないと思えてくるからますます幸せだ。
大袈裟に言えば、料理とお酒とジャズ、暮らしの中にこの取り合わせがあれば、明日もまたがんばれそうな気がしている。
今日は昨日手に入れた魚沼のおいしい酒を飲みながら一日を振り返ろう。
ついでにセルジュ・デラート、お薦めです。