写真の像は何だと思いますか?
「これ、いいでしょ」と、家で見せたら、
「あら、大黒様?」と言われてしまいましたが、とんでもない。
可愛い赤ちゃんを抱いた母子像で、
豊穣信仰と結びついている地母神像です。
ブリキ星の近所でギャラリーをやっている金子さんから
最近譲ってもらったものです。
金子さんは、時々インドネシアに仕入れにいきます。
その旅はとても楽しいらしく、
一度同行できたらと思ったりもするのですが、
現地の人と一緒に飲み食いしてもビクともしない彼に、
胃腸の弱い私がついていくのは到底無理だとあきらめています。
金子さんは、今年の夏も一ヶ月近くインドネシアに出かけました。
帰ってきてから見せてもらったものの中にあったのが、
この母子像で、迷わず選びました。
中部ジャワ出土だそうです。
片ひざを立てて抱きかかえているタイプは、
はじめて見ました。
日本の縄文中期の土偶は横座りで、
西アフリカのマリの土偶は正座して赤ちゃんを抱いています。
それから、よく見ると、素材は翡翠(ヒスイ)なのです。
あたかも縄文の勾玉のように風化していて、
手にしたときの感覚は、なんともいえません。
翡翠の産地は、日本(新潟糸魚川)、ミャンマー、グアテマラ、ロシア等、
限られた地域で、インドネシアには無いはずなのです。
何て、不思議な地母神さんでしょう。
あれこれ、空想・妄想しながら毎日ながめて、
元気をもらっています。