ブリキ星通信

店主のひとりごと

ブリキ星通信/2008年8月号

2008年08月11日 | 2008年

毎日毎日、暑いですね。
夏休み、炎天下の奈良・大和路を歩いてきました。

京都にはよく行くのですが、奈良は15年振りでしょうか。
京都は日常と非日常の組み合わせが刺激的なのですが、
奈良は日常の中に古代を感じることのできる地です。
山之辺の道(三輪から天理まで)や飛鳥を歩いていると、
あちこちにこんもりした森=古墳があって、
川が流れ、田んぼがあって、
道端には鶏頭(けいとう)が咲き、
トンボが群れをなして飛んでいます。
真夏の太陽をあびて真っ赤に咲き誇っている鶏頭の花は
万葉の時代に伝来したとか。
クーラーなど無い子どもの頃の夏景色を思い出しながら、
歩いて歩いて……
山之辺の道で印象に残ったのは、大神神社と長岳寺。
三輪山を拝した大神神社の境内では、
絵画教室の生徒さんたちと思われる絵
(柴田貴子奉納と記されていた)が展示されているのに
目が行きました。
どれもが素直で気分のよい絵。
どこかで見たような記憶が…… 
そういえば、昭和天皇の皇后の絵も、このような絵でした。

最後の5日目に巡った飛鳥は、
もっとも古代の謎を感じさせてくれました。
いたるところにある石の造形物。
誰が眠っていたのかもわからなくなった石棺や石室、
飛鳥時代の噴水施設だった大きな石人、
亀や猿の形をした石。
古代日本には石の文化があったのですね。
高松塚古墳の壁画もレプリカですが、
発掘当初の模写画がいい雰囲気でした。

写真(上)は、吉備姫王墓にある猿石。
写真(中)は石舞台古墳。
外からは巨大な石が積み重なっているだけですが、
中は高さ4.7メートルもある横穴式石室。
蘇我馬子の墓だったのではといわれています。
写真(下)は川原寺遺跡。
この何もないところがいい。

4泊5日の旅での宿泊先には恵まれました。
1日目「かんぽの宿奈良」は平城宮跡のすぐ隣で、
展望室からはライトアップされた朱雀門と夜景が一望。
2、3日目は桜井駅近くの「ペンションサンチェリー 」。
<フランスの田舎風料理>がとびきり美味しい !!
4日目は飛鳥の「B&BAsuka」。川原寺遺跡の近く。
英国アンティーク家具しつらえのおしゃれで清潔な宿。
懐かしいポップスが流れる食堂での朝食がよかった。

さて、食いしん坊の私の、おいしいもの一等賞は、
室生寺に行く途中、大野寺のそば、「やまが」で食べた葛きり。
葛きりは、法隆寺門前と岡寺参道でも食したけれど、
ここが本物(もっとも値段が他とは違う)。
小さい頃、病気の時に食べさせてもらった
「くず湯」の味と香りがよみがえってきました。