ブリキ星通信

店主のひとりごと

ブリキ星通信/2004年9月号

2004年09月06日 | 2004年
日曜日早朝の蚤の市はオモシロイ。
仕入れも目的のひとつですが、
何と言っても自分が楽しむほうが優先です。
ある日の富岡八幡神社でのこと。
アレ、これは軽石だけど、何でこんなもの置いてあるんだろう、
と思って見ていたら、馴染みの店主が自信たっぷりにいわく。
「これはですね、下町に住む100歳ちかくになるおばあちゃんがね、
 昭和の初期からずっと使っていたものなんですよ…」
あまりに上手な(?)売り口上が可笑しくて、
ウッカリ買ってしまった軽石。
でも、この磨り減った軽石、まだ店に並べる勇気はありません。
立川の諏訪神社では、三角形の帽子を見つけました。
何故か私は帽子大好き人間。
形のよい帽子を見るとうれしくなります。
手にとってみると、紙のようにふわっと軽い。
店主によれば、
「敗戦前夜、竹槍で米軍を迎え撃とうとしていた時代の紙製の帽子」
だとのこと。
竹でつくった型に薄い紙を張って、
柿渋のようなものが塗られているだけのものです。
これでは、私が子どもの頃によく作った新聞紙のカブトと
変わりありません。
こんなむちゃくちゃな時代があったんですね。
「あった」と過去形では語れませんが…。

今、心に掛かる人がいます。
内海満昌さん(ブリキ星で何回も企画展をやっている作家)の
絵が好きなAさん。
先月アフリカに旅立ちました。
「まだ使ったことがないヤスリで自分自身を削りたい」と言って。
また、先日、
パレスチナの人の絵と日本の室町時代の水墨画の線の共通性
について語ってくれたBさんが、まもなくパレスチナに行くそうです。
私は、ブリキ星の空間にとじこもっています。