企画展案内状の宛名を、手書きから印刷ラベルに
変えました。ようやくというか、とうとうという
べきか…。
手書きのほうが「ブリキ星らしくていい」と言っ
てくださる方もいたのですが、元来の悪筆に加え、
その時々の気分と体力で、間違いが多くなったり、
発送枚数が少なくなったりして、手書きの限界を
悟ったわけです。
絵描きのKさんに、エクセルの使い方を指導して
もらいながらの宛名ラベル作成となりました。
これで、手を痛くしながら毎月1~2回の宛名書
きをしなくてよくなった、という安堵感を抱く一
方、身の回りから手書きの文字が消えていく世の
流れに乗ってしまった、という複雑な感情が湧い
てきます。
それというのも、先日、大正時代の普通の人が書
いた文字を見たからです(写真)。
それは、書家のSさんが骨董市で見つけてきたも
ので、和とじの小冊子になっています。
一冊には、「弘法大師 いろは わさん」の題字と、
大正元年の年号が書かれています。
けして上手な字とはいえませんが、人生を重ねた
人の覚えたての字(書)は、力と味わいの両方が
あります。
書いている人の思いが感じられて、見ていると
ドキドキしてきます。
「書は人なり」とはよく言ったものです。
書いた人は、かなり年配の女性のような気がして、
その声まで聞こえてきそう。
生身の文字の醍醐味ここにありです。