ブリキ星通信

店主のひとりごと

ブリキ星通信/2004年8月号

2004年08月01日 | 2004年
異常気象を思わせる暑い日がつづいています。
この暑さの中、西荻窪の駅からちょっとある道のりを、
歩いてご来店くださるお客さんに、まず感謝です。
今回も、ブリキ星にやって来たたくさんのモノたちの
なかから、いくつかを紹介します。

今年の春学校を卒業したばかりの
森田春菜さんの陶。(写真1)

工具や機械部品みたいな不思議な作品です。
藤代裕さんの人形。(写真2)

ウーン、ロボットのような、人間のような…。
これは、はじめてお店に来た女性から、
「これどう思いますか?」
と、突然目の前に出された焼き物。(写真3)
草間弥生さんの初期の作品を見るような雰囲気。
手にのせて握りしめると気持がよくなりました。

そして、最後は私物ではありますが、
「靴工房てくてく」の中島さんから届いた靴。(写真4)
福岡のがらくた展のときに、
ふくやの隣にある「てくてく」さんにあつらえてもらった
店内用のスリッパ兼用靴です。
身につけるものには全く無頓着な私ですが、
このできたての靴を箱から取り出したときには、
「よくやって来たね、よしよし」
といった気分になりました。

突然の悲しい知らせも届きました。
強い個性と、目利きで知られたTさんの訃報です。
Tさんがはじめてブリキ星に来られたのは、
今年に入ってからのこと。
一級品のものばかりを扱ってこられた方なのに、
店に置いてあるガラクタひとつひとつに興味をもち、
心から楽しんでいる様子は、
「エンマさま」から、何でも受け入れる「ホトケさま」に
変わられたようにも見えました。
ブリキ星での最後の買い物は、亡くなる二週間前。
おからだが少しきつそうでしたが、
天窓の下の床にペタリと座り、店内をながめて、
丹波の壺やボーリングの球など、アレも、コレもと…。
瞬時の出会いと別れになってしまいましたが、
深く心に刻まれた時間(とき)でした。