ブリキ星通信

店主のひとりごと

ブリキ星通信/2001年8月号

2001年08月01日 | 2001年
今、三谷龍ニさんの「バターケース」が人気です。
山桜の厚い板をくり抜いて作られたバターケースです。
デザインもシンプルで素敵ですが、実用性もバツグン。
使い込むほどに、木に油分が浸透して肌合いが味わい深く
なっていきます。
…これは、手前味噌なんかではありませんよ。
最近出版された『平松洋子の台所』(ブックマン社)にも、
 「…ガラスやプラスティックがはねのけて汚れにしか見せなかった
  バターの切れ端も、このケースはみずからの美しさを深める手段
  にしてしまう。なんて賢い!小さなこの箱のなかで、自然の営み
  が循環している。脱帽である」(203ページ)と。
そういえば、ブリキ星開店まもない頃、先輩夫妻が来店され、
このバターケースを買ってくださいました。
そして、こんなメールが届きました。
 「 先日分けていただいた宝物の使い勝手をお伝えします。
 ……木器のバターケースは冷蔵庫に入れても乾いて割れる
  ことなく(十分に乾燥した木を使っているのだから当然ですね)、
  前に使っていた厚手のガラス製ケースと違ってバターがしっとり
  しています。付属のバターナイフもたいへん使いやすい。……」
使っていただいて、実感のこもった感想を寄せてくださる、
こんなにうれしいことはありません。

7月の企画展「本村加代子展」には、
作家がデザイン学校の先生なこともあって、
若い女性が大勢見えました。
オープニング開催のギターとコントラバスの演奏会にも、
たくさんの若い人が集い店内は満杯でした。
 「すっごく、入りづらいお店だけど入ったら、
  すっごく居心地のいい空間ですね」
彼らは口々に、そう言って、ほんとに気持ちよさそうに、
空の絵をながめながら、時間を忘れているようでした。
「入りにくい」「通り過ぎてしまつた」と、
開店以来よく言われているのですが、
それならば、と一念奮起して、いま看板を注文製作中です。
ブリキ星らしい看板をつくりますから、どうぞご期待ください。

今夏は、異常な暑さがつづく毎日です。
「人もモノも動かない」なんて、ついグチりたくなりますが、
健康に気をつけて、
人との出会いを楽しみながらやっていきたいと思っています。