ブリキ星通信

店主のひとりごと

ブリキ星通信/2005年3月号

2005年03月01日 | 2005年

仕事の合間をぬっての、たまの楽しみは温泉一泊旅行。
最近は群馬県の四万温泉が気に入っています。
二時間半で吾妻線の中之条駅に到着です。
駅のそばにはとびきり美味しいラーメンが
食べられる食堂(「さわや」)もあります。
この間は、バスの時間を待つ間、
駅周辺を歩いていたら、
路地の奥に「林昌寺」という小さなお寺を
見つけました。しだれ桜で有名だそうですが、
目にとまったのは異形の木彫仏 。
一瞬ギョっとするほどの姿、顔。
時代はそれほど古くはなさそう(たぶん江戸時代)。
破調の美しさ、といっていいかどうか
分かりませんが、珍しい仏さまでした。
カメラを持っていなかったのが残念。
その代わり、といってはなんですが、
昨年、西荻の「砧」さん開催の「木彫の古民具展」で
購入した誕生仏(写真)を紹介します。
この誕生仏、右手を上にあげているので、
仏様だと分かりますが、そうでなかったら、
アフリカの木彫と間違えてしまいそうです。
江戸時代の仏様に、
プリミティブアートを感じるなんて面白いですね。

2月の常設内展示企画展での、伊藤広哲くんの絵は
昨年に増して反響がありました。
「これは文明批評だ」とは、
新聞社勤務(今は療養中)のYさんの言葉。
はじめは、どういうことかな?
と思ったのですが、なるほど、
集合住宅のどの部屋にも設置された
同型の電化製品、デパートの売り場にぎっしりと
並ぶ家具類などなど、広哲くんの絵には、
今という時代がそのまま切り取られているのです。
数百年後の人びとが、これらの絵を見たら、
なんと思うでしょうか…。
展覧会が終わった日、
広哲くんは自分の絵をしっかりかかえて帰りました。