ブリキ星通信

店主のひとりごと

ブリキ星通信/2005年11月号

2005年11月01日 | 2005年

かねがね一度行ってみたいと思っていた、ちひろ美術館。
習慣になった「夜のウォーキング」で、上井草方面に向かっ
ていたとき、美術館の案内板に出会って、こんな近くにあっ
たことを知りました。
早速定休日に行ってきました。
住宅街の一角にある美術館には、平日の雨降る寒い日だとい
うのに、老若男女たくさんの人がいて、気持ちよくくつろい
でいる様子は、まるで都会のオアシスのよう。
小中高校生が入館無料というのがすばらしい。
女子学生さんが一人で、 静かに絵本を読んでいる姿はいい
ものです。
いわさきちひろさんの絵は、60年代、反戦・平和の活動に
夢中だった自分の青春時代と重なって、懐かしい。
絵の心が人に伝わるのは、奇跡に近いことだと私は思って
いるのですが、いわさきちひろの絵が、これだけ多くの人の
心をつかみ、共感を呼んでいることは、凄いことだと思います。
改めて、子どもの絵を見ても、一本の線の見事さを感じます。
ただ、私にとっては、「子ども」という「概念」は伝わって
きますが、「個性」は伝わってきません。
おかしな言い方ですが、だからこそ、広く人びとの心に受け
入れられるのかもしれない、と考えたりします。
20年前、調布市の団地に住んでいた時、隣にちひろちゃん
という名前の可愛い女の子がいました。
やはり、お母さんがちひろの絵が好きなので、ということでした。
いろいろな思い出のあるちひろの絵。
ときどき訪ねて、喫茶室でまたあの、苦いオーガニックの
コーヒーを飲みながら、絵について考えてみたいと思います。