ブリキ星通信

店主のひとりごと

ブリキ星通信/2009年4月

2009年04月08日 | 2009年

桜が満開です。
もう散り始めていますが、それでも見事です。

4月6日の月曜日、国立にある「器の店ノーション」さんで
行われている<土と草 熊谷幸治・山本あまよかしむ二人展>
に行ってきました。
JR国立駅に降り立ったら、そこは、桜・桜・桜・・・
花見は後にして、まずはギャラリーへ。
熊谷幸治さんは、ブリキ星でも何回も展示会をしていますが、
これまでは、土器をつくる傍らに土面やオブジェを手がけていました。
今回のように、土面や彫刻作品を本格的につくり込んで
展示するのは始めてのこと。
想像していた以上に面白い展示会でした。
店内に足を踏み入れて、熊谷さんの作品で真っ先に目に入るのが、
迫力満点の人物頭部の立体。
これは、自分の顔をモデルにしてつくったそうですが、
フランスのケ・ブランリー美術館に置いたってひけをとらない
と思ってしまう程に凄かった。
土面は、一見怖そうな顔から悩める顔、オトボケのゆかいな顔まで、
実にいろいろありました。
写真の土面は、その中から購入した一点です(大きさ約20センチ)。
うーん、なんでこんなに「いいなあ」と感じる自分があるのでしょうか、
我ながら不思議に思います。
熊谷さんは縄文大好き人間(私も同じです)。
人は誰でも過去・現在の魅力あるモノや人から影響を受けます。
これは言ってみれば、柔軟性があるということ。
でもモノをつくる人にとっては、とてもやっかいな問題です。
熊谷さんは言います。
「縄文や好きな作家のモノをいいなと感じるのは、
 あくまで自己確認で、自分の制作上では切り捨てる」と。
作家なら誰もがそう思っているのでしょうが、
そう簡単にいかないのが人間です。
熊谷さんのつくるものが、
まがい物(似せた物)にならないで存在しているのは、
彼の“才能”としか言いようがありません。
山本さんの作品も含めて、たっぷり楽しんで、
ギャラリーを後にしました。
国立駅に戻り、大学通りの桜並木を歩いて
花びらのシャワーをあび、春を満喫した一日になりました。

「器の店 ノーション」での二人展は4月11日(土)まで。
「ギャラリーブリキ星」では6月24日(水)~7月2日(木)
熊谷さんの土器他の個展を開催(坂村岳志さんが花をいれます)。