ブリキ星通信

店主のひとりごと

ブリキ星通信/2004年7月号

2004年07月01日 | 2004年
「ふくや」の江口さんとの共同企画「がらくた展」の開催
で九州に行ってきました。
東京から博多まで新幹線で(飛行機が苦手なので)5時間で
すが、思った程の長旅ではありません。
「ふくや」は農家の納屋と牛小屋を改装した店(写真1)。
瓦屋根が美しく、石積みと木造の家屋には風格があります。
会期中の3日間は37.8度という記録的猛暑。
もちろん冷房なんてありません。
でも、長い庇がかげをつくり、開け放たれた戸口から窓を
抜けていく風が、暑さを和らげてくれます。
交通不便な場所で、出足を心配していたのも杞憂に過ぎず、
お客さんが車で次々に来られます。沢山の人に圧倒されて、
頭がボーっとして、身の置き所がないほど。
(店内風景は、こちらのページをご覧ください)
「がらくた展」の合間に福岡各地の骨董店にも行きました。
何よりうれしかったのは、一昨年、東京から福岡に帰って
骨董の店「ji ji ba ba(じじばば)」(写真2)を開いた
山田恵さんに久しぶりにお会いできたことです。それから、
念願の「四月の魚」を訪問。店主の関さんと、置いてある
モノの一致の仕方に唸りました。総じて、九州の人たちは
のんびり、穏やか。「ふくや」でも、どんなに混雑しても、
あせらず騒がず、落ち着いた対応だったし、お客さんの雰
囲気もみんなゆったり待っている様子。
吉井町の木工作家・山口さんのお宅におじゃましたときの
印象も忘れがたいものです。
総勢6名の突然の訪問だったにもかかわらず、山口さん、
それはそれは美味しい手作りのお菓子とコーヒーを、
それはそれは時間をかけて丁寧に出してくださいました。
その淡々とした立ち居振る舞いに、我が身を省みて恥じ入
るばかりです。
店にいると、何故かお客さんが一時に集中するもので、
今まで暇で居眠りをしていたと思ったら、
急に何人ものお客さんが見えて、品物を持って並ばれたら、
もうパニック。
早く早くと自分をせかせて、あたふたと包装する手もまど
ろこしく、汗がどっと出てきます。
東京に帰って来てからは、そんな場面になったとき、
あの山口さんの姿を思い浮かべて、
急がず、騒がずを心がけているのですが…。

九州の食べ物はどこでも美味しかった。
記憶に残ったものは、
・「靴工房てくてく」(写真3)の中島さんが畑で育てた
採りたてのトマト
・久留米の「閑々亭」の茶碗蒸し
・「藤丸」さんの店内でいただいた和菓子
・呼子で食べたイカ。
最後の日には福岡から佐賀の唐津へ。
「虹の松原」は絶景でした。
九州は最初で最後の旅…と思っていたのですが、
どうも九州の魅力のとりこになったようです。
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写真1 納屋を改装した「ふくや」。
    福岡県筑紫野市原155-3
写真2 山田さんのお店「じじばば」。
    仲の良いご夫妻で土日だけオープン
    福岡市早良区高取2-3-2
    TEL090-5945-9058                      
写真3 「ふくや」の隣にある「靴工房てくてく」。
    靴職人の中島さんに、
    店で履く靴をつくってもらいました。
    自分でつくる靴の教室もあります。
    TEL090-8491-0840
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