ブリキ星通信

店主のひとりごと

ブリキ星通信/2005年2月号

2005年02月01日 | 2005年

いつも、バイクでやって来るTさんが、
新年の挨拶がわりに、と言って、
1枚の楽譜をプレゼントしてくれました(写真)。
もちろん、オリジナルではなく、コピーです。
が、何と美しいのでしょう。
「絶対音感」にはほど遠い私ですが、
じっと見つめていると、あの澄んだ音色が
聴こえてくるようです(作者は想像して下さい)。
そういえば、以前、
俵有作さんのお宅を訪ねたときに
見せていただいた書"はんにゃしんきょう"
を思い出しました。
それは、子どもが書いたような仮名文字で、
たぶん江戸時代の庶民の文字だと思うのですが、
無心さが伝わってくるすばらしい書でした。
楽譜はそれに負けていません。
文字ではなく、五線の上に書かれた音符を、
こんなにも快いと思ったのは初めて。
今の時代にだって、こんな無垢の美しいモノが
生まれるのですね。
現代作家の表現に心惹かれる理由は、
そんな可能性の発見にあるのかもしれません。
快さだけでなく、
ときには違和感があったにしても、
その表現を見つめるとき、
自分がどんな人間かを確かめることも
できるのですから…。

2月は、前川秀樹さん(木彫)、
前川千恵さん(下駄とバッグ)、
そして、伊藤広哲さん/絵(一部常設あり)の
展覧会がつづき、
今までにないブリキ星の空間が広がります。