いつも、バイクでやって来るTさんが、
新年の挨拶がわりに、と言って、
1枚の楽譜をプレゼントしてくれました(写真)。
もちろん、オリジナルではなく、コピーです。
が、何と美しいのでしょう。
「絶対音感」にはほど遠い私ですが、
じっと見つめていると、あの澄んだ音色が
聴こえてくるようです(作者は想像して下さい)。
そういえば、以前、
俵有作さんのお宅を訪ねたときに
見せていただいた書"はんにゃしんきょう"
を思い出しました。
それは、子どもが書いたような仮名文字で、
たぶん江戸時代の庶民の文字だと思うのですが、
無心さが伝わってくるすばらしい書でした。
楽譜はそれに負けていません。
文字ではなく、五線の上に書かれた音符を、
こんなにも快いと思ったのは初めて。
今の時代にだって、こんな無垢の美しいモノが
生まれるのですね。
現代作家の表現に心惹かれる理由は、
そんな可能性の発見にあるのかもしれません。
快さだけでなく、
ときには違和感があったにしても、
その表現を見つめるとき、
自分がどんな人間かを確かめることも
できるのですから…。
2月は、前川秀樹さん(木彫)、
前川千恵さん(下駄とバッグ)、
そして、伊藤広哲さん/絵(一部常設あり)の
展覧会がつづき、
今までにないブリキ星の空間が広がります。