そらになる 心は春の かすみにて 世にあらじとも おもいたつかな
(西行のうた)
年末に、辻邦生の『西行花伝』一冊を持って東北の作並温泉に1泊し、
つかの間安息のときを過ごしてきました。
なんで西行かというと、前月の企画展で、日置路花さんの書にあった、
「西行のうた」に触発されてのこと。
うたの本当の意味は分らないのですが、
西行さんは、世をさとった人ではなく、たえず迷い、
生きていること死ぬことへの不安感を、正直に受けとめて生きた人・・・
自分に引き寄せて、勝手に感じると、そんなふうに思え、
今ある自分を少し肯定できるようにも思えました。
そして迎えた2007年。
今年も初詣は杉並・松庵の稲荷神社へ(写真)。
かがり火と沢山の人の出に驚いたのか、
いつもいる猫ちゃんの姿は見えません。
この小さな神社は夜のウォーキングで時折訪れるところで、
境内に入ると、きまって猫ちゃんが「ニャオー」と出迎えてくれます。
最近になって、「猫にエサを与えるかたへ」という張り紙が貼られました。
「猫にエサを与える人は、5人位います。
エサは、かりかりを一握りにしてください。
毎朝残ったエサに小ありがたかって掃除が大変です」と。
「弱い者いじめ」が横行している世の中にあって、
こういう愛情のある掲示にふれると、思わずうれしくなります。
お参りをして、甘酒をいただいて、一年の無事を願いました。
今年もまた、どうぞよろしくお願いいたします。