ブリキ星通信

店主のひとりごと

ブリキ星通信/2001年6月号

2001年06月01日 | 2001年
シトシト雨の降りつづく日は、
道路を行き交う車の水音だけが響き、
店内は静寂そのものです。
そこへ、布製のバッグを肩から下げた、若い女性が来店。
三谷龍ニさんの木の器、李英才さんと井山三希子さんの
やきものなど、店内の器類を1つ1つ丁寧に見て、
 「シンプルでいいですねー」
 「買えるようになったら、こういう器を使ってみたいです」。
古いモノにも目を移し、
 「昔のモノはいい形をしていますね」と。
そして、錆びたブリキの箱に入った色鉛筆セットを見つけて、
 「私、これが欲しいです」。
美術学校で水彩画を勉強しているとのこと。
おもわず、3000円を2500円にオマケしました…。
少し前にも、
初期伊万里の傷だらけの小さなぐい呑(18,000円)を、
「可愛い!」と言って、買ってくれた若い女性がいました。
こんな、若い人たちの素直な感覚に出会うと、
うっとうしい雨のことも忘れて、
新鮮な喜びが湧いてきます。

5月の企画「日置路花展」は、
沢山の人にお越しいただいて、大好評の9日間でした。
「入日」の文字を食い入るように見る人、
「金烏(きんう)」の書を「クレーの絵みたい」と、
評した外国人。
人それぞれの感性が交差し合った、楽しく実りのある
展覧会でした。

さて、6月の企画展は、
内海満昌さんの絵です(6/6~14日)。
案内が、朝日新聞の東京マリオン(5.23日付)などの
情報欄に掲載されました。
多くの方々に、25歳の青年の絵を見ていただけたら、
うれしく思います。